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スタートアップがVCと上手に付き合うコツ

スタートアップの資本政策において、VC(ベンチャーキャピタル)は有力な選択肢の一つです。創業間もないシード期のスタートアップにとって、VCからの資金調達はハードルが高い印象を持つかもしれません。

しかし、シード期や創業前の段階こそ、VCにコンタクトするべきであり、残り半年で資金がショートするというタイミングで行動することは避けるべきでしょう。シード前後のスタートアップとVCの付き合い方について解説します。

コンタクトはなるべく早く、起業前でもOK

もし、あなたが何かしらの事業アイデアを考えていたり、解決したい課題とソリューションを持っていて、VCからの資金調達を視野に入れているのであれば、すぐにでもVCと会うことをおすすめします。

シード期のスタートアップは事業やアイデアと同じか、それ以上に創業者を周りに認知させることが重要です。

なぜならVC側もシード期のスタートアップにおいては創業者のキャラクターに注目し、事業に出資するの同様に「創業者の人間性やビジョンに出資する」ことがしばしばあるためです。

一方のVCも「優れたスタートアップを発掘したい」「スタートアップから選ばれるVCになりたい」という考えから、起業準備中でも面談に応じるケースは珍しくありません。

ランチやお茶などカジュアルな形式でもフランクに相談できるので、まずはVCに事業アイデアを話し、そこから得られたフィードバックから参考になるものをピックアップしつつ、事業計画を固めていきましょう。またこうしたコミュニケーションは事業のブラッシュアップのためだけでなく将来的に出資する側される側としての信頼関係の構築のためにも重要です。逆に資金調達が必要な段階になってから初めてコンタクトするようでは事業の情報共有だけでなく信頼関係の構築に要する時間の点でも手遅れになる可能性が高まります。早い段階からコンタクトして、VC担当者との信頼関係を構築し、本格的な資金調達のタイミングで改めて提案を持ちかけるようにしましょう。

どんなVCに会いに行けばいいのか

多くのVCは投資するステージや業界において得意な領域を持っています。起業準備中もしくは起業直後であればシード期のスタートアップを投資対象にしているVCにコンタクトするのが良いでしょう。更に言えば、自分が手掛けるソリューションや技術、産業分野に近いスタートアップへの投資実績があるVCに会うべきです。

VCは投資判断する前に業界動向について入念に調査するため、投資家視点でのトレンドや業界動向が集積しています。例えば、あなたが産業分野で省人化に貢献するロボットを開発するスタートアップを立ち上げるのであれば、同じように産業分野で稼働するロボット関連のスタートアップや、協働ロボット関連のスタートアップに投資しているVCをリストアップしてコンタクトするのがよいでしょう。現在は多くのスタートアップが資金調達のたびに広報活動を通じて出資者を公開するケースが増えていますし、VCも出資先ポートフォリオを公開することが多いです。自分が関わりたい領域に親しいスタートアップ、VCそれぞれのWebページを見るだけでも様々な情報が手に入るでしょう。
※もちろんHAXもWebページにて出資先を公開しています!

VCと会う際に気をつけておきたいこと

VCの役割は資金調達だけではありません。本質的には事業を成功に導くためのパートナーであり、出資はその手段の一つだと考えておきましょう。その観点ではVCとどう向き合うか、VCに自分の計画をどう伝えるかの2点で注意すべきことがあります。

VCもスタートアップが一定の成功を収め、M&Aや株式上場によるイグジットを果たすことを期待して投資しています。しかし、目の前にいるスタートアップが成功に足るか否かを判断する基準は技術や市場だけではありません。創業者やチームの志や姿勢、人間性も重視しているのです。お互いに信頼関係を築きながら、事業の成功というゴールに向かって一緒に歩めるかを見定める投資家も少なくありません。

技術も未熟で製品やソリューションも整っていないシード期のスタートアップであれば、創業者のパーソナリティーが占める重要性は更に高くなります。決して「VCは金づるでしかない」という姿勢で、資金調達に臨まないようにしましょう。

また自分の計画を伝える際には技術や研究内容だけでなく、それによりどのような社会課題を解決するのか、どのようなニーズを満たすのかを明確にする必要があります。多くの場合VCは技術そのものに出資するのではなく、大きなビジネスにつながる「課題」を解決するサービスに出資します。そうした観点で自分の技術や研究成果がどう社会を変え、大きなビジネスになりうるのかを言語化していくとVCはあなたの計画の可能性をより解像度高く理解することができます。

情報収集→分析→実行のサイクルを早く回す

起業前後のスタートアップが相談する先はVCだけでなく、既に起業しているスタートアップ創業者や大学の産学連携センター、自治体や行政の関連機関など多岐にわたります。

情報を一定量集めたら、それまでに集まったフィードバックを振り返るようにしましょう。その際、「自分がどうありたいのか」といった将来のイメージと照らし合わせながら判断して、次のアクションを取り、それをまた検証するというサイクルを早く回していきましょう。

まとめ

・VCは起業前から会うようにしよう
・自分と近い領域に投資ししているVCにコンタクトするべき
・VCも人間性を評価して投資する。伝える能力を磨こう

HAX Tokyoとは

HAX TokyoはSOSV、SCSK、住友商事の共同運営による、ハードウェアに特化したアクセラレータープログラムです。

採用されたチームには、米国シリコンバレー発、世界的に実績のあるハードウェアアクセラレーター「HAX」にて蓄積された知識やノウハウが提供されます。また、ハードウェアに特化したコミュニティが提供され、ビジネスおよび製品開発の分野で世界をリードする専門家や、住友商事をはじめとする日本のパートナー企業とのコラボレーションの機会が得られます。

さらに、3ヶ月後のDemo Day後には、HAX Shenzhen(中国)、HAX San Francisco(米国)に参加し、ベンチャーキャピタル等から資金を得て事業を拡大できる可能性があります。

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