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Jun Yamamoto 音楽を語る(2)

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クラシック音楽のいいとこどりをして語ります。
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2017年9月の記事一覧

Shostakovich Symphony No.5 Movt. 4

ショスタコーヴィチの交響曲ではおそらくもっともよく知られた曲だと思う。最終楽章は、ニ短調で始まって、最後はニ長調で輝かしく締めるのだが、この最後の部分の和声構造を見てみたい。音はこちら。

音楽はもう第4コーナーをまわっており、最後の全終止に至るところだが、弦と木管はひたすらしつこくC#を鳴らしている。もちろんこれはニ長調になってDに解決するわけだが、その直前にショスタコーヴィチが仕掛けたのは、ま

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Canon at 2nd

2度のカノン。アルトからスタートして、一小節遅れてソプラノが追いかけます。バスは自由声部で3声。音はこちら。

バッハのゴールトベルク変奏曲同様、冒頭はアルトが伸ばしている主音に二度上のソプラノが重なって、アルトが掛留になる形を踏襲しました。

短すぎたですね。あと、15小節目のFは唐突かもしれない。

Canon at 5th by inversion

5度の反行カノンに挑戦したのはいいのだが、挑戦しただけみたいな(´д`|||)

前半はアルトのテーマを一小節遅れでソプラノが模倣。後半は、2小節遅れで模倣します。結論:反行カノンって難しい。音はこちら。14小節目の頭、どうしてもトップのgが倚音になっちゃいました。

Canon at 3rd

大バッハのゴールドベルク変奏曲に影響されて、7度に続いて今度は3度のカノンを書いてみました。あんまりうまくない。ああでもないこうでもないとやってみるとバッハの偉大さが身に沁みます。音はこちら。テーマはアルトから出て、2小節後に3度上でソプラノが追いかけます。

Brahms String Sextet No. 1 Movt. 3

ブラームスの弦楽六重奏曲第一番の第3楽章の中間部(トリオ)。

主部がAllegro moltoの指定で、トリオはAnimatoになっている。この真ん中の部分がはっちゃけていて好きである。

へ長調からフォルティッシモでハ長調になり4音の音階をあがるフレーズを繰り返して勢いをつけておいて、小節半ばから半音上の変二長調に「むりくり上がる」。

勢い余って上下に赤線を引いた部分はほとんどユニゾンになっ

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Canon at 7th

バッハの7度のカノンを勉強したので、自分でも書いてみようと思い立った。一応できましたがね。いろいろこれも勉強になりました。音はこちら。PDF版も一応こちらにおいておきます。

3声で、アルトが先行し、ソプラノが7度上で同じ音形を繰り返します。バスは自由声部になっています(これがないと到底無理)。

バスが自由という条件でもなかなかむずかしく、3小節目のアルト4小節目のソプラノはせっかくタイで引っ張

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Bach Goldberg Variations 21. Canon at the Seventh

7度のカノン。どうやったらこういうものが書けるのかは謎だが、はっきり譜面に記されている以上、分析することは可能である。

3声で、上二声がカノンになっており、バスがついている。バスの半音下降に伴うハーモニーの移ろいが美しい。楽譜中、rは掛留音、pは経過音、bは刺繍音、a は倚音である。

Em7b5はC7と考えれば、D7/F#-Dm/F-C7/E-Cm/Eb-D7という進行になる。2小節目のソプラ

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間違い探し Bach Well-Tempered Klavier I-4 Prelude

間違い探しです。

次の楽譜はバッハの平均律クラヴィーア曲集第一集の cis moll のpreludeの最後の8小節ですが、間違った音符が30くらい含まれています。さてどこが間違っているでしょう。音はこちら。オリジナルの楽譜は春秋社の1976年版を使いました。

Bartok Violin Concerto No.2 Movt. 1

ハープの話になって思い出したのがこの曲である。冒頭、ハープのnon arpeggio の4つ打ちから始まる。スコアを見ていて、ハープが効果的に使われているなぁと思っていたら、284小節目からの4小節は相当厳しいのではないかと思った。

楽器の数が少ないので、expressionを全部はずして骨組みだけ示す。音はこちら。

作曲者は、ハープのペダリングを示していないので、仮にペダリングを付記してみた

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