
ミヤハヤ2周年個展in京都で展示する全作品を解説をつけて公開します!
ぼくの初の地方個展までとうとう残り2日となりました。
それで今回の京都個展では、思い切った実験を行いたいと思います。
それはタイトルにもある通り、ぼくの今回の個展で展示する作品全てとその作品の解説を公開するというモノです。
どうしてこんなことをやろうとおもったのか?と言うと、今回ぼくは初めての地方個展になるわけですけど、今まで3度の個展が全て東京だったわけです。
なので、必然的に東京にぼくの作品を好きな方たちが多いわけなんですが、今回物理的な距離が離れているので、東京の方たちは来るのが難しくなります。
また、物理的距離以外にも様々理由で個展に来れない方達がいるとおもったんですね。
そんなみなさんにせめてどんな作品を展示するのか、そして、その作品の解説を行うことでちょっとでも「個展に来た気持ち」になってもらえたらなと思ったのです。
また、個展に来てくださるみなさんも事前に解説を読み、知識のある段階で生の作品を見てもらった方が作品に対して何か感じることも大きくなるんじゃないかと思ったのです。
もちろん、解説だけでは全部を伝え切れてない部分もあるので、個展に来てぼくの口からもっとたくさんのことをお話しさせていただきます。
というわけで個展の2日前ですが、少しでも個展に来れないみなさんに個展に行った気持ちになってもらえたらということと個展に来てくださるみなさんにより個展を楽しんでいただくために、展示する作品とその解説を公開したいと思います!
それではどうぞ!!!
Mother
ぼくにとって2019年に出会えてよかった作品のトップは間違いなく「Mother」というドラマです。
「世界の中心で愛」を叫ぶを脚本した坂元裕二さんの作品で松雪泰子さん、芦田愛菜さんが主演です。
日本の幼児虐待問題について一石を投じたドラマ。
ぼくは男だし、未婚で子供もおりません。
しかし、このドラマを観て号泣しました。
全11話ですが、全ての回で涙を流しました。
性別とか立場を乗り越えて感動してしまう力がこのドラマには確かにあります。
母親という生き物、そして親子愛の美しさをこのドラマで知らされました。
その感動を生涯保存するために作品として残したのです。
一人でも多くの人にぜひ観てもらいたいドラマです。
Requiem
2019年7月18日のコトをぼくは生涯忘れることはありません。
この日多くの才能あるクリエイターたちが天に昇って行きました。
どれだけ痛く、どれだけ苦しく、どれだけ無念だったでしょうか。
彼らの気持ちに共感することなんて不可能です。
彼らの無念さを理解することも不可能です。
しかし、せめてせめて、、彼らの命が静かに安らかに眠ってほしい。
そして、天国で大好きな創作を続けていて欲しい。
そんな願いを込めて描いた作品です。
黒の衝撃
日本を代表するファッションブランドに「ヨウジヤマモト」、「コムデギャルソン」があります。
彼らを一躍世界的に有名にしたのは、パリコレクションでのショーです。
当時、「反抗」を表す意味として忌み嫌われていた黒を全身にあしらった攻撃的なコレクションを展開したのです。
このショーは「黒の衝撃」と呼ばれ従来のファッションの価値観を壊し、現在では伝説となっています。
ぼくはこの黒の衝撃に強い影響を受けて、黒をたくさん身に纏うようになりました。
そして、黒を纏うことで他らならぬぼく自身もヨウジヤマモトやコムデギャルソンのように「従来のアート文化に囚われない活動をしてアート業界の価値観を壊していくぞ」という意思表示でもあります。
その気持ちと彼らへの敬意をもって「黒の衝撃」をモチーフに作品を作りました。
生命力
ぼくは根っからの意識高い系です。
20代前半は意識の高い「ノウハウ」や自己啓発書が大好物でした。
「何者かになりたい」という気持ちを若い時からずっと持ち続けていました。
そして、アーティストになってようやく気づけました。
