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お金借りるぞ!銀行さんや公庫に事業融資を申し込んで結果が出るまでの顛末

事業を進めていく上で自己資金ではどうにもならないことがある。たとえば、新しい事業を始めたり、人を雇ったり、大きな設備投資が必要だったりする場合だ。自己資金でどうしようもない場合は、お金を調達する必要がある。よくいう資金調達だ。ニュースなどになる資金調達は投資家から○億円とか引っ張ってくることを言うが、銀行から借りてくるのと意味合いは同じだ。

銀行に「こんな理由でお金が必要です」と相談をする。銀行はいろいろあるけど、地銀や信用金庫などが中小企業向けの融資を行っている。都市銀は大企業向けだ。

公庫は政策金融公庫というところだ。コキンとも呼ばれている。最寄りの事務所へ直接申し込む方法もあるが、商工会議所からの紹介をもらって申し込む方法が利息などで有利になる(なんと1.1%である)。

相談するにはメールや電話で予め連絡を入れておき、来訪日を設定する。この際、会社案内や実績がわかるもの、2期分(場合によっては3期)の決算書や月次試算表、登記簿謄本くらいの資料は用意しておいたほうがいい。登記簿謄本と印鑑証明は数セットまとめて取得しておこう。代表者の印鑑証明も必要になるので、取得できるときに何枚かとっておくといい。

銀行も公庫も、初回の取引ではまず会社へ来訪してもらって面談をする必要がある。会社が実在しているか、ちゃんと経営されているのか、使われている機材とかはどんなもんか(資産評価になるのかな)などを見ているらしい。

当社は運転資金を公庫から、新規事業の着手にかかる費用を銀行からほぼ同時期に相談を行った。総額では1000万に満たない金額だが、初回の取引では金額はどうしても少なめになるそうだ。また、毎月の売上がどの程度あるのかによっても左右される。

相談、銀行の場合

資料片手に銀行へ伺い、ざっくりとした会社の紹介をしたりする。ここでひとまずはっきりさせておきたいのは、いくら借りたいのか、である。アプリ開発費を調達するなら、開発費がどれ位かかるのかを説明する資料があるといい。なくてもいいのだけど、最終的に当社は作って提出した。資料については後述する。

この時点で、どういったフローでお金をかりるのかの説明がなされ、資料を検討後に面談日がセッティングされる。

相談、公庫の場合

政策金融公庫の方と名刺交換をした機会があったけど当社は商工会議所の会員でもあったので、商工会議所で使えるマル経融資を使ってみようと東京商工会議所の渋谷支部に連絡を入れた。特に予約は不要で好きなときに行けばいいというユルさ。

ここでも最低限の資料と会社案内を持ち込む。お金を借りる名目はいろいろだが、ここでは運転資金として借りる旨を伝えた。マル経融資は商工会議所の担当者が会社の経営指導をしつつ、公庫へ「有望なところですよ」と紹介してくれる体になっている。そのため、経営指導の期間がある程度必要になってはいるが、1度の面談でこのあたりをスキップすることができるらしい。こちらでも資料を検討いただいて後日面談日をセッティングすることになった。

面談、銀行の場合

ここでは融資額が伝えられ、おびただしい数の申込書類に記入捺印した。謄本など必要な分はこの時点でも預けることができる。事前に用意してほしい書類として伝えられるので、漏れなく用意しておこう。
契約書の記入はかなり骨の折れる作業で、融資実行前は本当に本当に苦労するとかでゴム印の制作はマストだ。当社は銀行さんが印刷会社へ発注してもらうことにした。

必要書類として納税証明書を求められた。納税証明書はいろいろなパターンがあり、どの税目の、どの期間の、何の証明が必要なのかを確認しよう。同じ証明書でも国税と地方税では取りに行く窓口が異なるのだ。

面談後、追加で必要になる資料などの受け渡しで何度か銀行さんが来訪。次は保証協会さんの面談がセッティングされることになった。

面談、公庫の場合

こちらも書類の記入がメインとなる。銀行の場合も書くことは基本的には同じで、会社の概要、代表者の略歴などを聞かれる。こちらでは商工会議所の方が公庫の方へ紹介状を書くのに際し必要な情報を集めるという側面が強かった。また、保証協会は関与してこないため、次は公庫の方との面談かと思いきや、電話連絡があるだけとのこと。

納税の証明はこちらでも必要だった。が、eTaxの納税記録(メール詳細と呼ばれる)と通帳の金額と日付を突き合わせてとりあえずOKとなった。もちろん、証明書で一発証明することも可能だ。

融資の実行は公庫が圧倒的に速かった。行動を起こしてから1ヶ月もかからずに審査OKの連絡があり、申込書が郵送されてきた。申込書は数枚程度のシンプルなもので、必要事項を記入して返送するだけ。入金日は申込書に書かれており、問題がなければ振り込まれる。

面談、保証協会の場合

銀行からの融資には保証協会の保証が必要になる(らしい)。いろいろな事情で返せなくなった場合、保証協会がなんとかしてくれる。そのため、銀行の審査とは別に保証協会の審査が必要になり、これも初回の取引には面談がセッティングされる。

