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名刺を作り、渡す。ということで伝えたい法人からのメッセージ

一般企業だと当たり前かもしれないが、医療介護福祉業界においては当たり前でないことも多々ある。僕はその一つに社員に名刺を作るかどうかも含まれていると思う。

僕の知人が研修会に参加した時に、その場で出会った介護職に、紙で自作した手書きの名刺をもらったというエピソードを聞いたことがある。

実際に、自分のまわりの介護職でも名刺をもらったことがないという人も多くいる。

「なんだ名刺か~。」と思われるかも知れないが、僕にとって社員に名刺を渡すということはとても重要な意味をもつと感じている。

今回の記事では、僕が名刺に対して、どのような意味づけをしているかについてまとめておこうと思う。

名刺を作らないことでの悪影響

名刺をつくることで、コストがかかることは明白である。紙質まで拘ろうとすると、業者に頼まざるを得ない。100枚で2500円程度かかってしまう。

そして、名刺に必要な個人情報をお聞きすることも必要で、その内容を業者のお伝えして入稿するまでの作業負担がかかる。名刺がなくなれば、また業者に入稿をお願いしなければならない。

上記の金銭的、作業負担的コストが事実としてかかるため、法人としてどう考えるかであろう。

ただ、冒頭に記述したエピソードのように、従業員が研修会に自作した手書きの名刺を関係先に渡していたらどうだろうか。その名刺をもらった方は、どのような印象となるだろうか。

そして何より、自作の名刺を渡すしか選択肢ししかない従業員の気持ちはどうだろうか...

もしかすると、法人への帰属意識が弱まる1つの要因になり得る可能性があるのではないかと思う。

いろいろと考え方はあるかもしれないが、僕はコストがかかったとしても法人として、名刺を渡したいと思っている。

名刺で感じる所属するという感覚

名刺によって、どこに所属していて、どのような人なのかが分かる。僕はどこに「所属」しているかが明確に分かるという点がとても大事だと考えている。

法人は、組織というコミュニティに「あなたは所属してもいいよ」ということを決定できる権利を持っている。法人に所属できたという感覚は重要なのではなかろうか。

僕自身、始めて就職した法人で名刺をもらった時は、「あ~、社会人になったな。」「法人の一員として頑張っていきたい」と感じたのを覚えている。

今までのどのようなコミュニティとも違う、新たなコミュニティに、1人の人として承認されたという感覚になったのだと思う。

新卒入社した会社で名刺をもらい、家族に「会社の名刺もらったよ」と渡すことができた時は、なんとも言えず、大人の階段を登った気がした。

新卒で名刺をもらえていないというのは、この感覚も味合うことができていないということである...

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先日、暮らりの名刺をデザイナーに作成してもらった。

そして、暮らりの立ち上げに関わってくださる方々に名刺を作成しようとすると、非常勤で関わってくれる方から「私のも作ってくれるのですか?」と言われたのを覚えている。

きっと今までの経験から非常勤と常勤(正社員)境目を決めつけてしまっていたのだと想像する。しかし、雇用形態は、法人への関わり方の違いなだけである。

非常勤であろうと常勤であろうと全く関係ない。暮らりの一員として、名刺をお渡ししたいなと僕は思う。

名刺を作り、渡すことで送りたいメッセージ

人は、家族や仕事場などあらゆる環境に支配され、役割を担いながら生きている。

お母さんとしての「わたし」、子どもとしての「わたし」、父親としての「わたし」、職業人としての「わたし」...

つまり、同じ人であっても、環境に合わせて色々な役割を演じているということである。人は環境により役割が生まれ、その環境や役割で苦しむ人も多くいる。

暮らりに就職してくれる人には、誰の人生でもない、自分の人生を生きて欲しいという思いがある。

暮らりで働くということは、従業員としての役割を担うことになるかもしれない。日常においても、様々な役割があるだろう。しかし、それらの役割も含めて「あなた」と働きたいと思っている。

日常に様々な役割があるということは、仕事外のところで体調を崩したり時間の調整が必要なことがある。このような状況になると、従業員としての役割を演じる時になにかしらの悪影響がでてくるだろう。

しかし、それも含めて「あなた」である。

だから、暮らりでは、仕事外での出来事も含めて一緒に考えていく必要があると考えている。

少し話が脱線したように思えるかもしれない。

法人として、名刺を渡すという行為は、「あなた」が今どのような役割を担っていようと、その役割を含めた「あなた」を受け入れました。というメッセージなのだ。

ただの雇用関係で働いて欲しいというわけではなく、暮らりに関わってくれた人が、これからの人生を歩んで行くうえで、少しで有益だったと感じてもらえるようなかかわりをしたいのである。

仕事外のことも含めて、従業員のこれからの人生に一緒に向き合うということは口で言うほど簡単なことではない。

だからこそ、他ではなく、ここ(暮らり)で働きたいと思ってくれる人で、法人としても、この人の人生に責任を持ちたいと思える人と関わりを持っていきたいと思う。

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暮らりの名刺のデザインをしてくれたのは、「パンパカンパニ」というデザインユニットです。

依頼者である僕の意見をゆっくり丁寧にヒヤリングをして、カタチにしてくださいました。

素晴らしいデザイナーさんなので、デザインにお困りの方はぜひお問い合わせしてみてください。


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