Schubert Symphony No.4 Movt.3 Menuet (Allegro Vivace)

古典派の音楽でも何か「ざわざわ」するものてぇのはあるもんでして。(なぜか落語調)

シューベルトの4番交響曲 D. 417の第3楽章。最初聞いたときは、何が起きたのかわからず、マルティヌーかルーセルか、と思ったのですが、だんだん普通になるので、あー、シューベルトか、となるのですけど。最初の部分がユニゾンで動き、かつ半音進行が多いので一瞬耳が迷うのですね。そこがミソなわけですが。ピアノ譜に起こしてみました。

アウフタクトも入れて5小節で、平均律12音のうち10音がオクターブユニゾンで登場しています。一応調性はありますが、かなり混乱します。四角で囲んだ部分は長二度の半音下降連続でラフマニノフのピアノ協奏曲2番にも出てくるし、マイルス・デイビスのpet phraseでもありますが、極めて「アウト」な感じになります。

その後は和声がついてきちんと変ホ長調を確保します。その後は型どおり属調の変ロ長調に向かいます。繰り返しのあとはIII♭調である変ト長調へ向かいます。

23小節目からはしばらくD♭の保続音上で変ト長調で遊んだあと、D♭E♭F Gと、所謂裏コード(本来の属七和音を増4度上または減5度下の7の和音で置き換え)を使った進行でGに達し、うやむやのうちに(?)変ホ長調に舞い戻ります。

後半は特に驚くようなことはないのですが、やっぱり冒頭の4ないし5小節が冒険的だと思います。さらに、ダイナミクスについて、ベートーベンばりのffとpの交代や短いデクレッシェンド(テンポが速いのでむしろ強いアクセント)が使われているのがこの楽想の特徴だと思います。

【追記】

例によって(?)作曲家のKD先生からご指摘あり、冒頭部分は「明らかに肉厚な和声のテクスチュアを聴覚的前提としていながら現実にはユニゾンで示される旋律」であり、なんとピンクレディーが歌った都倉俊一《モンスター》の歌詞「そこどけそこどけ...」の部分と類縁性があると!(こういうことを思いつくのがKD先生のすごさです)

そのようなメロディーであるにもかかわらずあえてユニゾンにとどめたのが都倉俊一氏のすごさであるとご指摘があったわけですが、当然そう聞いたらハーモニーを付けてみたくなるじゃないですか。KD先生のご示唆によるのがAのケース(正格和声です)。B, Cはもう少しはやり歌方向に寄り添ってみました。(音はこちら

こうやって遊べるのも、元のメロディーが優れているということなのでしょう。

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次の公演は ●10月9日(金) 19時開演 霊南坂教会(赤坂)平澤篤記念演奏会 “Lacrimosa~平澤篤の絵画に寄せる" ゼフュロス・トリオのための 初演予定 ●10月14日(水) 府中の森芸術劇場ウィーンホール 「鳥はいまどこを飛ぶか~吹奏楽のための」初演予定

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