渡辺淳一をテクノスリラーとして読み直す(初出:津田マガ「本を読まない津田大介に成り代わってブックレビュー」)
今回は、先日他界した渡辺淳一を、テクノスリラー作家として位置づけるという試みに挑戦したいと思います。
テクノスリラーとは、マイケル・クライトンやに代表される、テクノロジーに由来した危機状況を舞台とした小説の分野です。つまりここで挑むのは、本来、恋愛・官能小説の作家として知られる渡辺淳一作品を、テクノロジーの文脈から読み替えるという作業なわけです。
ここから先は
3,611字
¥ 300
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?