家でできる国語の勉強その3

「音読」→「要約」と来て、今日は「読んだあとに何をするか」の話。

1:子どもはなぜ「感想」を聞かれるのが苦手なのか

学校の授業では、教科書を読んでからまず「感想」を話したり書いたりすることが多い。「見聞きしたことから自分の考えをもち、表現する」という、社会生活を営む上での基本的な言葉遣いを学ぶ目的がある(とわたしは捉えている。)

ところが、やってみるとこれがまあ難しい。「じゃあお隣同士でペアになって感想を話し合いましょう」って言っただけで話し合いが始まることなんてまずないし、「ノートに書いてみましょう」と言ったって、だいたい「(あらすじあらすじあらすじ)で、びっくりしました。」で終わる。(ほんとはそんなにびっくりしてないと思うけど。)何も書かずに時間が過ぎるのを待っている人だってたくさんいる。ちなみにこれまで何人かの小学生にヒアリングした結果、「感想を書かない、言わない」にはこんな事情があるよう。

・まだ読み終わってない
・本の内容が面白くない
・隣の席の子がいやだ

・そんなに書けない、話せない(文字指定、時間指定がある場合)

なるほど。納得しかない。

2:「感想」の範囲を広げる

でもこれ、よく見てみてほしい。

・自分のペースで話す(書く)
・自分が面白いと思う本を選ぶ
・気心の知れた相手に話す(書く)
・好きな分量で話す(書く)

という風に裏返してみたら、案外行けるんじゃない?そしてこれ、家でやるなら、だいぶクリアできるんじゃない?

そう、家でいろいろなことの「感想」を話す時間をもつといいと思うのです。本に限らなくていい。一緒にみたテレビの感想でも、ニュースの感想でも、昼間にオンライン視聴した動画の感想でもいい。親子で一緒にはまってるまんがやアイドルの話なら、いっぱい話すことがありそう。誰かの表現に触れて感じたことを言葉にして伝える体験を、気軽に何回もできるといいと思う。

「どう?面白かった?」
「どの辺が面白かった?」
「それが面白かったのはなぜ?」


だいたいこの順番で聞いていくと、スムーズに聞ける気がする。いきなり「どうだった?」とか、「どう面白かったの?」って言っちゃうと、まあ100%止まる(笑)。

子どもの話を聞いたら、「わたしはここが面白かったよ」と自分の感想を話したり、子どもの感想を聞いてみて感じたことを話したりすることも、ぜひしてほしい。子どもは教室で勉強するだけではない。周りの大人がしていることから学ぶことが本当にたくさんある。国語は特にそう。

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