[wta]変化妖怪のトーテム精霊

変化妖怪たちも西洋の変身種族と同じく精霊をトーテムとし(多くのものは自分のトーテムを主(nushi)と呼んで)、同じく心から畏れ敬う。獣宮にのみ力を貸すトーテムもいくつかあるが、ガルゥの部族トーテムのなかには東洋の子らに目を向けるものもいるのだ。彼らは戦隊を助け、あるいは個人的なトーテムとして一人のものを助ける。

名誉のトーテム/Totem of Respect

雷鳴の父祖/Grandfather Thunder
《雷鳴の父祖》は多くのガルゥから敬われるよりも恐れられており、それはシャドウ・ロードにとって全く都合が良い。《雷鳴の父祖》は慎重かつ目立たない支援者であるため、その影響力を次第に積み上げることで、最終的には最高潮へと達する。トーテムの使者はストームクロウという精霊であることがほとんどで、インカーナとその子供たちの間を行き来する。


戦争のトーテム/Totem of War

イヌ/ Dog
《イヌ》は忠実で警戒を怠らない友人であるが、野生の獣からはそれほど敬意を払われない。《イヌ》は人間たちが愛情や敬意を与えるに値すること、かつ人間たちは与えた分の愛情や敬意を返してくれるのだと説く。《イヌ》はそれほど人気のあるトーテムとは言えず、八犬やテングから成る戦隊を導くことが多い。

雄牛/Ox
《雄牛》は決して聡明とは言えない。しかし、その頑丈さはまるで山のようであり、その穏やかな性格は最も血気盛んなトラでさえ宥めてしまう。《雄牛》は強く優しく、純粋な心のものを子供に選び、忍耐と持久の肝要さを説く。

クマ/Bear
偉大なる《クマ》は大いなる苦難に見舞われてきた。その子供たち、オオクマ(Okuma)は第四紀に弑され、第五紀には彼らがあれほど愛した大地を無数の猿どもにより汚された。《クマ》は数多の儀式を極めた賢者であるが、怒りが時として胸中に沸き起こり、大岩を砕いたり大樹を引き倒したりしてしまう。《クマ》が選んだ戦隊は尊敬の眼差しを受けるが、黙殺されることも多い。その戦隊の存在がオオクマの恥ずべき末路を思い出させるからだ。

サメ/Shark
人間に対して恐怖を与える動物の中で《サメ》を超えるものはいない。感情を見せず、異質な存在である《サメ》は、音を立てず確実に命を狩る。《サメ》が認めたワーウルフのパックならばロケアから好意的に受け取られるかもしれない。しかし、確実ではないだろう。

トラ/Tiger
《トラ》は獰猛な戦争のトーテムであるが、敬われるだけの資質も備えている。《トラ》は動物の中の皇帝なのである。それは力強く統治し、そして戦う。しかしながら、《トラ》の高潔さは試練の時にあり、最近では限界を迎えている。彼の定命の子供たちが置かれている苦境は、《トラ》自身に重くのしかかっているのだ。

ネズミ/Rat
《ネズミ》は素早くて物音を立てない、ヒットエンドラン戦法の達人であり、史上初のゲリラ戦士たちのトーテムである。《ネズミ》は相手を弱体化させ、傷を広げてから圧倒する戦いに長けているが、もしも追い詰められれば他のトーテムと同じく必死に戦う。

マングース/Mongoose
《マングース》は恐るべき素早さと狡猾さを誇り、その子供には敵が反撃する前に殺すやり方を教える。殺すことは扱いづらいゲームではなく、芸術なのだから。よって《マングース》は敵の攻撃を避けた上で、絶命の一撃を加えることを説く。《マングース》の戦に関する哲学はナーガのそれとかなり近しいが、《マングース》はワーサーペントを子供として認めたりしないし、ナーガも《マングース》の戦隊はそれほど高く評価しない。


智恵のトーテム/Totem of Wisdom

風のインカーナ/Wind Incarnae
四方の風のそれぞれは大地のいたるところにその秘密を運ぶ。舞い落ちる雪や、秋の枯れ葉に乗せて。自らの〈業怒〉を忘れ、長い時を経たガルゥには風の囁きが聞こえ、風がもたらす知恵を学ぶのだという。ガルゥのパックは四方の〈風〉の一つから認められ、一つだけの《風》の子供となることができる。ウェンディゴは《北風》と良好な関係にあるため、トーテム精霊として受け入れられやすいだろう。

キマイラ/Chimera
スターゲイザーの支援者である《キマイラ》は謎そのものといえる存在である。「多貌の女/she of many faces」とも呼ばれる《キマイラ》は自らのパックを誘い、ワーウルフ自身のうちに潜む叡智を見出すことを説く。自身の戸惑いや思い違いの奥底にある叡智を。

霧(アイオロス)/Fog(Aeolus)
神秘的で謎に満ちたトーテム精霊である〈霧〉(アイオロスとも呼ばれる)は、知識と隠密を司る。術師や斥候が好むトーテムである〈霧〉は、その知識を教えるのに長い時間をかけることで,その子供たちに忍耐と巧妙さが肝要であることを伝える。〈霧〉を最も評価するのはウクテナやサイレント・ストライダーである。

麒麟(ユニコーン)/Ki-rin(Unicorn)
《ユニコーン》は安息と純粋、治癒と調和を司る。であるからこそ、チルドレン・オブ・ガイアの部族トーテムなのだ。《ユニコーン》とは幸せに満ち、全てを包むガイアの愛そのものである。戦隊が《ユニコーン》を認めたならば、蒼鱗を纏った《麒麟》の姿で現れるという。

ゴキブリ/Cockroach
《ゴキブリ》は動き素早く、苦境にも耐え、しぶとく生き延びる。《ゴキブリ》はまた、現代社会のどこにでも生息し、世界を見つめ、待ち続けている。《ゴキブリ》に選ばれたガルゥの部族から話を聞けば、それが正に今という時代のトーテムだとわかるだろう。《ゴキブリ》は戦隊の支援者となることを望んでいるが、その栄誉を受けようという戦隊は少ない。


機転のトーテム/Totem of Cunning

ウサギ/Hare
《ウサギ》は頭の回転が速くて心優しく、素早い上に機転が効く。しかしその機転が効きすぎて、身の不幸を招くことも多い。《ウサギ》の教える知恵は多くない代わりに、逆境にあたっては迅速に決断することで生き延びるべきと説く。《ウサギ》と《キツネ》の関係は微妙であるため、彼の戦隊に属するワーフォックスは他の隊員と同じ恩恵を得るために倍の働きを要求されるかもしれない。

お稲荷様/Prince Inari
《お稲荷様》は豊穣、稲そしてキツネの精霊であり、善性と正義を司る。《お稲荷様》はキツネの偉大な英雄で、貴族たるものは優しさと狡猾さだけでなく、勇ましさと高潔を要すると説く。《お稲荷様》はキツネの支援者としてはありふれているが、彼の機転や優雅さを学びたいという戦隊ならば救いの手を差し伸べるという。

キツネ/Fox
古典的なトリックスターである《キツネ》は、先ずは標的から信頼を得る。その上で、哀れな犠牲者を次から次へと罠に嵌め、混乱させた上で、あらぬ方向へと進ませるのである。ほとんどの場合、《キツネ》が仕掛けるのは誰かを教育するためか、何かを証明するためである。

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