見出し画像

家の建て替えで仮住まいした家の思い出

13年位前に家を建て替えた。古い家を取り壊し新しい家を建てる期間、5ヶ月くらい近所の一軒家を借り住んだことがある。1階の間取りが不便だったが、2階は窓がたくさんありベランダが妙に広く明るい部屋だった。その2階の一室で家族5人布団を並べて寝ていたのが懐かしい。

ある日の夜寝ていると天井のあたりをパタパタと何かが飛び回っている。何だろうと電気をつけて見るとコウモリだった。昼間はどこかで静かにしていたが、夜行性の彼は夜中元気に飛び回っていた。コウモリは電気をつけると大人しくなり再びどこかへ行ってしまった。いつの間にか電気をつけたまま寝てしまった。そんな感じで毎日が過ぎていたがだんだんと夜コウモリが飛び回ることがなくなってきた。

ある日仕事から帰り、2階へ行こうと階段を上がっていると階段の一番上に小さな何かが横たわっていた。コウモリだった。栄養不足か高齢か原因は分からなかったがコウモリは階段の一番上で死んでいた。裏庭に埋めてやった。

今仮住まいしていた家は取り壊され新しい家が建っている。前を通る度に家族5人で暮らした仮住まいの日々を思い出す。そして今も庭に埋まっているかもしれないコウモリのことを想う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?