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Jun Yamamoto 音楽を語る(2)

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クラシック音楽のいいとこどりをして語ります。
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2017年6月の記事一覧

Yumi Arai (Matsutoya) "Hikouki-gumo" ひこうき雲 Reharmonized

稲垣潤一さんがデュエット・カバーアルバム「男と女」で、小野リサさんとともに荒井(松任谷)由実さんの「ひこうき雲」にチャレンジしておられます。

ボサノバに仕立ててあって、極めて軽くなっていて大変面白いのですが、ほのぼのとreharmoniozationが施されているので取り上げてみます。

荒井由実オリジナルはEb で、稲垣=小野バージョン(以下IOバージョン)は最初はDbで始まっています(途中で

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Hindemith Violin Concerto Movt.2

ヒンデミットのヴァイオリン・コンチェルトの第二楽章の途中である。どうでもいい話だが、このソロヴァイオリンのパートも覚えにくそうだなぁ(笑)この部分はちょっとだけ、ヒンデミットの手のうちが見えるように思うので取り上げてみた。

ソロヴァイオリンのb moll を思わせるフレーズで入ってきて、弦の伴奏はいきなりF#mである。第一バイオリンがC# ヴィオラがF#で固定された中を、第二バイオリンが A A

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Mozart String Quartet No.15 d moll KV421 Movt. 4

モーツァルトは奇跡のような曲をたくさん遺しているので、奇跡的だと騒いでも仕方ないのだが、この曲もひとつの奇跡のように思う。なかんずく、終楽章はかわいらしい奇跡である。そうとは書いていないが、8分の6のシチリアーナによる変奏曲。譜例に示したのは第2変奏にあたるが、第二バイオリンが大活躍し、細かなダイナミクスの指定とともにリズミカルな大変面白い効果を上げている。因みに、譜例の7小節目冒頭はEb on

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Dvorak Symphony No.9 "From the New World" Movt. 2

超有名曲であるし、アナリーゼもあるのだろうが、自分で参加することに意義がある、というオリンピック精神の下(?)やってみた。

スコアは、臨時記号のつけ方についてあまり統一がとれていない。最大公約数をとって略式のピアノリダクションを作ってみた。(音はこちら)

最初の部分はこんな感じになる。

3小節目のバスのa とcisだが、ファゴットパートではbes とdes トロンボーンパートではa とdes

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Mozart String Quintet No.5 KV593 Movt. 4

ハイメラン=アウリッヒ(中野吉郎・訳)クヮルテットのたのしみ(アカデミア・ミュージック)に付録2として訳者の中野さんの文章がついている。

ヨハン・トストという1755年生まれの音楽愛好家が、WAモーツァルトの弦楽五重奏に勝手な変更を加え、170年間バレなかったという話だ。

詳しくはもちろん上記の本に書いてあるのだが、うかつにもまったく知りませんでした。

だいたいBreitkopfの譜面が今で

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「ドクターX~外科医大門未知子」のテーマ オーケストラ編曲版

TVドラマ「ドクターX~外科医大門未知子」のテーマをオーケストラにアレンジしたものです。

なにしろ病院には縁が深いものですから、いつも興味深く拝見してます。権力争いと「御意」軍団はどこの会社でも見られることで、そういう意味では普遍的なドラマ。そこへ一匹狼のフリーランスの外科医がやってくる。西部劇を思わせるのですが、この沢田完さんのテーマもその辺を上手く表現して、まるで西部劇のテーマのようなかっこ

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