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荒地のエンジン9. “年末年始は民族的時間”

日が地平に落ちきるまでに今少しの時間。墓参りと氏神様詣りを終えて、気に入りの缶コーヒーを飲む。スマホでエニグマ変奏曲を聞きながら、何かを文章にしようと気がはやる。今日で社会的活動は閉じられ、民族的時間に入ってゆく。東京の理事長も忘年会で今頃は新宿で会合中だろう。明日は図書館で購入してもらった高田崇史の新刊を受け取りにゆく。先程、隣町まで自転車で田野を走り、雲間からの陽射しに白茶けた山々を見た。復員してきた金田一耕助のような淡い孤独を感じた。
年明けには、仕掛けた案件の網を引き、品評会を行う。大災害時の災害食ブランド作戦でネットワークした農山漁村と東京の絆を強く結びながら、その次は都市農業に狙いを定める。キューバのハバナのように東京のビル屋上、壁面、空き部屋、誰も草を抜かなくなった線路脇や道路の中央分離帯を畑で埋め尽くす。作戦会議は神田神保町の古瀬戸珈琲。しばし眠っているような年末年始時間にひたろう。


瀬戸内は民族的内海

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