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君の面影

ノゾミが「チヅルー?」と名前を呼ぶと、チヅルが「いや今さ、先生がこっちに来そうな気がして、めっちゃ焦った」と先生から視線を逸らした。
ナガハマ先生が「あら?そんな所で何をしているの?」とノゾミ達に声を掛けた。
チヅルは「ぎくっ、やべぇ、先生だ」と焦っている様子を見せて、思わず顔を隠した。
ノゾミが「先生。チヅルったら、木の上に登って戻って来ないの?」とナガハマ先生の返事に答えた。
ナガハマ先生が「ね?チヅル君。木の上から何が見える?」と思わずチヅルに尋ねた。
チヅルは「えっとー、木の上から何か見えますね。景色とか空の色合いとか綺麗ですよ」とナガハマ先生に話し掛けた。
ナガハマ先生が「そう。下よりも木の上の方が数倍綺麗に見えると思うわ。下じゃ見られ無い景色が沢山あるんじゃ無いかしら」と笑顔で返事に答えた。
チヅルは「お、そうですね?」と冷や汗を掻きながら、ナガハマ先生を見送った。
ノゾミは「ね?何で先生に怒られなかったの?」と不思議そうに質問をした。
キョウコが「きっとナガハマ先生は、木の上に登った事がないから、木の上に登るチヅルに質問をしたかったんじゃない?」とクスっと笑顔で笑っていた。
ノゾミが「良いなぁ。私なんか先生に怒られてばっかりなのに、それに比べてチヅルは怒られないから羨ましいよ」と少しガッカリした様な顔をして居た。
チヅルが「でも、怒られるかとヒヤヒヤして居たのは本当だぜ」とノゾミ達に返事を返した。
ノゾミが「本当よね?普通だったら怒られるよね?」と少し笑っていた。

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