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いま心が苦しい10代のきみへ

毎日苦しくて、死にたくて仕方ない。学校になんて行きたくない。親と顔を合わせるのも憂鬱だ。なんとなく気分が上がらない。イライラする。勉強も頭に入らない。朝起きるのがつらい。

そんな気持ちを抱えているきみに、少し意外だけど楽になる方法を教えようと思う。

思いっきり叫ぶとか、好きな漫画を読むとか、話を聞いてもらうとか、もちろんそういうことでもいいんだけど、それとは違って。

きみに試してほしいのは「口に入れるものを変えること」。

実は、食べるものや栄養で、心の状態って変わるんだよ。

病院では、心と身体は分けて診察するから別々のものだと思う人も多いけど、本当はつながっているんだ。だから、身体の状態を整えれば、心も整うんだ。

たとえば落ち込んでいてもご飯を食べれば気持ちが楽になったり、身体を動かすと気分が少し晴れやかになることもあるでしょ?

逆に、運動をたくさんして身体が疲れるだけでも落ち込んでしまったり、怪我をして血がたくさん出てしまうと、そのせいで心が不安定になるということもあるんだ。

わたしたちは気分が落ち込むと「なんで落ち込むんだろう」と理由を探したり「あ、昨日○○だったからだ」とかもっともらしい理由を紐付けがちだけど、「気分」ていうのは、つまるところ脳内物質の作用だ。

そして細かいことは省くけど、いい気分になる脳内物質を作れるかどうかは、身体の状態にも大いに左右される。

そして落ち込んだ心が回復したり、安定する脳内物質をたくさん作るためには、脳がしっかり動く必要がある。

脳が動くためにはよく糖質が必要と言われるけど本当は脂質も使える。そして、その糖質や脂質からエネルギーを作り出すためには、たくさんの栄養がいるんだ。

思春期に心がつらいのは「多感な時期だから」と言われるけど、実は身体の成長のために栄養が使われるから、脳内物質を作るための、つまり心の安定のために必要な栄養が足りなくなってるからなんだ。理不尽な話だよね。

おまけに女の子は生理があって毎月鉄分が減っていく。生理が来ると、余計に心が辛くならないかな。イライラしたりとか。集中力が切れやすくなったりとか。

鉄分は、実は血を作るだけじゃなく信じられないくらい身体のあらゆるところで使われていて、もちろん脳、つまり心の安定にもとても重要な役割を果たす栄養素なんだ。

実はわたしも、初めての生理を迎える前までは明るく元気だったのに、生理が始まってから一年後くらいに急に心が不安定になって、学校に行けなくなってしまったんだ。今思うとこれは、生理で鉄が減ってしまったせいだったんだと思う。

ちなみにわたしだけでなく、日本の女の人は生理がある思春期の女の子から大人の女性まで、ほとんどみんな鉄分が足りてないって言われているんだよ。わたしは、女性が男性より感情に左右されやすいのは、このせいじゃないかと密かに思っている。

鉄分のほかにも大事な栄養はたくさんある。特に心のためなら、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、そしてマグネシウムなんかが必要かな。

そして栄養っていうのは基本的にタンパク質と一緒に身体で働くから、できるならお肉や魚、卵を食べると良い。

食べ物だけでは限界があるし、食事を変えることができない子もいるだろう。

でも、とりあえずお小遣いを握りしめてドラッグストアに行って、今あげた栄養のサプリメントを買ってみて。飲むだけでも少し変わると思う。

もし、栄養と心の関係をもっと詳しく知りたいなら、以下の本を読んでみてほしい。

特に上の本には、学校に行けなかった子が栄養をサプリメントで摂ることで、心が安定して学校に行けるようになったという話も書かれている。うつや拒食症が治った人の事例も載っている。

わたしは不登校でずっと辛かった頃、こういうことを知らなくて、心の病気になったのは自分が弱い人間だから、自分の性格が悪いせいだと思っていた。だけどこれを知って、そんなことはないんだと思うことができたんだ。

だから、朝起きられなくても、イライラしてしまっても、辛くても、それは君が弱かったり、ダメ人間だからじゃないんだよ。

天気が毎日変わるように、季節が変わるように、気分や体調も日によって変わるし、それは自然なことなんだ。つらいこと全てが、自分だけのせいじゃないんだよ。

今つらい気持ちが全てではないと思うことができれば、生きるのが楽になって、世界は少しずつ変わっていくんだ。

人間は弱い。心はちょっとしたことで揺らぐし、学校に行くってとてもストレスだ。嫌いな人と毎日顔を合わせることは大人だってイヤになる。親も選べないから、家族と折り合いが悪いってこともあるだろう。そんな中でこれまで生きてこられただけでも、それは本当にすごいことなんだ。

今は家族に面倒を見てもらっているから自由にできなくて窮屈かもしれない。大人になれば働くことができて自由に使えるお金が増えるから、少しは変わってくるかもしれない。

けれど、まず今の時点できみ自身が、自分の人生を生きようと思うことができれば、考え方次第で人生は変えられるんだ。何にも縛られないとしたら、何がしたい?

10代で人生は決まらない。30代でだって決まらない。40代でも50代でもだ。

「今のうちに頑張らなきゃあとで苦労する」
「遊んでばかりいては、将来ダメになる」

大人が口にするのは、大人たちが見てきた時代の常識だ。今は多様化の時代で、成功の形も人それぞれだ。そして、いま10代のきみたちが大人になる頃にはきっとまた違った常識に変わっていくんだよ。

つきなみな表現で申し訳ないけど、明けない夜はないし止まない雨もない。けれど雨がふらなければ作物は実らない。何事も捉え方次第だ。

人生に辛いことはたしかにあるけど、生きている限り、幸せになりたいと願う限り、この先ずっと辛いだけなんてことはない。

だからまず、口にするものを変えて、身体を整えて、心を整えてみてほしい。

食べることは生きることだ。

そしてどうか生きて、きみの答えを見つけてね。

顔も知らないどこかの大人が、きみが将来「生きててよかった」と笑えるようにと祈っているよ。

この記事は10代の子向けに栄養に関することを簡単にまとめたものです。

より詳しいことは紹介した本などを読んでもらえればと思うのですが、筆者も自身が治療中で、情報をまとめています。

何歳でも今まさに辛い方、そして子育ての渦中にある方も、食事や健康を考える上で、少しでも参考になれば幸いです。

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