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小説でこの言葉って難しい言葉かな……ってなるときないですか?

こんにちは。
いつも眠い琵琶です。


文章を書くとき、難しい言葉は多用するなというけれど、はたして難しい言葉とはどこからどこまでなのか……。

とか、思ったことありませんか?

最初のnoteがこれとは。
とも思うんですけど。
そもそもこれが言いたくてはじめたので、まずこのお話から。

共感してくれる方いるといいなあ。


さて、たとえば小説なんかだと、漢字よりひらがなを多めに使うと見やすくなるといいます。
私は漢字好きなので、もったいない。とも思うのですが、読みにくいのはいただけない。

なのでそれはいいんです。
時、故、尚、否、又、此れ、其れ
わざわざ漢字にする必要ない。そもそも最近の当て字だから漢字にするのは間違いとか。そういうことです。

それはたとえば難読漢字にも適応される話なのですが。

でもどれが難しくてどれが簡単なのかがイマイチわかりにくくて「これ、使っても平気?」とか思うときもあって。
あるいは「読み方ちゃんと読んでもらえるかな?」みたいなのもあります。

そこんとこ、物書きさんはどうしてるんでしょうか。


【失笑】

これは有名ですけど。
あざ笑うというか、鼻で笑うというか、呆れて笑い声も出ない。みたいなニュアンスで使われたりしてます。
正しくは

・おかしさをこらえることができず吹き出すこと。
 [大辞林より]


なんですよね。
吹き出すって、そうとう笑ってます。あからさまです。

何年か前、林先生がTVに出るようになられたころでしょうか。間違って認識している言葉についての番組がありまして、それで私も知りました。

で、実際に呆れ笑いを表現するとなると、
嘲笑とか嗤笑とか冷笑とかがそれにあたるかな。と思いますが、間違って覚えてる方も多いですよね。

「正しく伝わる?」とか思うので、失笑は使わないことにしてます。


【瞑目】

読みは「めいもく」です。
意味は 

・①目を閉じること。 
・②安らかに死ぬこと。 
[大辞林より]


です。
私はもっぱら①の意味で使うことが多いです。

瞑目の瞑という字は、瞑想とか瞑眩とかで使う漢字で、単独だと瞑る(つむる、つぶる)と読みます。


私、これ普通に使うと思ってたんです。

小さい頃に読んだ作品がそういう漢字を使うものだったからなんですが、読めない人がいるらしいと知ったときは驚きました。

たまに、瞠目と混ざってどっちだっけ。てなりますけれど、の字のことを考えれば、納得するという感じ。

(冥は[くらい]という意味で、ご冥福・冥界・冥土 など、いわゆる死に関する言葉に使われます)

正直これは使いたいんですけど。
使ったら難しい言葉になるのでしょうか。


【踵を返す】

読みは「きびすをかえす」
意味は

・引き返す。あと戻りする。
「大辞林より]

いわゆる読み方が複数ある漢字ですが、普通に「きびす」と読んでました。

でもある時気づいてしまった。

この漢字「かかと」ですよね。
となると普通に読んだら「かかとをかえす」
何事だ、と思います。私なら。

使うなら「きびすを返す」ってひらがなにしたほうがいいんだろうな、と思います。


【平伏す】

読みは「ひれふす」
意味は

額が地面や床につくほど体を平たくする。平伏(へいふく)する。
[大辞林より]

もう言っちゃってますけど、これ「へいふく」と読みますよね。

「かかと」と同じく読み方が複数ある漢字なんですが……似たようなものだと、
躊躇(ちゅうちょ)躊躇う(ためらう)の関係です。
つまり和語(訓読み)漢語(音読み)の関係。

これは意味が同じなので使い分けするのは作者の趣味とか、キャラの性格とか、時代背景とかによると思います。

しかし、送り仮名が違うので間違えないだろ。とは、さすがに乱暴な言い方。

ルビをふるか「ひれふす」、「平伏する」と使い分けるのが良いかなと思ってますが、そもそも平伏するは伝わる言葉なのかも気になります。



【大事】

「おおごと」と読むか「だいじ」と読むか。

「かかと=きびす」「ひれふす=へいふく」「ためらう=ちゅうちょ」

細かくは違いますけど、多分同じような意味合いの悩みかなと思います。

「おおごと」は「重大な・大変な」
「だいじ」は「大切な・重要な」


という意味かと思います。

ただ、「だいじ」を「いちだいじ」と使うことがあるように、「重大な〜」という意味は含まれていますので、同じといえば同じですね。

基本的にはみなさん「大ごと」と書いてるんじゃないかなと思いますが。

たとえば

・〇〇は「大ごとにするな」と言った。

とか書きたいとき、
上記の書き方だと、なんとなく字面が嫌なので

・〇〇は「秘密裏にしろ」と言った。

・〇〇は「誰にも知られるな」と言った。

・〇〇は「大事件にはするな」と言った。

・〇〇は「騒ぎにするな」と言った。

・〇〇は「もみ消せ」と言った。

・〇〇は「穏便にやれ」と言った。

・〇〇は「広めるな」と言った。

とかにしてますが、しっくりこないんです。


【まとめ】

複雑です。いろんな意味で。
でも、漢字ってだから面白いと思いませんか?

類語辞典とか大好きです。

最終的にはね、
こだわりより読みやすさを取るのが正解かな。と思ったりするんです。
じゃなきゃ読んでもらえないし。

なので、普段は地の文では使い方に気をつけてます。けれども。

どこまでが難しい言葉なのか。
これは使って大丈夫なのか。
普通に伝わる言葉か。

って悩むんです。
悩んで言葉を変えたら、本来言いたい意味やニュアンスから離れてしまったりすることがあるのは、やはり悲しいです。
説明臭くなったり、それも悲しい。

物書きさん。
そういうこと考えないですか。
ルビふればいいやっていう話でもないですもの。

私は悩みに悩んで、セリフだけはむしろ漢字を多く使ってます。そこはこだわらせてほしいところ。
なぜならそういう漢字を使うことが、キャラの性格付けになるので。



・「そうですか。そのようにひたむきなところが、あなたのいいところですわ」

なんてセリフも

・「左様ですか。そのように真摯なところが、あなたの妙妙たるところですわ」

なんとなく後者のほうがお堅い気がします。
それに会話してる人に距離がある印象を出せる気がする。




・「これは細い造りですね、素晴らしいです」


なんてセリフも

・「これは精緻な造りですね、敬服いたしました」


のほうがそれっぽい気がしたり。

どうでしょう。どっちでもいいだろうか。



・「〇〇様、恐れ多くもこのような謁見の機会をいただき、深くお礼申し上げます」

とかも

・「〇〇様に置かれましては、畏くも拝謁のお許しを賜りましたこと、衷心より拝謝申し上げます」


とかは相手がいかに目上か、話し手がいかに場馴れしているのか、などを表現できるので好きです。
しかしコレ難読漢字かな。とか考えると、ルビが多くて多くて……。


セリフだけは、漢字の使い方にこだわりたいです。


地の文における言葉の難易に関しては、結局は書き手がどこまで想像できるかなんでしょうか。



ああ。ところで、最高敬語に変換するツールはないものか……。