意識高いノウハウ以上に「心」からの衝動が大事なんだと。
論理や合理的だけで塗り固めるのではなく、根底に人間本来の「生命」をイキイキさせることが重要なんだと。
この「生命力」という作品は細胞をモチーフに、一つ一つの細胞が命として燃えたぎっている様子を表現しています。
やさしさ
「やさしさ」は人間が楽しく生きていくために最も必要な要素だと思っています。
人の失敗を笑わず挑戦したことを認めれること、人の過ちを過去の出来事として忘れれること、理不尽に怒らないこと、常に人の喜ぶことを念頭に置いて他人と接すれること。
これら全てがぼくはやさしさだと思っています。
そして、もしそんなやさしい人がもっと増えたら現代のような毎日インターネットで誰かが炎上したり、テレビを付けたら誰かが謝罪している、そんな現状が無くなっていくとおもうんですね。
時に「やさしい人」は「他人に甘い」とか「弱々しい」と勘違いされがちなんですが、やさしさってすごくエネルギーの必要な行為なので、やさしい人ほどとてもパワフルなんです。
世の中にやさしいパワフルな人がもっと増えたらいいと心からおもっています。
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この作品は映画「アルカトラズからの脱出」を観て心が大きく動かされたので描いた作品です。
1960年代アメリカ・サンフランシスコに海に覆われた「アルカトラズ」という刑務所がありました。
誰一人脱獄できない絶対攻略不可能な刑務所として有名でした。
そのアルカトラズを当時34歳で強盗罪で送られたフランクモリスとその仲間は脱出してしまったのです。
彼らは、アルカトラズから逃げ出すために食堂でスプーンを盗み、それを使って牢獄の壁を少しずつ少しずつ削り、穴を掘って行きました。
そして、看守にバレないように脱出口を作り、海を渡るための救命胴衣とイカダも作り出して、脱獄を成功させたのです。
その時間は2年を要したといいます。
看守に脱獄がバレれば即銃殺されるでしょう。
そんなリスクを抱えた中で、どうして穴を掘ってまで脱獄不可能と呼ばれるアルカトラズからの脱出を試みたのか?
その本音はただただ「生きたい」という「心の叫び」だったのではないかとぼくには思えるのです。
闘い
ぼくは喧嘩が嫌いです。人との競争も苦手です。
しかし、人生は「闘い」だと思っています。
誰かと闘うのではありません。自分自身と闘うのです。
アートはまさに自分との闘い。
今まで何度も作品の作れないスランプに陥って来ました。
個展が間近に近づくと恐怖心に襲われて眠れない夜もありました。
ですが、だからこそ何か嬉しいことがあった時の喜びも一塩だったのです。
人は闘うからこそ人生に張りが出るのだとおもいます。
ぼくはこれからもずっと闘っていくのです、他ならぬ自分自身と。
ルワンダの涙
ルワンダでは1994年に100万人もの人が亡くなったジェノサイド(大量虐殺)という痛ましい歴史があります。
ジェノサイドの3ヶ月間、ルワンダは真っ赤に染まりました。
この惨状を物語る驚くべき統計がユニセフから出されています。
70%の子供たちが誰かの死を目撃している。
80%の子供たちが家族を亡くしている。
90%の子供たちが自分たちは死ぬと思っていた。
もはや言葉になりません。
しかし、その中でも彼らは生きて行かねばなりません。
ぼくは今年の6月にルワンダを訪れさせていただきました。
そこで多くのルワンダ人と接する機会がありました。
ルワンダの人はどの人もやさしく、道に迷っていたらあちらから声をかけてくれるほど親切でした。
このルワンダ人のやさしさはジェノサイドで多くの涙を流し、それを乗り越えたからのやさしさなのかもしれません。
一杯のごはん
ぼくはルワンダに訪れたことで人生観が大きく変わりました。
一杯のごはんを食べれただけで物凄く幸せなことだと思えるようになったのです。
