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ツエーゲン金沢戦レビュー~"相手を走らせ"走り勝とう~

■ついにリーグ再開!相手はツエーゲン金沢!

さあ、待ちに待ったJ2リーグが帰ってくる。
ツエーゲン金沢とはリーグ屈指の相性の良さを誇る。恐らくどのメディアもそこに触れないわけにもいかないと思うが再開戦ということもあり、選手だけではなく、サポーターもそうした面はリセットしなければならない。

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そして、相手あっての試合だが、自分達の戦い方・立ち位置を確かめる試合という意味合いが大きい。この中断期間にも非公開のTMを行ったそうだが、90分走り切れないようだとまずいいスタートは切れない。そして、昇格枠が2であることを考えるとその状況になるとかなり難しい。5つの交代枠をどのように使うのかを含めてフルタイムで戦えるチームになっているかを確かめたい。

■予想スタメン

お互い非公開だったこともあってスタメンは全体的には読めない。山雅側は愛媛戦を勝利で飾ったので大きな変更はないと予想。しかし、金沢を強く意識して準備をしてきたなら3421や352も有効ではある(理由は後ほど)。判断材料が少なく推測の域を越さないことはご容赦願いたい。

<松本山雅>

山雅金沢スタメン

<GK>
元々拮抗しており、中断期間でリセットか。開幕スタメンだった村山が有力だが、圍や田中も横並び状態で序列に変化があってもおかしくない。

<DF>
田中隼・橋内は固いか。高橋もチームの中心を担う選手ではあるが、対抗馬・高木も実力者。どちらが出ても高水準のプレーが期待できるだろう。(6/26追記:どうやら高木利の起用が濃厚なよう……)
最大の不確定要素が橋内(仮)の相方。開幕スタメンの森下・チーム3年目で経験豊富な浦田・怪我から復帰した乾・中断期間で新加入の常田あたりが候補に。191㎝の長身ルカオはパワーがあり、スペースにもよく走れる選手なのでここでは乾の先発を予想する。

<MF>
こちらは開幕戦のままが濃厚か。ボランチは藤田・塚川以外の最適解が見つかっていれば面白いが、どちらもパフォーマンスは悪くなかった。相手がマンツーマンDFで潰しにくることを考えると相手を吹き飛ばす力強さとダイナミックなプレーが持ち味の塚川には意外性のある攻め上がりを期待したい。古巣戦となる中美は出場なるか……!

<FW>
2トップも阪野・セルジを予想。阪野のスペースラン・セルジの神出鬼没なプレーを存分に発揮してもらいたい。そして交代枠の増加でベンチとの入れ替わりが最も激しくなると思われるFWはベンチ入りメンバーにも注目。

<ツエーゲン金沢>

金沢

こちらも不確定要素が多いが、開幕スタメンから左SH大石・右SB下川の不在は確実。CBの石尾・山田の若いコンビ、ボランチの藤村・大橋の2枚看板も固そう。石尾は森下とセレッソU-23でCBを組んでたこともあるクラブの"逸材CB"同士なので共にスタメンになれば熱い再会となりそう(ちなみに学年は2つ違い)。

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アタッカーはルカオが軸になるだろう。相方は加藤陸になるか、2人の杉浦のどちらかになるか…。SH含めてなかなか組み合わせが難しい。
要注意人物は山根永遠。わりと波のあるタイプなので途中交代の予想をしたがのせると手がつけられず、一人で局面を打開できる選手なのでルカオばかりに気を取られないように注意したい。余談だが山根もセレッソU-23出身。

■金沢戦の3つのポイント

①相手の右サイドVS杉本・高橋

金沢VS松本の対戦で最大のアドバンテージ(?)と言えるトピックスとして"下川陽太の不在"がある。金沢ではここまで左右のSB、ボランチで試されてきた下川だが、この前のTMでも惜しいミドルを放つなど早くも金沢の中心選手となっている。

実際、開幕戦でも右SBでフル出場。ラストパス数単独1位、シュート数チーム単独2位、ドリブル・奪取ポイントでも単独1位と存在感を発揮した(全てfootball laboより)。SBが走力を生かして攻め上がり、シュート・ラストパスまでもっていく"ヤンツースタイル"を早くも体現しているといえるだろう。

