工藤啓

日本に300万人存在する死別・離別による独身者は、残りの人生をどう歩むべきか『没イチ』

日本に300万人存在する死別・離別による独身者は、残りの人生をどう歩むべきか『没イチ』

【レビュアー/工藤啓】 死別・離別による独身者人口300万人社会いま、当たり前のように傍にいるパートナーと、いつか別れのときがくる。そんなことは誰もがわかっている。ただ、それが本当に訪れることを前提に毎日を生きていない。 自分の命もいつか失うけれど、パートナーには長生きしてほしいと誰もが思う。その言葉の背後には、自分が逝くまではパートナーがいてくれて、その後は「相手がひとりで生きていくのもやむを得ない」という感情があるとしても。 日本には、40歳から59歳までの男女

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親も友達も趣味もない孤独な少女の運命を変えたのは、HONDAのカブでした。『スーパーカブ』

親も友達も趣味もない孤独な少女の運命を変えたのは、HONDAのカブでした。『スーパーカブ』

【レビュアー/工藤啓】 望んで孤立を、進んで孤独を求めたわけではない 父親を事故で亡くし、頼れる親戚もいない。そして母親が一枚のメモに残した「Bye」の文字。  突然、ひとりぼっちになった高校2年生の小熊。学校ではクラスメートが彼女のことを「親に捨てられた」とひそひそ話する。  両親無し 友達無し 趣味無し 私には何も無い 。 昨年度末、日本では孤立・孤独担当大臣が設置された。生きづらさを抱えるひとたちが孤立する問題に対しては、従前からさまざまな課題提起と解決のための

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「ただ対話するだけ」の精神療法が新たに生みだす問題解決の糸口『まんが やってみたくなるオープンダイアローグ』

「ただ対話するだけ」の精神療法が新たに生みだす問題解決の糸口『まんが やってみたくなるオープンダイアローグ』

【レビュアー/工藤啓】 精神療法オープンダイアローグってなに? オープンダイアローグと聞いて、「あぁ、あれですね。いま話題の!」というひとはまだ少ないだろう。 オープンダイアローグは、1980年代にフィンランドの西ラップランド地方にあるケロプダス病院で始まった。患者や家族から連絡を受けた医療チームが24時間以内に訪問し、ミーティングを行いながら症状緩和を目指す両方だ。(引用:時事メディカル) 精神療法のなかでも、非常に新しく斬新な手法であるオープンダイアローグは、私

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『無業社会 働くことができない若者たちの未来』

『無業社会 働くことができない若者たちの未来』

『無業社会 働くことができない若者たちの未来』 著者:工藤啓 西田亮介 出版社:朝日新聞出版(朝日新書) 発行年:2014年6月30日 --------------------------------------------------------  15~39歳で、学校に通わず、仕事もしていない「若年無業者」 2333人のデータから見える本当の姿とは  私の周りには、いわゆるニートやフリーターがいないので、想像力を働かせることしかできないのですが、仮に仕事をして

ナンパ師に学ぶ、人から信頼と自信を勝ち取る方法『ピックアップ』

ナンパ師に学ぶ、人から信頼と自信を勝ち取る方法『ピックアップ』

【レビュアー/工藤啓】 とにかく自分に自信がない 世界22か国で最も仕事に自信がない国、日本。 昨年2月にBUSINESS INSIDERが取り上げたのはLinkedInが発表した「仕事で実現したい機会に対する調査」だった。 今後の展望も、生活の先行きも、自分への自信も、とにかく数値は最低ランク。仕事については最も悲観的で自信がないことが明らかになってしまった。 若者への就労支援を行う認定NPO法人育て上げネットを通じて、無業の若者約2,000名への調査をま

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「たまには休んだほうがいいよ」周囲の助言が性的従事者の女性たちに一切響かない理由『東京貧困女子。』

「たまには休んだほうがいいよ」周囲の助言が性的従事者の女性たちに一切響かない理由『東京貧困女子。』

【レビュアー/工藤啓】 現在日本には数千兆円にのぼる個人金融資産があり、その6割を60代以上が所有している。その格差のツケを払わされているのは、若者たちである。 風俗や売春の利用者の多くは「中高年」。格差のウケを子や孫の世代に背負わせておきながら、学費のために性的奉仕をする女子大生に呆れ説教をする。 彼女たちの置かれた状況など知る由もなく。 社会構造が子どもたちの貧困を生み出している 上記の言葉は『東京貧困女子。』が読み手に投げかけるテーマです。身体と心を売ら

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なぜ、何のために働くのか。本書に記された「労働の本質」とは『働くということ』

なぜ、何のために働くのか。本書に記された「労働の本質」とは『働くということ』

【レビュアー/工藤啓】 自己責任という言葉の暴力 2000年代初頭、「ニート」という言葉が社会に登場した。 ニートとは、Not Employment, Education or Trainingの頭文字NEETをカタカナにした表現だ。 英国から輸入された「ニート」という言葉は、本来の定義をあっさりとスルーされ、「働く気のない怠惰な若者」としてメディアを通じて広がってしまった。 働くことも、学ぶことも、職業訓練を受けていない状態なだけにもかかわらず、意欲や根性問題に

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孤立する未婚無業者160万人。中年の止まりかけた時計の針を動かすのはひとのぬくもりだった。『俺はまだ本気出してないだけ』

孤立する未婚無業者160万人。中年の止まりかけた時計の針を動かすのはひとのぬくもりだった。『俺はまだ本気出してないだけ』

※本記事は、「マンガ新聞」にて過去に掲載されたレビューを転載したものです。(編集部) 【レビュアー/工藤啓】  日本には20歳以上60歳未満で未婚、無業、そして家族以外の人間とほとんど会話をすることのないひとが160万人存在することが、東京大学社会科学研究所の玄田有史教授の調査でわかった。 仕事を失うと孤立しやすく、孤立すると無業から抜け出しづらい。 社会関係資本と無業はポジティブフィードバックの状況にあるという考察もある。15歳から39歳までの若年無業者が注目される

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少年院に収容される”非行少年のエリート”と普通の子どもの本質的な違いは何か『ケーキの切れない非行少年たち』

少年院に収容される”非行少年のエリート”と普通の子どもの本質的な違いは何か『ケーキの切れない非行少年たち』

【レビュアー/工藤 啓】 少年院は閉ざされた場所ではない 「少年院に行ってみませんか」 コロナ禍以前、私は友人や知人に声をかけ、北は北海道から南は沖縄まで一緒に少年院に出かけていました。 「興味ないから」というひとはひとりもいませんでした。むしろ、明らかに超多忙なひとたちが、無理やり時間を作り、自費で新幹線や飛行機に乗って少年院に来てくれました。 そして多くの人が、実際に少年院の内部や少年たちを見て、「自分にできることはないだろうか」と一緒に考えてくれました。 こ

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平凡な脇役・鈴木と佐藤に学ぶ、天才と肩を並べる「凡人の生存戦略」 『DAYS外伝』

平凡な脇役・鈴木と佐藤に学ぶ、天才と肩を並べる「凡人の生存戦略」 『DAYS外伝』

すごい誰かとすごくない自分 Twitterを眺めていると、到底たどり着けない深みのある言葉に出会います。いったい何を食べたらこういう表現を生み出せるのかと、自分にがっかります。 同じ現象を見ているはずなのに、思いもよらない角度から鋭い考察を突き刺すひとを目の当たりにします。その発想の源泉はどこで育まれるのかと、自己嫌悪に陥ります。 43歳にもなると、「これだけ年上だったら仕方がないよね」という言い訳もできず、才能ある10代、20代の行動が目から脳に流れ、いままで何を

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