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メトロポリスの片隅で

いけだたかし『34歳無職さん』①、会社都合退職した女性が一年間気ままに暮らそうと始めた生活。今秋から似た境遇になるのでどんな心持ちになるか予習として。常に節約意識、時々考え込み「ゴロゴロくらい気楽にしようや」と呟く。私もやりそう。こまめに掃除をしていて、ドキリ。見習いたいなあ。

いけだたかし『34歳無職さん』②、行間を描くのが上手いなあと思う。説明し切らず台詞を入れず、ただ絵だけで見せるのに心に迫る。作品からは離れるが、文字表現の場合も、言葉を駆使して何としても全て見せようとするとその時点でがんじがらめになってしまうのだと思う。言葉から離れ言葉で魅せる。

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いけだたかし『34歳無職さん』③、次第に彼女の過去が描かれる。だから家事が堂に入っているのか。でも筆者は決して大勢の中に彼女を置いたりはしない。私達が見せてもらえるのはあくまでも34歳で無職で独り暮らしな主人公の彼女だけ。組織にいても二人暮らしでも自分は一人。忘れないように。