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今週の観もの 聞きもの 読みもの(3/1〜3/7)

いつまでも開けることのない宣言下の中で、平常通りに人は
動いている。

後手に回る対応。利己的に振る舞いを続ける女帝。

具体的な目標値さえ示されることのなく己の欲望のみのために強制するのには無理がある。
どこまで下がれば、生活を元通りに出来るのか示さないと何も変わらない。
ゼロにするということはほぼ不可能なのだから。

早く乾杯がしたい。飛沫が飛んでも問題のない生活を過ごせる日常へ戻りたいと思いながら過ごす日々である。

そんなこんなで、今週は色々あって出来なかったので一つだけ。

①家、ついて行っていいですか?特別編

今年の年初、テレビ東京で衝撃の作品が放映された。

オナニー マシーン イノマーさんの亡くなるまでのドキュメンタリー。
告別式の後、出会した番組のディレクターが突撃取材。
そして、たまたまテレビ東京のディレクターが全てを個人的に撮影していた。

偶然が重なり、作られたドキュメンタリーではあるがこれが本当に素晴らしかった。

僕はオナニー マシーンを知らなかった。
テレビが放映された後、追っかけて聞き始めた程度である。
イノマーさんが亡くなるまでを撮影していたのはテレビ東京の上出ディレクター。彼がイノマーさんを撮影していたことは彼が昨年出版した彼が手がける番組本「ハイパーハードボイルドグルメリポート」に掲載されているが、このタイミングで放映されるとは思わなかった。
(この本自体が番組とは一線を画し、困難な旅の中で上出ディレクターの心情が描かれており最高なのである。)

ステージ4のガンを申告されながら、いつ死ぬか分からないという恐怖と戦う姿。最後までステージに立ち続け、亡くなるその瞬間までロックンロールとは何かという答えを身をもって証明する姿に涙は止まらない。

凄まじいドキュメンタリーを見せられた僕は言葉を失い涙を流し続ける。
この番組を通して、コロナなんかに負けてられるかと僕たちに勇気を与えてくれる。日常で愚痴を吐くことがいかに無駄であり、馬鹿馬鹿しいことか痛切に説教を食らわされた。後悔のない日々を過ごす。これが何より大切にしなくてはいけないことなのだ。

また、上出ディレクターであるが、「ブルータス」のラジオ特集にて「ハイパーハードボイルドグルメリポート」のポッドキャスト化が掲載されており、コロナ渦という海外ロケが困難な状況下で何が発表されるのか胸が高鳴った。
しかし、週末に発売された「群像」に掲載された上出ディレクターのエッセイは衝撃的な内容であった。テレビ業界の中からテレビ局という電波を独占し続ける既得権益を痛切に批判する内容はネットに後塵を拝するテレビに対して的確としか言いようのないものであった。(聞いてるか、総務省を接待し続ける人達よ)
彼がここまで赤裸々に語るのは、テレビを限りなく愛し、テレビというメディアの力を信じているが故に違いない。
テレ朝の加地さんやTBSの藤井さんに憧れてテレビマンになりたいと思った。
テレビマンは憧れであり、僕にとっては嫉妬の対象なのである。
上出ディレクターは新世代のディレクターであり、彼の番組は今後フォローしていかなければならない。改めて、今回のエッセイを読み感じたのである。

話は脱線したが、上出ディレクターはイノマーさんに対して「今のところ人生はどうですか?」と問う。イノマーさんは疲れ、解答もおぼつかない状況で、「楽しい。楽しかったよ。楽しすぎるのも良くないな。」と答える。僕達は本当に楽しいと言える人生を歩めているのだろうか。後悔ないように生きていく。いつ終わるか分からない人生。まだまだやりたいことがいっぱいある。

高校時代、片想いだった人のインスタを偶々見つけたのでリクエストを送る。承認されたと通知が来たが、一瞬でブロックされた。

それもまた僕なりの素晴らしい人生なのである。

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