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モノに溺れても満たされない私たちの“検索できないモノ”づくり


こんにちは、ハヤカワ五味です。

マガジン2本目は、先日ふらっと呟いたら思いがけず好評だった

こちらのツイートに合わせて、見えないニーズの重要性、そしてそれを考える上で重要になってくる「現代の買い物の在り方」について考えていきたいと思います。
今回もバリバリ小売についての話ですが「現在の消費者の在り方とは?」というところがベースになっているので、個人とお金のやりとりをするお仕事の方にはなにがしか役に立つといいなと思いながら書いていきます。


■目次■
・「選ばない買物」へと向かう消費者-博報堂買物研究所調査(2018)より
・金魚よりも集中時間の短い現代の消費者-マイクロソフト調査(2015)より
・大前提は、中古ではなく”敢えて”新品で買いたくなること
・直感的な買い物には「ワオ!」が効く
・検索しやすく、もしくは、こちらから出会いに行く
・まとめ


■「選ばない買物」へと向かう消費者
-博報堂買物研究所調査(2018)より

まず、先日、お世話になっているEC関係の仕事をされている先輩に教えてもらって以来気になっている調査レポートについて。
博報堂買物研究所の調査で、情報過多により買い物ストレスが増した結果「選ばない買い物」をする人が増えているという話だ。

博報堂調査 「選ばない買い物」理由 資料はこちら

詳細は上のレポートを読んでもらえたら。今回取り上げるのはこちら。

○ 時代潮流:「買物ストレス」の時代○
👉過去、それぞれの時代に存在した「買物の楽しさ」
高度経済成長期の、中流生活の必需品を求める「揃える買物」。80 年代の海外、高級品を求める「憧れる買物」。2000 年代のインターネットを駆使して良いものを探し出す「賢い買物」。かつてそれぞれの時代に買物の楽しさがあった。
👉 情報爆発、買い方の多様化で買物がストレス化する時代に
しかし、2010 年~20 年で 40 倍とまで言われるほど情報量が増加。モノも溢れる中で従来のリアル店舗だけでなく、EC での買い物も普及。「自分で商品を探し、選択」しようとしても大量の情報、商品、買い方の前に正しい判断に迷う「買物ストレス」が増加。

この部分、とっても心当たりがありハッとしました。

少し前までは、様々リサーチして一番良いデザインで安い店を探して…としていましたが、もう最近は、楽天市場で価格比較をしたところで大して値段は変わらないし、ネットでググると同じような商品ばかりで、amazonで売ってると思えば別の公式ECがあったり…。調査内で、それらは40倍の情報量としてひとまとめに触れられているようですが、実際商品数も販売経路も40倍かそれ以上に増えていると感じます

販売しているお店も多ければチャネルも多く、商品数も莫大で模造品も大量にある、同じ商品が別のブランドタグで販売されていることもしばしば、そんな状況で100円安い商品、少し品質の良い商品まで辿り着くには途方もない時間と労力が必要です。なので、以前は色々リサーチして良いものを見つけてラッキーという楽しいネット通販ライフを送っていましたが、最近は検索したらサクッと買えるamazonで買い物することが殆どになってしまいました。


👉「手間をかけたい買物」「効率的な買物」を割り切る生活者が 7 割を超える。
もはや全ての商品を「賢く」比較することは限界。
今回実施した調査では、ストレス回避の現象として「手間をかけたい買物と効率を重視する買物を意図的に分けている」という回答が71.8%にのぼった。

そう、全ての買い物で「賢く」いることは限界にきていて、その結果も一消費者としてしっくりきます。

つまり、この調査からわかることを簡潔にまとめると「消費者の情報量増・商品数増・ストレス増」と言えるでしょう。


そして、ここから考えられるのは、消費者は「検索ワードが曖昧だと辿り着けない」そして「検索結果でオンリーワンでないと選べない」ということです。

なので例えば、いくら良いデザインを作り上げたところで「なんと呼ぶアイテムか」もしくは「なんというブランドか」がわからないと、この情報過多の時代では、よほどのことがなければ2回目の出会いが難しいということです。

それこそ、少し前だとテニススカートが流行った理由は、曖昧な○○プリーツスカートとかではなく”テニススカート”という検索するのに簡単で覚えやすいワードと共にしっかりと認知されていったからだと考えています。また、特定の商品を検索した際に対して差異のない商品がいっぱい並んでいて、しかも実際購入に進めて行くと在庫が無かったり…みたいなことがあるとストレスで一気に購買意欲がなくなっちゃいませんか?


■金魚よりも集中時間の短い現代の消費者
-マイクロソフト調査(2015)より

そして、これまた気になった調査です。

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