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退職前の準備いろいろ

今回は会社の早期退職の募集に対しての応募となったので、以下のような流れで退職の準備が進みました。

そういった特殊な事情の部分を置いておいて、一般的な退職準備として事前に考えておくのが大事なのは、
・健康保険どうする?
・企業型確定拠出年金どうする?
ぐらいかなと思います。それらについては割と細かく考えたので、また別の機会にするとして、大まかな流れを記しておきたいと思います。

制度説明とその理解

10月の終わりに、制度実施のお知らせと内容についての説明がメールで発信されました。よく読み込んで、制度の対象範囲、退職金やその他の扱いについてよく確認しました。

ちなみに、制度利用には年齢制限があって、私はこの7月の誕生日でぴったりその制限年齢に達していたのでした。2020年は節目の年だと前々から思っていたので、不思議を背中を押された気分になりました。

制度利用に関しての問い合わせ窓口がちゃんと用意されていて、想定のQ&Aなどもあったので、ある程度のことは理解できました。(そのあたりのバックヤードは本当に信頼できるしっかりとした会社でした!)

制度利用申請と承認

12月に入って、具体的な申請方法が通知されたので、申請しました。非常にシンプルな申請書だったのですが、記載すべき内容のひとつとして「制度応募理由」というのがありまして、非常に悩みました。

なぜ、いま、この制度に応募して、会社を辞めようとしているのか。制度実施を知った時から考えていたはずなのに、わかりやすくテキストで伝えようとすると、うまくまとまらないものです。

素直に紡ぎ出した言葉として、
・自身が培ってきたスキルと向き合い(私には何ができるのか)
・より専門性を高めて(私だからできることは何なのか)
・今後長く携わっていける仕事を見つけたいため
という、自分への問いのような内容になってしまいました。

上司からは「これ(今後長く携わっていける仕事)は具体的にどういう仕事か?」という問いがありましたが、これから探します、と素直に答えて、無事に制度利用が承認されました。年末のことです。3月末で退職することが、部の執行チームと直属の上司に共有されました。

財形やそのほか積立や団体保険の処理

年が明けて、まず、会社で積み立てされている財形などについて、事務的な連絡がありました。

・財形:指定期日までに解約届を書面で提出
・社員向け定期預金:指定期日までに解約届と振込先指定を書面で提出
・社員向け保険:給与天引きされている保険については解約(私は団体保険が該当、生命保険・医療保険は該当なし)

その他、会社から住宅融資を受けている場合には、手続きが必要になりそうです。数年前に先輩がローンの借り換えなどでバタバタしていたのを思い出しました。幸い私には該当なく手続き不要でした。

お金や金融機関の手続きは、漏れや間違いがあるといけないので、早め進行で安心です。退職だからということではなく、日頃から給料明細などに目を通して、会社経由でどのような契約が関係しているのかは、自分でしっかりと把握しておくべきだと思いました。

総務からの個別説明

財形、定期預金、保険など会社の福利厚生等で用意されている制度以外の基本的な手続きについて、総務の担当者から個別に2時間弱の説明がありました。

・退職金の説明
 - ★企業年金基金分をどう受領するか
・退職に関係する税金の説明
 - 住民税は6月から5月にかけて前年度分を支払いする制度
  -- 2019年度分は退職後に納付書(一括か四期分割)での支払いが必要
・自社年金の説明
・退職後の賞与
 - 10月から3月の賞与は6月支給のため退職後となる
 - 4月以降に源泉徴収票の受領と確定申告が必要
・退職年分は確定申告が必要
・厚生年金ではなくなるので国民年金に加入が必要(退職後14日以内に)
・失業給付の受領方法
・★健康保険の扱い(2年間の任意継続が可能 or 国民健康保険に加入 or 配偶者の扶養に入る)
・★企業型確定拠出年金(DC)の扱い(個人型確定拠出年金に移管 or 国民年金基金連合会に移管)

お悩みポイントとしては、★印の課題で、時間的に急ぐ順でいうと、
★ 健康保険どうする?
★ 企業型確定拠出年金(DC)どうする?
★ 企業年金基金どうする?
といったところです。

