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人生解説書

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記事一覧

曖昧な記憶と想いの存在証明

曖昧な記憶と想いの存在証明

あなたは最近手紙を書いただろうか。
現代社会においては、電話やメール、さらにSNSの急速な発達により手紙というコミュニケーションツールを用いることはほとんどなくなったように思える。

それでも僕は手紙が好きだ。
なぜなら手紙は物理的に残しておこうと思えば、いつまでも残るからである。電話は音声コミュニケーションのため、発言した内容が次の瞬間には消えている。お互いの記憶が薄まってしまえば、その発言が実

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ちひろさんに教えてもらったこと

ちひろさんに教えてもらったこと

2月の頭に映画「ちひろさん」の試写会に行った。この映画は、2月23日より劇場とNetflixで同時公開される作品である。主演は有村架純で監督は今泉力哉が務める。僕は今泉力哉作品がどれも好きなので、この作品の原作は知らなかったが、とても楽しみにしていた。ちなみに有村架純は映画「花束みたいな恋をした」を見た時に惚れてしまった。

試写会にて行われた舞台挨拶では撮影時の裏話や、それぞれのキャストが捉える

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新年の抱負なんて壁にかけて飾っておけ

新年の抱負なんて壁にかけて飾っておけ

新年も明けてはや1ヶ月が経った。
年を取ると時の流れを早く感じるという風説があるが、昔はそんなことないと思っていた僕でさえ、もしかしたら本当なのではないかと信じかけてしまうほど時の流れが早い。これが老化というものの正体なのだろうか。

時間というものを考える時に、しばしば人は始まりと終わりを定義したがる。1日は0:00から始まり、もう一度0:00が来ると終わる。1週間は7日で終わるし、1ヶ月は多く

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自己破壊欲求と行動を引き起こすクソみたいな風景

自己破壊欲求と行動を引き起こすクソみたいな風景

先日、大学時代の女友達と飲んだ。
信じられないことに、彼女はこの駄文の連続を読んでいるらしい。とても驚いた。まさかまともに僕が書いた文章を読んでいる人間がこの世界に存在していたとは。

今日はタイトルにある通り自己破壊欲求について書きたい。
もし君がこの記事にも目を通しているならば、少しの間お付き合い願う。

ぶっ壊すために積み上げる突然だが、僕の生い立ちについて話そう。

僕は東京都世田谷区に長

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文学性に囚われる

文学性に囚われる

季節は移ろい、気づけば師走である。
気温はみるみる下がり、人々は温もりを求める、そんな季節と言えよう。

今年1年で、僕の周りには結婚した友達や彼氏、彼女ができた友達が増えた。コロナ禍で結婚している人が増えているらしい。まあ、納得である。こんなにも孤独を感じる季節はまあ少ない。人生でも1度か2度体験する程度であろう。

でも、そんな季節に人を求めて幸せになるなんてフツーじゃない?と斜に構えて感じて

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ショートケーキの本体はどこか

ショートケーキの本体はどこか

ケーキの中で、あなたはなにが最も好きだろうか。
僕はショートケーキが好きだ。
ケーキのなかの王道をいきつつ、それでいてシンプルな構成と色味が好きなのだ。

ケーキを食べる時、その構造に着目するとなかなか興味深い。
ほとんどのケーキのベースはスポンジで構成されていて、そこにチョコレートやクリームなどで味付けがされ、そしてフルーツや砂糖菓子などで装飾が施されている。

それでは一体ショートケーキの本体

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人生について再び考えよう

人生について再び考えよう

イタリアから帰国した。
このイタリア、オランダ出張は、自分にとって約6年ぶりの海外で、コロナ禍のあとの世界ということもあり、海外にでるという行動だけ見ても、僕が経験したことのあるものとはなにかが少し違っていた。

その違和感のせいなのか、途中で体調を崩してしまったりと、とても順風満帆な旅とは言い切れなかったけれど、まあ終わってみてみれば成功したと思う。(点数としたら70点くらいだ。)

今回は出張

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外部依存の恐怖

外部依存の恐怖

先日ひょんなことからあるセミナーに運営側として参加した。そのイベントではこれから起業をしようとしている人が、その業界の大御所的な先輩にノウハウやコツなどを質問し、それに対して先輩が回答をして解決策を得ると言うものだった。

そこで僕はなんとも形容しがたい恐怖を感じたのである。
参加者の多くは業界への新参者であり、知識をそんなに多く持ってはいないということはわかる。しかし彼女たちがする質問の多くは、

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みんな誰かに愛されたい

みんな誰かに愛されたい

緊急事態とは言えない緊急事態宣言が発令されてから、もうどれだけ経ったかわからないくらい、世界は日常を取り戻そうとしている。

これまで自粛要請に従ってきたお店も、耐えきれないようにアルコールを提供し始め、消費者も自粛の意識が薄れてきているようで、これまで意識高く守ってきた人々もお酒を浴びに外に出ているように思える。

もうどうにでもなってしまえ。オリンピックはやるけど、運動会は自粛。出場選手の飲酒

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サボタージュは悪か

サボタージュは悪か

 季節は移ろい、涼しげとは言い難い初夏を迎えているが、6月というのはなんともやる気が起きない月である。コロナ禍のもと就職してから早2ヶ月と少しが過ぎようとしている。好きなこと以外全くやる気が起きない僕としては、リモートとはいえこの2ヶ月会社を辞めずに過ごしたことを誰か褒めて欲しい。僕は褒められて伸びるタイプなのだ。
 それでも仕事をサボりたくなってきてしまう、これはもうしょうがないことだろう。全人

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色彩が薄らいでいくのを止めろ

色彩が薄らいでいくのを止めろ

 世間が新型ウイルスで騒がれているこの3月、僕は5年間通った大学を卒業した。ウイルスの影響で卒業式も無くなってしまったし、大学やゼミが主催する卒業パーティーも全て無くなってしまった。まあ僕は現役ではないからまだいいけれど、現役で卒業する人たちは酷く悲しかっただろう。それでも僕たちは、この混沌の連続の中で生き続けていかなくてはならない。そして僕はこれからの世界に興味が持てない。

大学生活は人生の夏

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人生の諸選択における基準の話

人生の諸選択における基準の話

 人はなにかを決める際に、なにを基準として決めているだろうか。

 例えば、中学校から高校に進学する際には、自分の学力や経済的環境をもとに自分の適した学校を選定し、進学する人が多いのではなかろうか。

 また、高校から大学に進学する際には上記のパラメータの他に、自分が学びたい学問の専門性の有無、その大学の特色などといった自分自身の興味関心ということも大きく関係してくるだろう。

 就職においては、

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