日本では当たり前のようにご飯が食べれます。コンロも冷蔵庫もエアコンも当たり前のようにあります。
iPhoneだって所得の差に関係なく、多くの人が所有しています。
その当たり前がルワンダには全くありません。
日本の貧しさとルワンダの貧しさは同じ言葉でも、中身が全く異なるのです。
そんな現状のこの目で見たので、手垢のついた表現になりますが、日本に生まれれたことはとてもありがたいことだとぼくは心からおもえたのです。
日本に住んでいればわたしたちは当たり前のように美味しいご飯を食べることが出来ます。
それはとてもありがたいことなんです。
人間なんていつか死ぬ
若くとも、どれだけ健康でも、人間なんていつ死ぬか分かりません。
そして、人は死を恐れます。
しかし、死を遠ざけるのではなく、逆に死を身近に置くことで人間の生というのは輝くのだと思います。
20代の頃に身内を交通事故で亡くしました。
その時からぼくにとって死は身近なモノとなりました。
そして、どうせいつか死ぬのだったら好きなように生きようとおもい、現在画家として生きています。
これからも「人間いつ死ぬか分からない」ということを念頭に置いて自分の人生を全うして行きます
そんなぼくの魂を表現した作品です。
巡恋歌
ぼくが長年愛聴している長渕剛さんの唄をモチーフにして描きました。
心に刺さる作品とは何なのか?
それは作者の心の叫びが見える作品なのだと思います。
そして、そんな作品というのは決まってうまくいかないことであったり、不幸な出来事があったりします。
長渕剛さんの巡恋歌はまさに恋に破れた人間の叫びをストレートに表現しています。
その世界観は美しく、沁みます。
人の心に刺さる創造というのは、悲しみと孤独を背中に抱えながら心の叫びを表現したモノだとぼくは思っています。
生きる
これは台風19号が東京に直撃する2日前に書き上げた作品です。
台風19号は「地球最大級」と呼ばれ日本中の人々が警戒していたと思います。
ぼく自身も「今回の台風はさすがにヤバい」と心底思いました。
生まれて初めて被災するかもしれないと本気で思いましたし、自分の命も危ういと感じたのです。
その時のぼくの心の中はひたすら「生きたい」という生への希求でした。
そして、「台風になんて絶対に負けない、何としても生き抜く」という自分の決心を表すために描き上げたのがこの「生きる」という作品です。
フルスイング
人生の本当の価値とは何なのか?
ぼくは「納得」だと思っています。
お金や名誉に価値を置くのももちろんイイです。
しかし、やはり納得がいくというのはそれらとは異なる特別感があるとぼくは感じています。
ぼくは人生に納得したいので何かに挑戦するときは「フルスイングするぞ」という気持ち臨みます。
今までたくさんのチャレンジャーを見てきましたが、結果がどうあれ見ていて清々しかったのは全力でバットを振った人間でした。
ぼくも彼らのように清々しく在りたいのです。
バットを全力で振るのは恐いです。恥もかくかもしれません。
しかし、そんなことに挑める人をぼくはカッコいいと思います。
個展は11月2日、3日の2日間です、みなさんのお越しをお待ちしております。
いかがでしたでしょうか?
今まで個展以外で作品の解説をしないようにしていたので、こうやって文章として公開するのはすごく緊張しました。
前述しましたが、ぼくの願いはただ2つです。
ちょっとでも個展に来れないみなさんが、個展に行った気持ちになってくださること。
そして、個展に来る予定のみなさんがこの公開によって作品を生で見るのがより楽しみになってくださること。
その2つが叶えられたら、物凄く嬉しいです。
さぁ、京都での個展はいよいよ明後日11月2日、3日の2日間です。
一人でも多くのみなさんのお越しをどうぞお待ちしております。
個展詳細:【初めての地方個展】ミヤハヤ2周年個展を「京都」で開催します!
ぼくは、明日の朝には京都入りします。
個展でお会いしましょう!!!
ミヤハヤ