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波乱!ビワイチ

春だ!!みなさんはお花見をしましたか?


………

ポケスリの記事を書くついでにふと下書き一覧を見たら、ここまで書いて終わっていた。たった一文。やる気をなくすのが早すぎる。
でもせっかく見つけたので続きを書いてみることにする。3か月前のことだけど、どこまで覚えてるんだろうか。

0. 準備

4月、お日柄もよく、琵琶湖の桜も満開!ということで、元サイクリング部の同期とビワイチをすることにした。

もちろん琵琶湖以外にも桜は咲いていたわけだが、私はぽこピーというVtuber二人(匹?)組がかなり好きで、二人がビワイチしている動画を見てからずっとビワイチが気になっていた。好きな人に影響されやすくてかわいいね。

二人の動画はこちら。

北湖のみとはいえ、どちらも宿泊なしで一気に走り切っているので相当ハードだったことが伺える。

でもこの記事のときも同様に、私は楽しそうなことはもちろん辛そうなことも追体験してみたくなる癖があるので、やりたくなさより興味のほうが断然勝っていた。何この癖。そのうち変なことに手を出しそうで怖いよ。

とはいえ、一人で走るならまだしも、せっかく友人が一緒に行ってくれるというのに一日走破なんて苦行には付き合わせられない。ゥチらみんな女子大生だし。

北湖一周150kmのところを途中で一泊し、ちょっと桜とかおしゃれなカフェとかも見て、女子旅ツーリング♡みたいな感じにしようと考えていた。このときまでは。

1. 一日目

東海道新幹線の長いトンネルを抜けると、そこは暴風が吹いていた。

米原駅で輪行した自転車を組み立て、琵琶湖に向かっていくと、風速10m/sの風にあおられたマザーレイク・琵琶湖は荒れ狂っていた。
着く頃にギリギリ雨が止んでそうでよかった、と天気予報を見て安堵していたが、風は気にしてなかった。迂闊すぎる。

琵琶湖を左手に見て進んでいけばいいだけのはずが、堤防を乗り越えた大きな波がバシャバシャと勢いよく道路にかかっているせいで、近づけもしない。道交法に従って湖真横の道を走ったら最後、みんな仲良く頭から泥水を被ることは確定していた。

これは拾い画だけど、この5倍くらい波が高かった。海かと思った

仕方なく、湖から少し離れた道を進むことにしたが、真向からの向かい風で漕いでも漕いでも進まない。田んぼしかないので風をさえぎってくれるものもない。まだ出発して30分ほどなのにもう疲れが出てきている。どうしてこんなことに…。

しかもこの時メンバーの一人はゼミがあるのを忘れてたとかで、駅のワークボックスでゼミを受けていた。早速一人離脱している。どうしてこんなことに……。

ゼミが終わったその子が電車で合流し、ようやく全員そろったので黒壁スクエアで早めの昼食にした。翼果楼というお店の焼き鯖そうめんだ。長浜名物らしい。
鯖のうまみが出た煮汁がそうめんに案外マッチして、初めての味だが美味しかった。ここまでの走りでお腹が空いていたので、赤こんにゃくとデザートまで食べた。

琵琶湖周辺に詳しい方はお分かりかもしれないが、もう昼食の時間なのに米原~長浜の10kmくらいしか進んでいない。宿まではあと70kmあるのに。デザート食べてる場合じゃないよ。美味しかったから仕方ないんだけど。

赤の矢印分しか進んでない。絶望。

そこからも向かい風×直線の地獄は終わらない。
距離を見ると疲労度のわりに進んでなさすぎて絶望するので、途中から宿までの距離はみないようにして、○○駅まではあと何km!みたいな小さい目標だけみんなに共有していた。
マップ役としてあるまじき行為だが、これがスモールステップ。マインドチェンジ。SDGs。うーん、なんと言おうと辛い。

15kmほど走るとまた駅があった。えっ、まだ出発してから30kmも走ってないんですか?!実際のところ、時速10kmも出ていなかったと思う。なんのためのロードバイクなんだ。狂っちゃうよ………。
みんな久しぶりのツーリングなのもあって、かなり精神的にも肉体的にもやられていた。もう電車に乗ってしまおう。駅を見てそう考えたのも仕方ないことだと思ってほしい。

重い足を引きずって駅の電光掲示板を見にいくと、「強風のため湖西線は運休です」と書かれていた。…?
「再開は19:30になるかもしれません」とのアナウンスも流れる。…???

