
どんな汚れにどんな洗剤なの?
私ハウスクリーニングやってます。ご家庭に伺って仕事をします。普段のお掃除の話しになりますと「どんな洗剤を使ってますか。」なんてお聞きすると、「こんなの使ってるのよ。」と見せてもらえます。見せてもらった洗剤を参考に今後のお掃除の仕方をアドバイスなんかしています。
ただ、みなさんいろいろな洗剤を、結構持ってみえます。メーカー違いで同種類のものや外国製のもの、特殊な用途のものなど雑多です。使い勝手の良い洗剤を求めて、自然と増えてしまうんですね。みなさん言われるのは「どんなものなのかが、よくわからないのよね。」「この洗剤は、どうやって使えばホントはいいんでしょう。」「違うものを、また買っちゃうのよね。」という方が多いです。
ひとつひとつの商品説明まではできませんので、洗剤をおおまかに分類して、どんな汚れにどんな洗剤が効くのかをお伝えしようと思います。
ご家庭で使われる洗剤は、キッチン用 トイレ用、浴室用などいろいろなものがあります。それらの商品表示を見てみますとアルカリ性とか酸性とか中性などの液体の性質が表記されています。この性質によって、洗剤は使い方の分類できます。
そして、汚れも酸性とアルカリ性で分類することができますから、この汚れと洗剤の性質の関係からどのように汚れが落ちていくのかを書いていきたいと思います。
汚れの説明
酸性の汚れ
・油汚れ、手垢などの皮脂汚れ、食べ物汚れなどご家庭の汚れのほとんどが酸性の汚れです。酸性の汚れなので、付着している表面を酸化させていくのが厄介です。例えば、サビに強いといわれるステンレスでも、長くこの汚れを付着させておくと酸化してサビてしまいます。
アルカリ性の汚れ
・アルカリ性の汚れは、トイレの尿石、浴室のうろこ状の汚れ、キッチンシンクや浴室内の床の汚れなどです。この汚れは、硬く固まって付着します。放置すればするほど汚れ自体が、大きく成長し範囲を広げていくので、除去しにくくなります。
これらの汚れにどの洗剤が効くのでしょうか
汚れと洗剤の関係は、下記のようです。
・酸性の汚れ には アルカリ性洗剤 を使います。
・軽度の酸性汚れ には 中性洗剤 を使います。
・アルカリ性の汚れ には 酸性洗剤 を使います。
理科の授業で習いました性質の中和を利用して汚れを落としていくわけです。
アルカリ性洗剤
アルカリ性洗剤は、油汚れ、食べ物汚れ、皮脂汚れなど 汚れを溶かしながら落としていきます。この洗剤は、家庭のお掃除でかなりの割合で使われるます。お掃除をする箇所の汚れのキツさによって、洗剤の強度を変えて市販の専用洗剤は作られています。
レンジフードやプロペラ換気扇のように油でベトベトになるようなところに使用するものは、洗剤強度が高く、またキッチン収納やキッチン台などを拭くものは、汚れの程度は低くなるので、洗剤強度は下がります。お部屋の拭き掃除などは、更に洗剤強度は下がります。強度が下がれば、下がるほど安全に使用しやすいものになりますが、キツイ汚れには使えなくなります。
キツイ汚れが付着するレンジフードやガスレンジ専用の洗剤は、アルカリ洗剤の中でも強力なものです。特に安全に気を付けて使用してください。ゴム手袋はもちろんのこと、お掃除中に洗浄液が飛び散らないように十分に気を付けなければいけません。その他のアルカリ洗剤についてもお掃除中に皮膚に付いてしまったらすぐに水で流し落としてください。アルカリ洗剤は、たんぱく質を溶かしますので、当然皮膚も溶かします。手に付いたアルカリ洗剤を水でよく流してもぬるぬるが残りますが、それは皮膚が溶けているからです。
余談ですが、レンジフードなど汚れのキツイところに洗剤を付けると鰹節のようなにおいがする場合があります。それは、洗剤が働いている証拠です。安心してください。
中性洗剤
中性洗剤は、安全に使うことができる洗剤です。ただ、使用する汚れは、軽い汚れとなります。食器やテーブル・椅子、ドアノブ、家具など日常のお掃除には、この洗剤がいいと思います。
そのほか浴室用の洗剤に、中性洗剤が使われます。浴室に入ってジャブジャブ使いますので、効き目より人に対する安全性を優先した洗剤を作られているようです。汚れのキツイ部分があれば、アルカリ性洗剤を使った方がよく落ちます。