面談では会社の概要、経営者の略歴はもちろん、経営の状況、今期の収支はどんなかんじかといったところから、登記簿にある移転履歴を参考に、移転の理由、現所在地を選択した理由といったことまで聞かれた。決算書の内容についても細かく指摘があり、それぞれの数字について答えていく。もし、決算書の読み方がわからなかったりする場合は、税理士の方などに自社の決算内容についてざっくりとでも説明を受けておいたほうがいいだろう。

当社の場合、年額で結構な額になっている「使用料」は何か。というものがあった。最近はサブスクリプション制のソフトウェアサービスなどが多くあり、その費用であると答えた。

アプリ開発費名目であるため、外注費などは見積書などの資料があるといいようだ。後日連絡があり、無事審査をパスしたのだが、最後、銀行さんの最終審査が待っていた。

そうそう、新規事業の場合、定款に書かれてある事業内容に書かれているものであると有利っぽいので、定款変更をやってからの方がいいと思う。

最終審査、銀行の場合

ここで、銀行さんからはアプリの開発費がわかるものがほしいと言われた。開発費と言っても外注費、社内のリソースを使った分の費用、検証機代、サービス使用料などいろいろある。分かる範囲で、かつ、融資額を上回る形で見積を作成した。

外注費は人月で計算し、備考欄にこれこれこんな人をこれぐらいの期間で委託します。と書き込んでおく。

また、会計上資産になるものは償却年数を入れておく。基本的には10万を超える機材や外注費は資産とし、社内稼働分は費用となる。運用フェーズでは社内稼働分も資産となるらしいのだが、このあたりの扱いは税理士先生へ確認したほうがいいだろう。

この資料を提出後、少しして審査OKの連絡があった。ゴム印は最終審査OKを待って発注されたらしく、最後の書類作りの際にゴム印も納品されるとのことだ。

追加で用意した書類

登記簿謄本などの基本的なやつ以外で参考資料として作ったものは、当社の場合は

1.アプリ開発費の概算見積資料
2.アプリの事業計画書(アプリ開発の目的、背景、市場分析、売上目標)
3.アプリのプロトタイプ(Adobe Xdで制作しているラフラフ案を出した。アプリの動きがわかるもの)

アプリならニュースリリースを書くような感覚で、簡単なアプリの概要を説明した資料があるとなおいい。というのも、担当に付く人はアプリなんて詳しくわからないからだ。
僕は資料でインストール数や課金率といった数字を使って説明したけど、これら数字の裏付けもあったほうがいいと感じた。そこで「一般的に課金率は○%くらいを目標に設定することが多くて」とか「インストール数の増減は広告出稿に左右されております」とかそういう説明を付け加えて理解してもらった。

融資セミナーみたいなのに参加すると後々楽になる

今回の融資の行動が意外とスムーズにいっているのは、事前に不動産会社主催の融資セミナーになんとなく参加したからで、どういう名目でどこで、どれだけ借りるのかといった知識を持っていたからだ。似たようなセミナーは銀行主催でもやっているだろうし、先に述べたように商工会議所ではほぼ随時相談を受け付けている。

当社が参加したセミナーはSOHO TOKYOというSOHOオフィスの仲介をされているトランスリアルさんが渋谷2丁目にオープンさせたコワーキング・イベントスペースで開催した資金調達セミナーだ。不定期開催なので、次いつあるかわからないけど、金融機関の人に直接質問できるすごい機会なので気になる人は参加して名刺もらっておくといい。
http://tranceworks.jp/

借金って実際どうなのか

会社を経営していると借金しておいたほうがいいという話を割と聞く。これの本質は「金融機関との付き合いを持っておくことは、後々メリットになる」ということだ。初回の融資は手続きが煩雑な上審査もちょっと厳しいようで、融資まで時間がかかる(公庫の爆速は衝撃的だったが)。また、融資の額も小さい。借りて返してを繰り返していくうち、実績が積まれていって大きなチャレンジをする際にも力になってくれるようになるわけだ。

最近は個人でもクレジットヒストリーを若いうちから育てていくという欧米にある考え方が定着してきつつある。事業融資も同じことだ。

ということでアプリ開発手伝ってくれる人を募集しております

(背筋を正してですます調で)資金調達できることがわかったので、アプリ開発を手伝ってくれる人を探しております。調達した資金は微々たるもので、自分たちも開発に参加する形になると思います。ガッツリフルコミットするというよりも、副業スタイルが適しているかなと思います。下記条件で興味ありましたら、ご一報ください。

フィットネス系アプリ開発
ionic Angular Firebaseを使用
付加機能として課金回り(月額、年額課金モデル)、iOSのみHealthkit
githubでソースは管理します。開発の引き継ぎがあるため、ソースは全共有して頂く必要があります。
その他必要な環境は相談の上導入します。
筋力トレーニングに関する経験や知識があるとなお可。その際はトレーニング経験や保有資格などをお知らせください。
応募期限は2018年4月28日中まで

ざっくり1時間あたりの作業費をお知らせください。リリースまでお付き合いいただくというよりも、最初の開発環境構築と基本的な画面遷移とデータの読み書きだけ開発するというスタイルでもOKです。

発注フローとしては、当社から必要な機能の見積もり依頼→時間単位で見積もりしていただく→発注書送付→注文請書返送→作業開始
日報という形で作業の進捗をgit push と一緒に行っていただきますが、作業自体は好きな時間にしていただいて構いません。

コンタクトは僕に直接メールをするか、Facebookメッセンジャーなどでお気軽に。


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