曲射砲道

コーチ・フレイムヘッド(邦題:空に向かって撃ち放て!)②

コーチ・フレイムヘッド(邦題:空に向かって撃ち放て!)②

「どうかうちのコーチになってください!分寸曹長!廃部の危機です!」 「あぁぁぁぁ……」  肩の痛みが高まっているに相まってイライラしてきた私はインターホンを手に取った。 「よろしい、こんなに私をコーチに招きたいのなら、私と勝負しろ。もしお前が負けたらもう二度と来るな」  モニターの向こう、黒いポニーテール娘が映っている。「元気な笑顔」以外に取り柄がなさそうなアホ面している。 『……いいでしょう。でも曲射砲の試合は流石に……』 「心配いらん。だれでもできる競技、つまり睨

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コーチ・フレイムヘッド(邦題:空に向かって撃ち放て!)

コーチ・フレイムヘッド(邦題:空に向かって撃ち放て!)

 カブーム!榴弾が着弾し、土煙が舞い上がる。 『当ったーっ!時速40kmで移動する目標を、千里苑が見事に一発命中! さすが名門だけあり』  私はテレビを消し、疼く肩を抑えた。  無人機とミサイル技術の進歩により、曲射砲は戦場における戦術価値を失い、競技に姿を変え、今やゴルフと並ぶメジャーなスポーツだ。馬鹿けてる。安全な場所で悠長に狙っていれば誰だって当てる。机に飾った砲兵仲間との写真を暫く眺めた。軍役が私に残してくれたのは、顔半分の火傷と、気温に敏感な肩だけ。傷のせいで

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