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アメンボさんと初恋

小学4年生の夏、徳島大学の児童研究部の学生が私の村にやってきた。
近所の公民館の部屋を借りて、総勢10人位の大学生達と我々小学生達が一緒に遊ぶことになった。小学1年生から6年生が縦割りでグループに分かれた。部屋の中で工作したり、外遊びをしたり、よく覚えていないが楽しかった。
今は大学生の顔も忘れてしまったが、印象に残っている男の大学生が2人いた。
1人は私のグループ担当の面白い顔をした男子大学生だ。彼のニックネームは忘れてしまった。彼はグループの可愛い顔をした小学2年生の女の子を寵愛していた。そして可愛い彼女を「おしとやかで可愛いなあ」と褒めた後、必ず私に対して「君は男の子みたいでキツい」みたいな感じでいじってきた。私もその挑発に乗ってすぐさま言い返し皆の笑いをとっていたような記憶がある。
もう1人印象に残っている男子大学生がいた。彼のニックネームはアメンボさん。他のグループ担当だった。物静かでスラッと背が高かった。何故かいつも私はアメンボさんを見てしまっていた。もしかすると私の初恋の相手はアメンボさんだったのかもしれない。
面白い顔をした彼もアメンボさんも今は65歳位なんだろう。お二人とも元気で幸せで暮らしていて欲しいと思う。


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