酸性洗剤
酸性洗剤は、アルカリ性汚れ特有の硬く固まった汚れに酸を染みらせて、汚れ自体をボロボロにして除去していきます。アルカリ性洗剤が、汚れを溶かして落とすことと比べれば、汚れの取れ方は違ってます。
硬い汚れをボロボロにしていくのですが、洗剤を塗れば瞬間にボロボロになるわけではありません。洗剤を塗った後、つけおく時間が必要です。目安は、説明書きを見て確認してください。汚れの大きさなどによっては、時間が長くかかる場合があります。その場合は、塗りを繰り返して汚れを小さくしながら、落としていきます。ボロボロにするまでには、一定の時間がかかるという事を覚えておいてください。
酸性洗剤の中でもトイレ用のものは、塩酸などを成分にしたものもあり、強力なので便器(陶器)以外には使用されないようにしてください。
浴室や水栓やキッチンシンクなどにはクエン酸が安全です。
注意です。酸性洗剤を、カビ取り剤と一緒に使うと有毒ガスが発生します。浴室のお掃除などで両方を使用する場合は、しっかり水流しをして成分の混合がないように順番に使用してください。排水口の水だまりにも成分が残らないよう注意してください。
カビ取り剤(次亜塩素酸ナトリウム)
洗剤以外にもお掃除で、カビ取り剤が使われます。酸性洗剤の説明でも少し出てきましたが、水回りや窓の周りなどのカビ取りで使われます。これは、洗剤ではなく薬剤なので、アルカリ性や酸性などの区分はありません。
カビには、殻があり、この殻をアルカリ性洗剤で壊すことができます。しかし、アルカリ洗剤だけではカビは取れません。カビには黒やピンクなどの色がついており、この色を抜くために、漂白作用のある次亜塩素酸ナトリウムが入ったカビ取り剤が使われます。長い間生え続けたカビは、根を奥深くはってしまうため取りにくくなります。薬剤を根の奥まで浸透させないと効果がありませんので、浸透させるため時間が必要になります。説明書きをよく読んでください。
この次亜塩素酸ナトリウムの入った薬剤を上手に使うと殺菌消毒もできるので、お掃除がきれいさっぱり仕上がりますが、最後に薬剤を水でしっかり流すのをお願いします。透明な液体なので忘れがちですが、漂白成分が入っていますので、毎回つけたままで終了してしまうとダンダン表面の色が白く抜けてしまいます。気を付けてください。
最後に
いろいろと書かせていただきました。なんだかうまく書けたのかわからない感じになってしまったように思います。スミマセン。ただ、ここに書かせていただきました内容は、洗剤の内容に必要な基礎的な知識と一口メモ的な内容を添えさせてもらったくらいなんです。詳しく書けば、どれだけでも のような感じです。酸性だアルカリ性だと分かりにくい内容ですが、3回くらい読んでもらえれば、なんとか分かってもらえそうではないかなと思います。
洗剤は、素材表面に付着した汚れを落としていくものです。汚れは付着しながら素材表面に刺激を与えて製品表面の劣化を早めます。それに対して、その汚れを落とす際にも洗剤の力で表面は刺激されます。ですから、軽い汚れに強力な洗剤を使って落とせば、瞬間で汚れが無くなり楽ですが、その際に表面に洗剤のキツイ刺激を与えてしまいます。買ったばかりの製品の表面が変色してしまったり、ペンキがはがれてしまったりと思わぬ事態になることも十分にあります。
汚れに合った洗剤を使用し、ご自宅を長くキレイにお使いくださいませ。
汚れが、どうしようもなくキツクなってしまって、市販の洗剤ではどうしようもできない。そして、その汚れをどうにかしなければならない状況がある場合には、やはりプロに依頼されることです。
そこで表面に付着した汚れを除去して、さっぱりリセットしてください。その後のお掃除が、見違えて楽になり気分も違います。もし、どんなお掃除屋さんに頼めばいいか迷われているならば、別記事でnoteで公開しました「お掃除屋さんの選び方」をご覧ください。参考にしてもらえると思います。
お付き合いいただきましてありがとうございました。今後も記事公開を続けていきます。また、ご覧いただけることを願いまして、失礼いたします。