ホテルパルプ

ザ・コンシェルジュ

ザ・コンシェルジュ

ヴィクトリア調の絵画と調度品が並び、淡い照明がシルクの赤絨毯を照らす、ハイソサエティ・ホテルの廊下を、わたしは早歩きで進む。 ウールのダークスーツにシルクのネイビー・ソリッドタイ、リネンのチーフが乱れていないか気にしつつ、足元のオックスフォード・シューズにも器を配る。 わたしはコンシェルジュ。ホテルの顔だ。 いつ如何なるときも、身だしなみに気を配らねばならない。 内ポケットからスマートフォンを取りだし、『確認』をする。お客様は1202号室。元某国諜報員崩れの武器商人、通

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