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しかし、下川が本来の左サイドではなく、右SBで起用されたのはチーム事情も大きく影響している。昨年8月末、レギュラーだった長谷川巧が全治8か月の大怪我をしてしまい、今年の開幕戦も不在。先日の岐阜戦では興國高出身の高卒ルーキー高安が出場していた。

長谷川の状態は不透明だが、仮に動ける状態でも大事を取り、岐阜戦で好プレーを見せていた高安が抜擢されるのではないか。

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しかし、高安はなんとSBを始めたのは去年からなのだそう。J2も昨季途中から1試合出場のみ、岐阜戦も攻撃の時間がほとんどだったので守備は未知数。

岐阜戦を見るとスピードと攻め上がりに特徴のある選手のようだが、こちらのストロングである左の高橋-杉本、そしてセルジがポジション交換を繰り返し、混乱を生じさせたい。

②"賢く"走り勝つ

Jリーグ公式にも書かれているが、この試合はハードワークが持ち味のチームの戦いになる。

この試合の"走り勝つ"ために注目したいのは『どれだけ走れるか』。先ほども述べたように公式戦の中で相手に負けずに走り切れるかは注目点になる。

もう一つは『賢く走れるか』。去年もJ1でハードワークを徹底した戦い方はしていたが、"走らされていた"面も大きかった。多くのサポも感じていたように走力をうまく使っていかなければこの先生き残れない。自分たちでコントロールしていくことをこれからは取り組んでいきたい。

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相手にフォーカスすると金沢のマンツーマンDFは走力を生かしてミスや迷いがあれば逃すことなく、ボールを奪いに来る。その反面、相手の攻撃の選手に合わせて走らなければならないので「相手に走らされる」とも言えるだろう。こちらとしては守備に走力を使わせる展開にして走り勝ちたい。

③SBの裏のスペースを起点に

先日の記事にもまとめたが、反町山雅時代はSB裏のスペースを起点にしての得点が多かった。ヤンツー金沢攻略法の1つに中央の選手がSB裏のスペースを突くことは狙いの1つにあったと思われる。

これは金沢のマンツーマンDFの特徴の1つとして①サイドバックが対面の選手のボールを奪いにくるため裏のスペースが空きやすい

金沢攻略1

→②流れてくる選手には中央の選手がついてきてサイドバックはそのまま対面の選手につく(スペースカバーや挟み込みはない)

金沢攻略2

→③中央ニアが手薄になりやすいという分析からだろう。

金沢攻略3

これは一例だが、中央の選手がサイドに流れることで本来その選手のいたスペースは空きやすくなる。さらに相手の中央のボランチやCBの選手を本来の担当ではないサイドに釣りだすことができるという優位性がある。

↑このシーンでも石原が流れた後、1対1を制して得点。さらにスペースにいたパウリーニョはドフリーになっている。

↑こちらのシーンでもフリーになっている岩間に相手の3番が釣られてしまい、ニアにクロスを通されている(加えて中は数的同意)。

松本側が3421というのも要因としては考えられ、あえてそのシステムで臨むのもありだが、要は対面の相手が着いてくることを意識して、意図的に相手の陣形をずらしていけば本来空くはずのないスペースが必然的に空いてくるという詰将棋のようなもの。

なんとなく徹底的に相手を研究し、選手に落とし込む反町監督と相性が悪いのも分かる気がする……笑

■最後に注目選手は……

ということで再開初戦の展望を書いてきたが、実際は戦術もフォーメーションも展開も読めないのでこの記事が大外れでもそれはそれで「新しい形が見つかった」といういいサプライズではある。

検討がついている人も多いと思うが、注目選手は杉本太郎。金沢キラーだった石原・工藤の後を継ぎ、セルジと共に個での打開やスペースでの間受けでチャンスメイク、さらに得点も積極的に狙って欲しい。

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ということで、リモートならではの様々な企画も用意されており、ユニホームを着てみんなで応援するのも一体感を味わえていいのでは!当日が楽しみです!

しっかりと勝ち点3を取って山雅サポ一同、盛り上がりましょう!

one sou1

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