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鬼の果ての 駆け降りたる山城の 夕日はとうに暮れ 獣の如く波打つ背に 蓬髪踊りしが 今は静まりぬ 黒く汚れたるつめ先の 赤児のぬくさ 名残り惜しむ間もなく いのち虚しく散りゆき その白く濁りし眼孔 なんぴとも映さず ただひたすらに濡れそぼる頬 拭わぬままざんぶと 滝壺の雫となりぬ