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庭や畑が病院代わり

 自分の体に不調が生じたとき、昔はすぐに病院に行きましたが、今は、緊急に対処する必要性を感じない場合、まずは自分で治す方法を調べたり考えたりするようになりました。

 薬は買いに行かなくても、庭や畑で調達できます。「薬」という漢字を見ると草冠が付いているように、もともとは身近な草たちが人間を癒やしてくれていたところから始まったのでしょう。

 ノコギリや鎌や包丁で手を切ってしまったときは、庭や畑のヨモギを摘み、手で揉んで、出てきた汁を傷口に塗ります。大きな傷のときは、そのヨモギを傷口に当て、上から包帯やマスキングテープで巻いて固定しておくと、治りが早くてびっくりします。

 歯茎の調子がわるいときは、ハコベが助けてくれました。ハコベを摘んで、すり潰し、布で濾した汁に塩を加えて煮詰めると歯磨き粉代わりになります。これで歯を磨くと、歯茎がきゅっと引き締まり、調子がよくなります。これはすごい!と思って歯ブラシに付ける量を増やしたら塩で歯茎がただれてしまったことがあり、付けすぎには要注意!

ハコベ

 びわの葉もいろんな力を秘めているようです。自然療法の本でびわの葉温灸療法などを見たことがありましたが、手間がかかりそうでなかなか試せずにいたところ、簡単な方法として、びわの葉をあぶって患部に当てるだけでも効果があるという情報を得て、ギターで痛めた指に試したところ、即効性がありました。その方法を詳しく説明すると、びわの葉の裏の白い毛をガスの火で直接、チリチリとあぶり、やけどしないくらいに少し冷めるまで少し待ってから、皮膚に当てます。当てるだけでもいいのかもしれませんが、念のため、葉の上から軽くマッサージ。葉が冷めてきたら、また軽くあぶって、これを繰り返します。びわの葉のいい香りで癒やされます。昔からありそうな家の庭にびわの木が生えているのをよく見掛けます。びわは、実を食べられるし、葉っぱをお茶にしても薬効があるし、いろんな治療で活躍してくれるので、昔から頼りにされてきたのでしょう。

 里芋パスター(湿布)という療法もあります。里芋をすり下ろす(ショウガも少々)か、それ用に販売されている粉末を水で溶き、湿布します。指の関節炎にも効果抜群でした。相方の咳が何カ月も続いたときも、この湿布(その時は里芋ではなくジャガイモで代用)を当てるとみるみる回復して驚きました。

 風邪気味で喉が痛いときは、庭に生えた大根をさいの目切りにして、ハチミツをかけて「大根ハチミツ」をつくりました。大根から出てくる水分がハチミツと混ざったエキスが喉に効きます。これを数日飲み続けると、喉の痛みがおさまり、本格的に風邪をひくこともなく回復しました。

 このような手当ては、病院に行って治療を受けたりクスリをもらって飲んだりするよりも手間も時間もかかるかもしれませんが、副作用がないのが安心です。そして、こういうことを続けていると、自分の体の免疫力に自信がついてきます。いざとなれば、自分で自分を治していける、と思えてきました。とはいえ、苦しむのは避けたいし、病院の治療やクスリのようにあっという間に痛みや苦痛を取り除くのが難しい場合もあるので、普段から自分の体を大事にして労ろうという心掛けもできてきました。その結果、病気や不調が生じることが減り、たまに不調があっても軽いものなので、少し休息したり植物による穏やかな療法ですぐに回復する、という好循環に入っていくことができました。

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