というわけで電車には乗れなかった。正確にいえば、湖西線に乗り換える近江塩津駅までは別の電車が動いているんだけど、それに乗ってしまうと少し琵琶湖から遠ざかってしまう上に、次の電車までかなり待つ。そんなに進めるわけでもないので、あまりメリットはない。

近江塩津駅や米原駅まで含めた範囲でレンタカーも探した。簡単に自転車以外のルートを諦めないあたり、私たちがかなり追い詰められていたことがお分かりいただけるだろう。

しかし当日借りられるところはなく、その道も絶たれた。
それならもう、漕ぐしかない。
漕げと神が言っている。電車が敗北した強風に打ち勝てと、そう言っている。

というわけで、行けるところまで走ることにした。万が一宿にたどり着けなかったら、どこかに無理やり泊めてもらうしかない。気合いで行くぞ!気合いで!

近くにあった平和堂という知らないスーパーで、ドリンクや菓子パンなどの補給と、急に寒くなってきたのでアームカバーや重ね着用の衣服を買い足した。4月って意外と寒いんだね。
私が買った990円の謎Tシャツには relax と書かれていた。この切羽詰まった状況と真逆すぎる。

覚悟が決まると案外楽だった。ここからの道はカーブが多いのと木が増えたので向かい風が少しは和らいでいたのもあっただろう。

途中の海津大崎では、念願の桜が咲いていた上に、奇跡的に一瞬晴れ間が訪れた。これまで暴風の中前を向くのに必死で、景色を楽しむ暇もなかった私たちにつかの間の安らぎを与えてくれる。せっかくの晴れ間を逃すまいとボロボロの前髪は気にせず写真を撮った。

このあとすぐ曇った

そのあともしばらく桜のトンネルが続いており、ここを走るのはかなり楽しかった。久々の解放感。
これまでたった一人にもほかのツーリング客に出会わなかった私たちだが、ついにもう二人ほどに出会うことができた。ここにもまだ人間がいたんだ…。この天気の中走る酔狂な仲間として勝手に連帯感を覚える。

そのあとも、
謎のオブジェで写真を撮ったり、

これなんだったんだ


再び向かい風ロードにぶち当たり絶望したりしながら、

本当に誰もいないので歩道で休めてしまう

琵琶湖の数少ない観光名所である白髭神社に到着した。

ここは海の上に鳥居が浮かんでおり、厳島神社的な感じで最近は外国人観光客にも人気らしい。あいにくのどん曇りだったが、晴れていれば、特にマジックアワーのときなんかはかなり幻想的なのではと思う。

ちょうどそのときも時間帯としてはマジックアワーだった。
距離はあと10km。日没まで間もなく。急げ!!

間に合いませんでした。

街灯もなかったのでほんとに暗かった

あたりがすっかり暗くなったころ、私たちはボロボロになりながら宿にたどり着いた。
今夜わたしが泊まるのは、お前の魂です。いいえ、違います。

「ジェイホッパーズ琵琶湖ゲストハウス」という、小学校を改築したゲストハウスだ。自転車置き場が元体育館倉庫らしき場所にあり、入った瞬間その少し埃っぽい匂いで10年以上前の記憶が蘇った。
部屋も教室をリノベしていて、私たちの部屋は図工室だった気がする。さすがに倉庫と違い綺麗にされていて、ただドアだけが教室の面影を残していた。

格安で泊まれるのもあって、外国人の方も多くみかけた。みんなキッチンで料理をするのだが、設備の説明があまりないのもあって困惑しており、かなりカオスだった。
外国人カップルにカタコトの英語でケトルが壊れていることを伝え、日本人のおばさまにもカタコトの日本語でIHコンロにはIH専用のフライパンを使わないといけないことを教えた。
こういうコミュニケーションが生まれるのもゲストハウスの醍醐味…かもしれない。

我々も買ってきたコンビニご飯をレンチンしたりお湯を注いだりして食事をとる。疲労で布団から起き上がれなくなっているメンバーのために食事を運んだりもした。1日目にしてみんな限界なのをひしひしと感じる。
なんとか大浴場で風呂に入り、髪を乾かすのもそこそこに布団につく。シャワーだけでなく湯船があるのはありがたい。身体がほどよくあったまったのもあって、すぐに意識は遠のいていった。

2. 二日目

起きた瞬間に身体がバキバキなのを感じる。布団が薄かったからではなく、単に前日の疲労がひどい。湿布とかはればよかった。

コンビニで買っておいた朝食を食べて、8:00には出発。ハードだ。

自転車に乗った瞬間、お尻が痛すぎて情けない悲鳴を上げた。これであと80km走れる気がしない。もう何度もツーリングにきているのに、いまだにサイクルパンツを買ってない私が悪いんだけど。

