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牧草牛と昆虫食の共通点

最近、牧草牛と昆虫食というキーワードについつい反応してしまう。
最初に牧草牛に出会ったのは、学生時代。森の手入れをするために、人が間伐するのではなくて、牛を山に放っている牧場があると聞いて、どんな場所なのだろうと気になり、一人で電車とバスを乗り継ぎ、片道3時間くらいかけてやっとたどり着いたのが森林ノ牧場。
そこには、牛たちはいなかった(笑)乳を搾る時以外は山の中を自由に登ったり下ったりしながら、もしゃもしゃ草を食べている。当たり前といえば当たり前…

がっかりしながら注文した直売所の牛乳とソフトクリームは、ほんのり緑がかった色味と、さっぱりとした味わいに、「特濃」牛乳好きだった価値観が、ガラリと変わった。「何を食べて育ったのか」で、こんなに変わるものなのかと。
ヘルシーで高タンパクな食材として注目されるようになった赤身肉も、草を食べて育ったお肉は、口の中がベタベタせず、血の旨味みたいなものを感じられて、これも美味しい。

世界の人口が2025-30年に入り、人口80億人を越えると、技術革新による生産性アップが、消費量拡大に追いつかず、肉が不足するタンパク質クライシスが起こると言われている。
我々にはNEW MEATが必要だ!と豆からつくるプラントベースドミートや、培養肉など、次々と新たな食材が開発されている。そんな中、10人中大体8-9人が、ぞっとした反応を示すのが昆虫食。

かくいう自分も一番初めに食べた時は、注射針を刺される直前のような気持ちで、えいやっと口の中に投入していた。未来の為に…と恐る恐る食べ始めてから分かったことがある。昆虫食はすごく安全安心な食材だということ。
樹液を吸って大きくなったアブラゼミはジューシーだし、竹の中で育つタケムシはさわやかな味がする。カイコは農薬がかかった葉っぱを食べると死んでしまうそうだ。
いわば、ネイチャーベースドミート。

忌み嫌われがち、ゲテモノ扱いされがちな昆虫を、新たな食材・食文化にしていこうと本気で取り組んでいるのが「シルクフード」と「ANTCICADA」。

シルクフードは、家畜として生産される量産能力の高さと、変態動物だからか機能性成分を持つ「蚕」に特化した、フードテックベンチャー。表参道にハンバーガーやスープ、スナック、シフォンケーキが食べられる実験店舗を今年の1月からスタート。
https://harumari.tokyo/33483/
(もちろんプレスリリースもあるのですが、こちらの記事の方が読みやすかったので引用させてもらいました。シルクフードはクラウドファウンディングも受付中です)
https://camp-fire.jp/projects/view/205741

ANTCICADAは、コオロギラーメンといった方が知っている方も多いかもしれません。数万匹のコオロギから出汁をとるコオロギラーメンの旨味は衝撃的でした。昆虫を食材として徹底的に向き合いフルコースに仕立てたお店を今年の春にスタートさせるそうです。
https://antcicada.com

ちなみに、カップヌードルミュージアムで若きしの安藤百福さんも、蚕やガマガエルが食品にならないか研究していたそう。
チキンラーメン並の食文化イノベーションが生まれそうな、今後の展開が楽しみです。

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