健康保険は退職後すぐにお医者様にかかる可能性もありますので、切れ目なくできるようにしておきたいものです。コロナ騒動の時節柄、春の混雑する区役所に出向くのも気が引けまして、任意継続であれば退職前に手続きできることから、任意継続を選択することにしました。

保険料はこれまで会社負担していただいていた分(2分の1)も自己負担となりますので、月々の保険料はとても高くなります。その分、社員時代同様、診療所や保養所の利用もできますし、人間ドックや各種サービスも使えるのでメリットもあります。

ただ、任意継続には2年という期限があるので、国民健康保険の保険料試算や切り替えも検討しておかなくてはなりません。それはまた別途。

企業型確定拠出年金(DC)は、退職と同時に資格を喪失してしまうので、これまで運用してもらっていた自身の資産を移管しなくてはなりません。説明パンフレットを読んで、個人で対応するように、という説明でした。

移管手続きの完了期限は、退職日の翌日が属する月の翌月から起算して6カ月以内。私の場合には、5月から6カ月以内なので10月末までに移管完了しなくてはなりません。

個人型DC(iDeCo/イデコ)は、資料請求だけでも1週間、登録には2−3週間かかるようで、その後ようやく移管手続きとなるので、これは早め進行した方がよさそうだ、と、早めに着手することにしました。これもまた別途。

ちょっと特殊だと思ったのが、企業年金基金。これはなんなんだっけ…という代物で、手厚い福利厚生の一貫のような気がしますが、企業型確定拠出年金の開始前からある企業年金の制度(?)なのだろうか。選択肢としては、脱退一時金としてもらう、企業通算年金としてもらう、個人型DCからもらう、転職の場合には再就職先に移管する、などがあります。

脱退一時金としてもらう場合、退職所得扱いになるため、退職所得税がかかります。退職所得の控除条件が勤続20年以内(勤続1年につき40万円)と20年超(同70万円)でだいぶ異なり、勤続17年半の私の場合には、かなりの税金を支払うことになります。

いろいろ面倒だからと一時金で受け取るよりも(実際一時金を選ぶ人が多いようです)、老後資金として考えてそのまま運用に回した方がいいかなということで、iDeCoへの移管を選択しました。脱退後1年以内が移管期限で、iDeCoの開設完了後に「移管申出書」をiDeCo運用者から入手して提出する必要があります。忘れないようにしなくては。

辞令

2月末に、通常の人事異動(翌々月初)と合わせて、3月末退職者の人事発令がありました。

辞令は毎回全社に一斉に発表されるのですが、全部見尽くすのは難しいぐらいに数が多いです。お世話になった方には先に自分からお伝えしておきたくて、個別にお声をかけてお話しさせていただくなどさせていただきました。

就職支援サービスへの登録

今回の早期退職は「転身支援」という名目があるため、退職後に就職支援のサービスが使えるようになっています。ありがたいことです。退職前は、まずサービスへの登録までで、具体的な職務経歴や希望職種の見極めなどについては、退職後にサポートしていただきながら作成や相談ができるということでした。重ね重ねありがたいことです。

退職することを決めただけでも心落ち着かず、次に向けた自分自身の棚卸しをする余裕など全くありません。今もまだ、このコロナ騒動の中、ずっとふわふわと浮遊しているような感じがします。

と、ぼんやり振り返りながら思ったのですが、育児をしながら必死で働いていた私には、転職活動をしながら働くなんて余裕は、微塵もなかったです。ですので、退職した後に、寄り添ってくれるサービスが使えるというだけで、(結局のところ自分次第だろうな、ということは認識しているのですが)安心します。

業務の引継ぎ/荷物の整理

もともと小学生2人の急な病気などがあった場合などを想定して、自分が担当している業務については、経緯やステータス、資料の共有について常に意識していました。

少し大きめの案件が落ち着いて、ユニット内の体制の見直しをはかっているところでしたので、案件自体の引継ぎは数えるほどでした。逆に体制面で一人抜けてご迷惑をかけてしまうことになったので、申し訳なかったです。

