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牛、飼ってみますか〜?

写真の牛は、生まれてすぐのジャージー牛♂。

可愛いですよ〜。

乳を出さない牛は、牧場では不要なので、どなたかペットとしていかがですか?(笑)。

でも、犬や猫なら、ずっと面倒を見る事ができますが、牛の場合、一般家庭なら恐らく数週間で音を上げてしまうと思います。

とにかく、何でも桁違いにデカイ。

一般的なホルスタイン♀2歳ぐらいの場合、個体差はあるのですが、

体重、550〜650kg

1日に飲む水、100リットル(季節変動あり)

1日に出すう○ち、40kg以上

1日に出すおしっこ、50Lぐらい。

しかも、大人になると3週間に1回は発情がやってきて

恐ろしく大きな鳴き声で「ンモー!!」って言います。

平均、2.4産が牛の一生

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牛の一生を簡単な図にまとめるとこんな感じ。
だいたい、生まれて18ヶ月目ぐらいに初めての人工授精で妊娠、283日で分娩です。そこから、いよいよ本格的に酪農牛(=牛乳を搾る)としての仕事がスタートします。町内の平均ですが、およそ、2.4回分娩したら、病気や、繁殖障害(=妊娠しない)等、何らかの理由で廃用となっていきます。

乳量は自然に減っていく→次の妊娠へ

人間もそうですが、産んですぐが一番沢山の母乳(=生乳)が出ます。
時間が経つにつれてそのままだと、乳量は減っていきます。
そこで、産んでから2ヶ月ぐらい経って子宮が落ち着いてくると次の妊娠をさせます。もちろん、妊娠した後も、分娩2ヶ月ぐらい前まで搾り続けます。

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これが子牛を産んですぐの牛。まだ出荷できないので別に搾っています。

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これでだいたい、20kgぐらい。バケツ2杯分です。
この牛乳をお酢で固めると、牛乳豆腐(=カッテージチーズ)が作れます。酪農家だけができる贅沢ですw。

牛を健康で長生きさせたい

これ、どの牧場の酪農家でも考えているし、実際に、そのために様々な工夫をしています。 それでも、酪農牛としての一生は平均2.4産。
僕が牧場で働き始めて12年ぐらいになるので、およそ5回ぐらい入れ替わっている計算です。

酪農家の日常は、この牛達の命と向き合う仕事

牛って、一番最初にもお伝えしたように、人間とは桁違い。牛乳を搾る為には水も餌もそして、その排泄物も大量に出てきます。

写真にある三角錐と円柱、何を示しているか分かりますか?

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実は、この三角錐は牛のう○ち&おしっこ、円柱は牛乳の量です。
※以前、開催された展示会でのオブジェ

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言葉は喋れませんが、こちらの感情は読み取るし、とても神経質。
こうした牛達と向き合いながら、毎日牛乳を搾っているのが酪農家の日常です。そんな日常にちょっとだけ思いを馳せながら、牛乳や乳製品を手にとってくれたら嬉しいです。

さ、僕も軽く牛乳飲んで仕事に戻ります(笑)。






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