マガジンのカバー画像

Jun Yamamoto 音楽を語る(2)

123
クラシック音楽のいいとこどりをして語ります。
運営しているクリエイター

2019年8月の記事一覧

75回目の8月15日。あの戦争を振り返る。

8月15日、敗戦から74年。敗戦記念日の思いも繰り返されるごとにパターン化し、記憶が風化していくことにあせりを感じます。

昨年は、双子座三重奏団とのジョイントで10月に「戦争と音楽」というテーマでライブを行いました。拙作のほか、戦争に関わる音楽を集め、中でもシェーンベルク作曲の「ワルシャワの生き残り」の清水一徹さんの編曲版など貴重なものも演奏されました。その様子はYouTubeでご覧いただけます

もっとみる

落語「寝床」によせて

落語の「寝床」はいろいろなヒントを含んだ噺である。江戸時代、あるいは明治・大正・昭和もはじめごろですかな、経済的余裕とヒマのある旦那衆、時によってはその辺の有象無象まで稽古事をやる。中には女のお師匠さん目当てで通ったりする。いわゆる「檀那芸」であるからそんなにいいものではない。ちょっとお師匠さんが厳しいことをいうと「そういわれても私ら玄人じゃないんですから、そんな風にはできない。じゃぁもう面倒だか

もっとみる

Schumann Dichterliebe op.48 No.12

「詩人の恋」は一曲目の「五月」がすごくいいし、この12曲目も悪くない。要するにときどき挟まるめちゃめちゃ元気のいい曲がこちらとしては雰囲気ぶち壊しだと思うのだが、ドイツ人のやることだからしょうがない。

ディーター=デ=ラ=モッテが「大作曲家の和声」で指摘している部分。語りと花の囁きを歌い分けるところ。変ロ長調と変ハ長調が微妙に交代する。ピアノの伴奏の配置もあいまって、ジャズ的な「裏コード」という

もっとみる