案件については、主に課題管理ツールの各課題やまとめページに記載しました。これまで作ってきたサイトたちについては、当初の検討資料やガイドライン等をまとめていたものの、全部で10サイト近くあるので、資料を一緒に見ながら説明していくことは難しく、概要をお伝えすることしかできませんでした。

ただ、これだけサイト数が多いと、まず全部を学ぶのがベストとは思えず、案件が発生した時に影響範囲を想定する中で現物とガイドラインを活用して読み解く、という方が効率もよく、その時点でもっともよいものを作る、という向き合い方をすればしっかり対応していけるのではないかなと思います。

加えて、お取引先リストを作り、どんな時にどういう風にお取引したのかもメモをまとめました。

会社にある私物は、段ボールにまとめて自宅に送らせていただきました。文具好きなので、自分で持ち込んだペンスタンドや筆記用具、あと東日本大震災以降、会社から配備がなくて心配だったので、自分で用意したヘルメット(隣席の若手に譲りました)と防災グッズの詰まったリュック、履きやすい靴など。クッションやひざかけはだいぶ薄汚れていたので、この機会に処分させていただきました。

お礼の品の選定と準備

部門向けとお世話になった方々個人向けに大好物をご用意しました。

3月に入り、コロナ騒動で学校休校や在宅勤務推奨なども相次ぎ、直接お渡しできない方も多いだろうということで、大好物のうち、いつでもおいしい「おせんべい」にしました。

前職をやめた時にも、新潟味のれん本舗のおせんべいを選びました。前職では残業のお供に、職場宛に箱買いしていました!揚げたてを用意して送っていただけるので、サクサクパリパリでおいしいのです。

あと個人的趣味で、メモしやすいノートパッドやBICのカラフルなボールペン、いま小学生で大人気の「磁ケシ」や懐かしいロケット鉛筆なども用意して、気になる人にお渡ししました。

会社貸与品や備品の返却

借りたものを返します。非常にていねいにリスト化されていたので、もれなく返却できました。具体的には
・貸与パソコン一式
・内線携帯
・IDカード
・社章
・健康保険証
などです。

卒業

最後、IDカードを返却して、卒業です。(社屋への出入りにIDカードが必要なのですが、最終退出はカードなしになってしまうので、警備員さんに事情を話して退出させていただくスタイルでした。お手数をおかけいたしました!)

最終日にとても素敵なお花(カープと吉川晃司をイメージしたという情熱的かつシックな赤)とメッセージカードが貼り詰められた手作りの色紙をいただきました。退職!って感じで嬉しかったです。

昔は、毎月のように色紙を回してみんなで書いていたなぁ。契約スタッフさんの満期退職や社員の異動が多かったのです。人の出入りが多くて、様々な案件で得られた経験値や知見が引き継がれにくい組織だったからこそ、どんな時にも正解に向かっていけるマインド作りやシステム作りが大事なんだ、と気づかされました。

まとめ

退職前にできること(やらないといけないこと)は、以下の通りです。

1 . 給与内容の把握:給与明細などから自分が会社のどのような制度を利用しているのかを把握すること。

2 . 公的保険料の把握:社会保険料や年金保険料を把握すること。退職後にそれらがどうなるかを調べておくこと。健康保険は切れ目なく使えるように手続きしておくこと。

3. 備品の把握:貸与された物品や自分の持ち物を整理すること。貸与された物品については、貸与時点で備品もセットで保管しておくのがベスト。特にパソコンや携帯周り。

4 . 自分の棚卸:自分がやってきたこと、かかわった人やお世話になった人を振り返ること。仕掛りの案件については、経緯や方向性を後任の方の負担にならない程度にまとめて伝えること。

5. 過去と未来の棚卸:私には何ができるのか、私だからできることは何なのか、これからやりたいことは何なのか。いつ、どこで、だれが、なにを、どのように、なぜ。

最後の棚卸ができていないまま、退職となり、コロナ騒動で引きこもっているわけで。いまは学校がお休みで戸惑っている子どもたちに寄り添うことが最優先な私ですが、世の中が落ち着いたら、もっと自分に向き合いたいと思っている次第。

以上


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