National Anthem of Japan "Kimi-ga-Yo"

ご存知、君が代である。国歌論を語るつもりはない。この曲の編曲、なかんずく和声付けについて調べてみたいのである。

エッケルトがこの曲の編曲をするときに、彼の技術であるクラシックの和声法で上手くいかない、レで始まりレで終わるという最初と最後を単旋律にしてしまったという説があるが、おそらくそんなところであろう。そうでないにしても、この処理はなかなかcleverであり、効果を上げているように思う。

和声付けはほぼドイツ伝統の和声法によっているが、旋律の要請から、いくつか面白い部分がある。

「(千代に)八千代に」の部分はどうみても西洋風でない。エッケルトはここを細かく分けることでなんとかしのいでいる。ミソはI、ラーソラはIVとして、次のレシラソの和声付けは絶妙である。すなわちここだけ属調と解し、ト長調のV-I-V-VIとしている。最後のV-VIは偽終止である。

「いしの」「(苔)のむす」のところは、並行短調のイ短調を感じさせるII-VI-IIという和声付けがなされている。そして最後はユニゾンで終わる。

結果としてユニークな音楽が生まれた。最初の部分の「きみ」のイントネーションが逆だとかいう問題もあるかもしれないが、ま、いいんじゃないでしょうか。


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