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『ダンキラ!!!』のおぼろ君が好きすぎておしるこについて調べたら泣きそうになった

「おしるこ」「ぜんざい」の違いをご存じだろうか。

「あんこに餅を入れた料理」という定義はどちらも共通で、地域による呼び方の違いにすぎない。
『日本大百科全書(ニッポニカ)』によると、関東では汁粉、関西では善哉(ぜんざい)と呼ばれている。

なぜこんなことをいきなり語り始めたのかというと、推しの好物だからだ。

少年ダンサー育成ゲーム『ダンキラ!!! - Boys, be DANCING! -』に登場するダンサー、霧山おぼろ君。
作中では紙パックのおしるこをすすっているイラストが登場し、Twitterで連載されたマンガ『ひとくちダンキラ』では好物のおしるこをもらって喜ぶ様子が描かれている。
先日発売された公式設定資料集ではとくに触れられていなかったが、好物であることは間違いなさそうだ。

推しの好きなものについては知りたくなるもので、気づけばおしるこの由来について調べていた。
冒頭で述べたうんちくも、そのときはじめて知った内容だ。

おしることぜんざいは広義には同じもの。
「汁粉」は字面からなんとなく語源に想像がつくが、「善哉」とはいかに。
そこで由来を調べてみると、こんなことがわかった。

「実によい、そのとおりである、の意で、相手をほめたたえる語。特に、師が弟子に賛成・賞賛などの意を表すときに用いる。よきかな。」
(小学館 デジタル大辞泉より)

師匠が弟子をほめるときの言葉、だと……!?

おぼろ君は幼少期から源覚心流武術の道場に通い、稽古に励んでいる。
師範代は幼馴染の源光国
自分に自信がないおぼろ君を、光国はいつもポジティブな言葉で励ましている。

つまり善哉……おしるこは光国からの賞賛そのものでは。

これは完全に妄想であるのだが、もし道場の稽古の後に「よくがんばったな!」とおしるこを手渡され、一緒に味わっていたのだとしたら。
おしるこの甘い香りと思い出が強く結びついて、好物になっていたのだとしたら。

想像しただけで溶けるありがとう。


ちなみに嗅覚と記憶には一定の関連性があることが研究によって証明されている。
これは「プルースト現象」といい、特定の匂いをかぐことでとある記憶が想起される。
食品の匂いは記憶と結びつく割合も比較的高く、その食品を前にしたときの記憶を思い出しやすい傾向にあるそうだ

参考:「においによる自伝的記憶の無意図的想起の特性: プルースト現象の日誌法的検討」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcogpsy/6/1/6_1_65/_pdf


さらに道場とおしるこのつながりについて調べると、これまた無関係ではないことが発覚。

日本全国の道場では正月明けに鏡開きをする風習があり、門下生たちにおしるこがふるまわれる。
もともと武士の習慣であった鏡開きは、戦の勝利や無病息災を願う行事。
この習慣が現代まで受け継がれ、剣道などの道場で鏡開きが行われているようだ。
源覚心流武術も剣術の流れを汲んでいるため、正月明けはみんなでおしるこを食べているのかもしれない。

ここまで沼を掘り進めることができる『ダンキラ!!!』、おそるべし……。

そんなとりとめもないことを考えているうちに一日が過ぎていく。
外出がしづらい日々が続くが、推しのおかげで当分飽きることはなさそうだ。

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