交遊記

そんとくさんとあっけらかん(損得さんと呆気羅漢)Pt.13

{続き}

くすっと笑うお母さんもいました。
”呆れた~”と云った顔を見合わせるお母さんも、
嬉しそうな顔をする人も、
教室を出るとき「私もですよー」と声掛けていく人もいました。

そんとくさんは 校門を出ると、
振り返り振り返り 得江さんの前を歩いて行きます。

「お母さん 恥ずかしい?」そんとくさんは聞いてみました。
「ううん~ちーっとも」 得江さんはニッコリしました。
(よかった)そんとくさ

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ありがとうございます ♡
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そんとくさんとあっけらかん(損得さんと呆気羅漢)Pt.8

そんとくさんと羅漢ちゃんは、毎日一緒に遊ぼうというほどの仲良しでしたが、
そんとくさんはお店の忙しくなる時間、お手伝いをします。
「誰か雇って手伝ってもらったらいいやん」とそんとくさんは訴えるのですが、
お父さんの損哉さんは「そんな勿体無い」と言うし、
お母さんの得江さんも「家族で商いするのが一番得や」と言って聞いてくれません。
だから、「そんとく! 手伝ってや」と声がかかると渋々とお店に出て行く

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嬉しい!!です
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そんとくさんとあっけらかん(損得さんと呆気羅漢)Pt.7

それからしばらくの間、転校生ブームは続きました。

ちらほらと女の子たちが近寄って行きました。
時には2~3人、 時には5~6人、
「この鉛筆ケース 可愛ー」
「この手提げだって 刺繍入りやん」
「見て見て・・・あっちも こっちも…」
「すごいな~ いいな~」

わいわい わいわいと 休憩時間になる度に
女の子たちは寄って来ます。
転校生は 迷惑そうにわらいます。
何も言わず襲撃の遠のいて行くのを

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今、この時、この瞬間
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そんとくさんとあっけらかん(損得さんと呆気羅漢)Pt.6

(そんや そんや 何であんなうちの子なんやろ)
(そんや そんや 何で座布団で 蛍光灯何んや)
(何で畳で 襖なんや)
(何で?何で? 何であんなうちに生まれたんや)

そんとくさんは「ただいま」とも言わず奥へ入ってしまいました。
火山が噴火して溶岩が流れ出し、ぽんぽんと岩石が飛んできます。
もくもくと起ち上がった噴煙が家中に拡がって行きます。

皆危険を察知して 沈黙しています。
その日の晩ご飯

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嬉しい!!です
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損得さんと呆気羅漢 (そんとくさんとあっけらかん)Pt.4

得江さんは時々、残った野菜、元気が無くなってきたようなお野菜を、
お寺の弁天さんに持って行きます。
弁天さんは「いつも有難うございます。」と言いながら、
少し萎びたお大根や人参を、大切そうに頂きます。

「いいえ~、こんなもんですんません・・・。」と言いますが、
帰りはにこにこ顔をほころばせ、(なんか、偉なった気分やね~)と思いながら、ほくほくとして家に帰って行きます。

その晩は、そんとくさん家

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ありがとう
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損得さんと呆気羅漢 (そんとくさんとあっけらかん)pt.3

お寺だから、時々お葬式に呼ばれます。
家族から伝えられる言葉を、最初に聞くのは弁天さんです。
つらいです。 何と言っていいのか、
何度同じ瞬間をたどっても、弁天さんは言葉を見つける事が出来ません。

菩薩さんはお風呂に入り身を浄め、
袈裟をまとって出かけて行きます。

見送った後、弁天さんはお花を見て廻ります。
花壇の前で身を屈め、ぼーっと風に吹かれます。
残った者が悲しいのです。
残された者が淋

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えん・円・縁 ♡感謝
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そんとくさんとあっけらかん(損得さんと呆気羅漢)pt.2

損哉さんは時々お寺にやって来て、菩薩さんと本堂の縁側でお茶を飲みます。
お父さんたち二人も幼なじみなのです。
庭を見ながら損哉さんは「ここに種蒔いて野菜作ったら、ぎょうさん採れるやろな」といいます。
菩薩さんは「そーやな」とにこにこします。
「ほんま、もったいないなー」腕を組んで庭を眺めます。
菩薩さんも庭を眺めます。

菩薩さんは知っているのです。
損哉さんのお父さんが亡くなった時、お母さんが亡

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出会えて良かった☆会えて良かった ♡
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そんとくさんとあっけらかん(損得さんと呆気羅漢)pt.1

二人は幼なじみです。
あっけらかんは、小さな街の小さなお寺の子供です。
そんとくさんは、そのお寺の隣にある小さな八百屋の娘です。
街の人はあっけらかんのお父さんを菩薩さんの様だと言い、
お母さんのことを弁天さんの様だと言います。

仏さんと神さんが一緒に住んでおられるありがたいお寺なのです。
あっけらかんにも難しい名前があるのですが、いつもあっけらかーんとしているので、
いつの間にかそう呼ばれるよ

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今、この時、この瞬間
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