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家族

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#兄

私のもう1人の兄か姉

私のもう1人の兄か姉

私には8歳上の兄と6歳上の姉がいる。私は歳の離れた末っ子だ。母は兄と姉を産んだ後、私を妊娠する前に一度妊娠したらしい。しかし次に診察に行った時には赤ちゃんはいなくなっていた。私はその話を聞いた時、自分が消えて無くなるような恐怖に襲われた。その赤ちゃんが産まれていたら、きっと私は産まれることはなかっただろう。

今も時々私のもう1人の兄か姉を想うことがある。今は恐怖を感じることはないが、彼か彼女のた

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最高に楽しかったエイプリルフールの思い出

最高に楽しかったエイプリルフールの思い出

生涯で一番楽しかったエイプリルフール。あの日私は何歳だったんだろうか。小学5
年生くらいだったような気がする。その日は兄が帰省していた。4月1日朝から兄と
私は隙あらば嘘をつき、相手をどれだけ騙せるか競い合っていた。たまには嘘みたいな本当のことも言ってフェイントをかけたり、相手が油断しているのを見計らって嘘をぶつけたり…

とにかく飽きもせずに深夜零時を過ぎるまで兄と私は嘘をつき続けた。

あの生

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積み木の思い出

積み木の思い出

子どもの頃は積み木でよく遊んだ。我が家の積み木は正方形の小さな積み木だった。全ての積み木の一つの面にはひらがなが書いてあり、他の面にはそのひらがなが一番前にくるものの絵が描かれていた。他の面には煉瓦の模様などが描いてあった。

その積み木は多分長男として生まれた兄の誕生祝いだったと思う。母方の祖父からプレゼントしてくれたものだ。

私は子ども時代、兄や姉と毎日のように積み木で遊んでいた。兄妹で一番

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ビックリのトラウマ

ビックリのトラウマ

私が小さな頃、家のお便所は庭にぽつんと建っていた。夜中に目が覚めてお便所に行きたくなるとモチモチの木の豆太とじさまみたいに母を起こして一緒について行ってもらった。

その後古いお便所とお風呂は取り壊されて新しいトイレとお風呂ができた。新しくはなったが家の外へ出て庭を抜けて行くことに変わりはなかった。

夜トイレに行くため庭を歩いていると時々暗闇から兄がものすごく大きな声と共に飛び出してくる。心臓が

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