ぷらすけ

国立大学の文系大学生です。文化人類学を専攻してます。 いろいろ読みます。いろいろ書きま…

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国立大学の文系大学生です。文化人類学を専攻してます。 いろいろ読みます。いろいろ書きます。緑が好きです。

最近の記事

文化人類学生が、デザインリサーチやってみる~#0 どうしてやろうと思ったの?~

向こう4ヶ月ほど、僕たち文化人類学を学ぶ学部生が、デザインリサーチをやってみた所感を、note記事としてコンテンツ化することにしました。 今回は、その初回盤として、なんでやろうと思ったのか、思いの丈を綴りました。少し長いですが、最後まで読んでいただけると嬉しいです。 1. はじめにここ何年か、文化人類学が流行っているらしい。特に、HR領域とデザイン領域で注目されているとか。 文化人類学を専攻していると、 「文系の院進は就活からの逃げだから、印象良くない」 「理系に比べて全

    • 【農家ルポ】ISSUE 5.考える土

       佐賀との県境を、糸島側から望んで見える山々。その向こう側からニュウっと顔を出した入道雲は、7月の到来を告げる夏の代名詞だ。例年なら、ジメジメと肌にへばりつくような湿潤な暑さだけが煩わしい。しかし今年は、それに大雨が加わった。  昨年11月に取材した西さんのご紹介で、筑前高校の裏にあるフェルナンドさんの畑を伺った。取材日は例にもれず大雨。雑草のある畑は見慣れたつもりだったけれども、ここはとりわけ雑草がわんさか茂っている。雑草のくせに、どこか生き生きと、美味しいそうな佇まい。質

      • 【農家ルポ】ISSUE 4.土の中との対話

         糸島から車で40分、福岡市早良区を跨いだ先の那珂川市。蛇行しながら博多湾に注ぐ那珂川のほとりには、市役所や新興住宅地を傍に、田んぼや耕地が広がっている。指定の場所で到着の報告をすると、屈託ない笑顔で現れたのは、今回取材する坂井農園の坂井安奈さんだ。  敷地内に所狭しと並ぶハウスの横には、番犬のぽんすけ、撫でて欲しくて擦り寄ってくるから愛くるしい。農園主の達次郎さんは作業場でアスパラガスの出荷準備をしているところだった。手土産のお酢をお渡しして、早速お話を伺った。 年を超

        • 【農家ルポ】ISSUE 3. つなげる八百屋

           前原商店街の珈琲屋は、土曜日限定で一角に八百屋が出店している。八百屋の名前はすぎ○。最近は珍しい、出張販売の八百屋さんだ。 木箱や籠の中にはこだわりの野菜が青々と並んでいる。卵やドライフルーツ、ターメリックなど、野菜以外の品物も少々。  すぎ○に野菜を買いに来る客は、何も野菜に魅せられてやってくるだけではない。買ってきた野菜を十分に活かせなくて困っている消費者は、思いのほか多い。その野菜の特徴や食べ方を教えてくれるのが、すぎ○のオーナー、杉山さんだ。お客さんが野菜を選ん

        文化人類学生が、デザインリサーチやってみる~#0 どうしてやろうと思ったの?~

        マガジン

        • 玩味~生産者のルポタージュ~
          5本

        記事

          【農家ルポ】ISSUE 2. 濃厚な人の輪

          中村農園 2023年、年明け。筑後川の後背湿地に美味しい野菜を作る農家さんがいる、と兄貴分に聞いて中村農園を訪れた。初対面ということもあり、アップルパイを手土産にアイロンを隅々までかけたスーツを着て、考えられる限り万全の準備で臨んだ。  ガレージさながらのシャッターをくぐると、いわく“農家さんらしい”外観とは裏腹に、大きな一枚板のキッチンカウンターが併設された吹き抜けのリビング広がり、賑やかな話し声がしている。声の主は、中村農園オーナーの中村俊史さん(俊さん)と、舞子さん。そ

          【農家ルポ】ISSUE 2. 濃厚な人の輪

          【農家ルポ】ISSUE 1.トマトが輝かせるもの

          西農園のトマト 福岡市と糸島市のちょうど境目にある4棟が隣接するハウスの入り口には、トマトのイラストが印象的なモノクロのロゴが貼ってあった。  秋晴れの下、軽トラックに乗って颯爽と現れたのは、『Tomato Farm 西農園』を運営する、西正剛さんだ。西さんの作るトマトは、生で食べて美味しいものから、加熱して美味しいもの、観賞用のものまで、実験的に栽培しているものを含めれば16品目にも及ぶ。 西さんが作るトマトが美味しいことは言うまでもないが、驚かされるのは、トマトにかける

          【農家ルポ】ISSUE 1.トマトが輝かせるもの