ただ、今日の天気は昨日と打って変わって快晴だ。いっそ暑いくらいだが、風も落ち着いて昨日に比べたらずっと走りやすい。身体は痛くても精神が持ち直したので、みんなも元気を取り戻している。いいぞ!やっぱり天気って大事だな。
というか昨日が辛すぎたあまり、楽に錯覚しているのかもしれない。朝三暮四的なやつだ。

車通りの多い道が増えてきたので注意しつつも走っていき、ついに北湖と南湖を隔てる琵琶湖大橋に到着した。
ここまできたらいよいよ終盤って感じがする。嬉しすぎて残り40kmなのに「あとちょっと!」ってストーリーあげちゃったよ。私の脚力なら全然あとちょっとじゃないのに。

バカ晴れててうれし〜

付近にあるサイクリストの聖地碑とBIWAKOモニュメントも、忘れずに向かう。後ろの青空とのコントラストで写真映えもばっちり。
滋賀県に引っ越してきたばかりでビワイチに挑戦していたご夫婦とお互い写真を撮りあった。いい方たちだった。
それにしてもこの日はサイクリストにたくさん会った。やはり昨日の少なさが異常だったんだな。

そこそこいいペースで来れていて、時間にも余裕がありそうだったのでめんたいパークに行ったり、今回初のカフェにも行ったりした。
カフェはインスタ映えしそうなこともあり、私たち以外の客はみんなドライブデートで来ていた。ヘルメットを腰にひっさげたヘトヘトの集団はかなり浮いていたが、琵琶湖を眺めながらのコーヒーは格別だった。
カフェに行ったがために坂を上って下りての繰り返しになってしまったが、許してほしい。

最後は彦根城に行った。新幹線の時間が18:00とかで、彦根城についたのが15:00くらいだったから、米原駅に向かう時間を考えても結構余裕があった。二日目にしてまともな観光ができてきて嬉しい。昨日はただ前を向いてひた走るのみだったから。

ちょうどグリーティングが始まる時間で、生ひこにゃんに会えたのが嬉しかった。普段そこまでゆるキャラに興味があるわけでもない私でも、動いているゆるキャラを見るとメロメロになってしまう。あの着ぐるみの可愛さの魔力はなんなんだろう。

ひこにゃんのお手振り

彦根城の桜も見事だった。ちょうど満開で最高。せっかくなので城の中までがっつり観光した。

おみやげは最後に買わないと荷物になるので、少し早めに米原駅に向かうことにする。とはいえ彦根城からはもう目と鼻の先。7kmは普段なら全然遠いんだけど、ここまで走ってきた私たちにはもはや誤差だ。

そしてとうとう出発地点米原へ戻ってきた。150kmの旅がついに終わる。
この新幹線が止まるわりに何もなさすぎる駅も、戻ってくると感慨深いな。…ん?何もない?
そう、米原には何もなかった。
特にお土産屋が一軒しかない上に、この日は定休日だった。どうなってるんだ?新幹線が止まるのに…?東京駅と新大阪駅と京都駅ばかり行くので分からないんですけど、どこもこんなものなんでしょうか?

文句を言っても店が開くわけではないので、キオスクと駅前のスーパーでそれっぽいものを調達する。自転車旅はあまり荷物が増やせないので、道中いいお土産があっても指をくわえて見送ることしかできないのが難点だ。結局何買ったんだっけ。全然思い出せない。すごく悩んだことだけ覚えている。

買い終わったら輪行して新幹線に乗車。間に合ってよかった。本当に…。1日目はどうなることかと思った。

なぜか毎回ハードモードになってしまう私たちのツーリングだが、終わってみれば今回も楽しかった。チャレンジしてよかったな。

あと、この日記を見てもらえればわかる通り、なぜか辛かったことのほうが記憶に残ってしまっている。
次こそトラブルがないことを祈るが、たとえ何度苦しんでもみんなこれからも一緒に行ってくれるといいな。呪いか?これ。

3. 後日

なんか足首が痛いかも~と思いながら帰ったら、アキレス腱を思い切り痛めていた。まだ体力残ってるかも!とかイキって向かい風の中先頭を引いてたのがよくなかったかもしれない。
整形外科に行ったら切れてはないけど炎症を起こしているらしく、アキレス腱がそもそも細いので入念にストレッチをするべきだと言われた。
アキレス腱が細いってデメリットしかなくない?なんかメリット知ってたら教えてください。

みんなはちゃんとストレッチをしてから走ろうね!
ビワイチ楽しかった!おすすめです!(※ただし強風でないときに限る)

めんたいパークでもらった折り紙
なんかやたらむずかった

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