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手のひらの歌1

獺貫瀑(うそぬきのたき)
 鹿児島県姶良市加治木町の木田にあって、旧城元から北北西へ、1,7キロメートルを隔てている。網掛川の源のひとつをなしていて、山田の山王川の下流である。瀑の高さはおよそ13メートル余りあって、幅がおよそ8メートルである。

うそぬきの滝



 瀑の下は碧潭深広で、左右は断崖がそばだち、水石清幽で、その景状は賞賛すべきものがある。(加治木郷土誌「名所」から)

獺貫の滝自然公園
 獺貫滝の河川敷にあって、滝の景観と自然資源を生かした公園である。ここには、国歌の「君が代」に歌われる細石(さざれいし)が、川岸のあちラこちラに見られて、太古をしのばせてくれる。

 清流ではメダカやアユなどの淡水魚が観察されて、清流の宝石と呼ばれるカワセミをはじめに、カモやサギ類などの渡り鳥が多くやってくる。

 ススキやシダ類の群生する草原には、多くの野鳥や昆虫が棲息していて、ウグイスやホホジロなどの住処になっている。天空では、トビやタカやハヤブサが舞っている。

 獺貫の滝は「母子滝」とも呼ばれて、母滝と子滝からなっている。母滝は子滝の後方にかくれて、わずかに見えるだけである。

 この滝には、女性を守護する神がやどっているといわれている。祈願すると家族の安泰が得られて、さらには、子宝にも恵まれるといわれている。

 滝見台からの滝つぼの眺めは、濃い色の水面が神秘的である。そこからは南の方角に春日神社の森が見られて、さらに桜島山と直線でつながっている。右端には、錦江湾につきだした吉野の山並みを見わたすことができる。

 滝公園の入口には、水神様がまつられている。「水と火」をつかさどるこの神は、この地域の人びとの暮らしと、田畑や山林の安全を見守っている。この水神様は、「獺貫切貫(うそぬききりぬき」の貫通を記念して創立されたものと想定される。

 この水神様は、偉大な神通力をもっている。安産の神ともよばれていて、祈願すると女性の出産をはじめに、学問や芸術や事業などの願い事が成就される。さらには、日々の健康と安全な生活が得られるといわれている。

水神様

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