わたしで最後にして: ナチスの障害者虐殺と優生思想/(著)藤井 克徳[要約,感想]

注意　虐〇、障碍者差別に関する内容を含んでいます
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T4作戦　ナチスの障害者虐殺はホロコーストに比べて知名度が低い

　ホロコーストと聞くとナチスのユダヤ人虐◯、と答えられる人がほとんどだろう。しかし、同じナチスの虐◯の作戦でも、T4作戦は知名度が低い。T4作戦について聞いて、なんのことなのか答えられる人は少ないだろう。ドイツ市民でさえホロコーストは知っていても、T4作戦は知らない、という人が多いとこの本には載っていた
　ナチスはホロコーストの前に、T4作戦という障害者を虐◯する作戦を実行していた。障害者はナチスのイデオロギーに基づくと、「生きるに値しない命」に分類され、優れた人種を選別し強い国を作るため、障害者に使われる税金を減らすため、等の理由で障害者虐◯が実行された
　どういう理由があれど、ナチスが無抵抗な弱者を虐◯したというの事実である。このことから、障碍者への「内なる差別」について、現代日本に住む我々は、考える動機が得られたと考えるべきかもしれない

内なる差別が表面化する　優生思想と相模原障害者施設殺傷事件

　誰もが普段口に出せない、障碍者への「内なる差別」が表面化したのがT4作戦である。相模原障害者施設殺傷事件を起こした植松聖(うえまつさとし)の主張と、T4作戦が実行された理由は、似通った部分がある。時代が違えば国ぐるみで差別意識は正当化されるということである

医者の人体実験への好奇心

　医師はヒトラーの命令を口実にして、かねてより関心のあった人体実験をしたかったとこの本にはある。殺害された障害者が罹っていた珍しい病気の脳や、内臓の標本になっている