断片メモ

夢の中へ

ありふれた歩道橋。
冬の始まり。

突然に全てを忘れてしまいそうになる。
起きた目的。出かけた目的。向かう場所。昨夜の夢。君を。僕を。昨日を。明日を。現実を。

そもそもそんなもの存在したのだろうか?

最後の息を吸い込むときには全部忘れてしまうのだろう。良いことも悪いことも。でもその直前まで一番良かったことと一番悪かったことだけ忘れてしまわぬよう。

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春夏秋冬

桜舞う川沿いの道。
急の電話で呼びつけた僕にバツの悪そうな君。
「友だちにトレーニングシューズ貸すの。それまで少し時間が出来たから」
僕は僕で春の匂いとこれから始まる新しい日常のことをぼんやりと考えていた。
友だちとの待ち合わせの時間を少し過ぎても帰らない君を愛おしく見つめる。ふと店の窓から入り込んできた風が君の香りを連れて僕の心をくすぐる。

夕暮れ時。
今日夏が始まった。
空にはすべての色があ

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