喪に服したいけど、喪服がないっ! 〜祖父の大往生2021〜

祖父が亡くなった。 「いつ呼吸が止まってもおかしくない」と叔母から電話があり、三日前にお見舞いへ行ったばかりだった。 お見舞いといっても、祖父は外せない酸素マスクの下でモニャモニャと口走り、ごろごろと寝返るだけで。二重に鍵のかかった病室、ミトンをはめられた手、マスクで擦れて赤くなった鼻の下を見ていたわたしは、ああ、ついにこの日がきて、きっとよかったねと思った。 祖父は岸田家のなかでも、いちばんしんどい人生を終えたと思う。

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