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制作ノート 2021.09.08

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午前、まずはじめに昨日までなんとなくコラージュしていた鹿と、牛の頭部を組み合わせて壁にコラージュしてみる。
「鹿は牛になる夢を見て花を咲かせる」という言葉が思い浮かぶ。
形はあえてラフに構成する。インパクトが強いせいか、視界に入るだけで思考を持っていかれそうになる。

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その後、なんとなく牛や植物、土などのモチーフをイメージしながら、紙に気ままに筆を走らせてみる。とにかく量を、と思いながら進めてみると、ずいぶん稚拙なイメージたちが生まれた。筆をほぼ一種類しか使わなかったせいか、表情が単調に見える。とはいえこういうバリエーションも出るのだとわかったのは、そこそこの収穫。

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午後、もう少し絵になることを意識して、新たに牛を描いてみる。
筆で描くと、コラージュで生まれてくれるような自由闊達なイメージがぜんぜん得られない。その隔たりを埋めていくことが、今後の課題だと思った。

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夕方前に、描いていた紙を大胆にちぎってコラージュをする。カッターはもちろん、ハサミも極力使わずにひたすらちぎる。(ちぎり方によっては縁が白くなってしまうので、そこはやり方を工夫して、丁寧に処理する。)

正直、これが一番たのしい。筆で自在にモチーフを描ける人はいいなあと思う。でもコラージュは自分にとって、筆でそうするよりも遥かに予想外の、未見のイメージに出会わせてくれる。しばらくはこの技法を中心に展開していきたい。でも筆でできることも増やさなければ。満足のいくライブペインティングなど、いまの技量では到底できたものじゃない。

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制作途中、高木正勝の「かがやき」を初めて聴く。
以前購入したCDを、どういうわけか聴く気になれずにいたけれど、ようやくこころが迎えられるようになった。とても良かった。おばあちゃんの歌声や、子どもたちの笑い声が、なによりもうれしい。


気がつけば家での自粛がはじまって、ちょうど一週間になる。
日曜あたりから制作をはじめたので、絵は四日ほど描いていることになる。あまり進展していないと感じるのはいつものこと。でも今日はなんとなく抱いていた行き詰まりから脱却できそうな予感を得られた。

コラージュによるいきものの造形は、やればやるほど世界が広がる。明日はもっとたくさんつくりたい。その一方で、筆で描くことについてももう少し理解を深めたい。黒一色だけで、描くこととコラージュの双方をやってみたらどうなるだろう。コラージュで生まれたいきものを筆で真似したらどうなるだろう。やりたいことを次々と列挙して、ためらわず実験すること。

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