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お笑いへの想い。

先日Twitterに投稿した呟きのことについて書きます。

https://twitter.com/hase0616/status/1152841660088274944?s=21

伝えたいことは伝えたし、この話題が長引くことは人を笑わせる邪魔になるので、もう終わらせたいのですが、発信してしまったからには140文字に書ききれなかった考えをちゃんと伝えて終わりにしたいと思いこの文章を書いています。伝えたいことが伝わった人、全然違う取り方をしている人、様々な方がいます。それが文章だと思うので発信した時点で全員を納得させることは諦めていますが、伝え方が足りない部分を捕捉しておきたいなと思いました。それが発信した者の責任かと。

まずはじめに理解しておいてほしいことは、事務所を辞めてフリーでやっているからといってリスクがないわけではないということです。

四年かけて培ってきた信用を一気になくしたと思います。なにがあっても直向きに前だけ向いて頑張ってきたイメージが過去の不満を言うやつというイメージに変わった人もいるかもしれない。仲良くしていた吉本の先輩後輩にも嫌われたかもしれない。仕事をくださっていた社員さんとも、もう仕事ができないかもしれない。暴露するやつというイメージがついて他からの仕事も来なくなるかもしれない。

あと、普通に得がないです。でも、伝えたかった。何故そこまでして伝えたかったかは後で書くとして、そもそもこの話題は吉本興業の所属芸人が、振り込め詐欺集団のパーティーに出て金銭を受け取った、いわゆる闇営業問題でした。それが「パワハラ経営者問題」にいつしか変わった。本当の問題は、反社会的勢力から金銭を受領したこと。
議題がころころ変わり、宮迫さんと亮さんの会見を観た後に発言した芸人達のコメントも色々な立場からの意見の為それぞれの考えと違う考えを非難したりする変な事態になっていました。僕は、芸人みんなが声を上げる必要はないと思いますが他の芸人の意見を否定する必要もないと思いました。みんながそれぞれ自分のスタンスを取ればいい。それくらい複雑な話だと思います。

僕が伝えたかったことは、この機会にもっと芸人が表現をしやすい環境になれるんじゃないかということのみです。その為には、日本一のお笑いを作っている会社が良くならなければいけない。なので、ツイートを見たテレビ局の方から来たニュースへの出演依頼や、取材。ツイートをニュースで使っていいかなどは全て断りました。ニュースの内容は、社長の会見についてや宮迫さんと亮さんの会見について。僕はお笑いの未来の話をしたいのですが質問は圧力をかけられたことへのみ。だとしたら僕が意図していない使われ方をされてしまうと思ったのです。なのに、僕の暴露がテレビに出て更に吉本が叩かれるのは不本意なので。

ここからが本題です。僕の伝えたかったこと。暴露をしたかったわけではありません。書いた圧力の話は、昔の芸能界ならよく聞く話。吉本だけじゃないと思います。芸能界の謎の暗黙のルール的な。そこに可愛そうとか苦労したんだねとか思ってもらう為に書いたわけではないのです。あの文にも書きましたが、僕たちコンビは頭がおかしいので圧力になんとも思ってません。ドMなので逆にワクワクしました。だから、まず恨んでもいない。なんなら、社員が全員味方じゃなくなる状況って僕たちコンビが確実に会社内での動き方を失敗していますからね(笑)単純に僕たちが会社に合っていなかった。だから退社を考えたわけです。なので、問題はここです。頑張って12年間同じ会社でやっても結果が残せなかった時、真剣に考えて人生をかけて選択した退社。なのにマニュアルのような圧力の話しかしてもらえなかった。そうじゃなくて、ちゃんと聞き入れて一緒になってちゃんと話し合える環境を作っていったほうがいいと思うんです。まあ、僕たちの場合は、その話し合える関係性を社員と作れていなかったというのもあります。なので、僕たちは別にあの時のことに文句があるわけじゃないんです。僕たちみたいな頭がおかしい芸人じゃなくて、これからちゃんとした芸人が色々な決断をした時に話し合い受け入れたりサポートしたりできる事務所であってほしい。それは、吉本だけではなく芸能界全体にそう願います。芸能界だけではなく日本全体かもしれない。

ギャラとかはどうでもいいです。事前にわかっていて吉本入ったはずです。たくさん欲しけりゃ売れればいいだけ。もらえなくて辛いなら辞めればいいだけ。未払いのやつがあるなら嫌われるの覚悟で社員にしつこく連絡すればいい。それがエピソードトークにもなる。それも嫌なら初めから色々な事務所のギャラを調べて選べばいいんです。

そこではなく根本的に変えなくてはいけないのは、基本的にはテレビに出ないと食っていけないということです。最近は、テレビに出ないで舞台で食べていきたいという若い子も増えてきました。

純粋なお笑い番組も減り、子供のなりたい職業トップテンにもはいらなくなったお笑い芸人。 しかし、お笑いという文化が確立されてたかだか90年程度。テレビのお笑いタレントのカタチになって50年程度。型にはまりすぎた芸は勿体ない。 まだまだ発展途中のジャンルなはず。ドリフターズ、ひょうきん族、シティーボーイズ、ダウンタウン、ラーメンズ、、、先人たちが作ってきた新しい笑いの カタチ。それはまだまだ開拓できるはずです。今の若手は決められたカタチの中で新しいことを作ろうとしています。

まだまだ新しい表現はあります。演劇界もこれくらいの時期に劇場をつくるものや新しいフォーマットを作るものが現れたと聞きます。 もっと自由な芸人が出てきてどんどん枝分かれしていったほうが面白い。

ゴールがテレビと賞レースしかないという一本しかない枝を裂いていけたらいい。

芸人人口が年々増えています。なのに出れる番組は減っています。

「お笑い」っていうのは、もっと可能性のあるものなんじゃないかと思っています。だから、僕は演劇やアートから手法を盗んでお笑いに混ぜて化学反応を見て実験を繰り返しています。
何故それをみんながしてこなかったか? それはお笑いが他のジャンルとの関係を鎖国してきたからです。その中で出来上がった感覚が「お笑いが1番オモロイ」です。でも、実際他のジャンルを色々と見に行くとお笑いはダントツで成長が止まっています。そりゃそうです。他のジャンルを観に行って勉強してないのだから。更にそれだけではなく「お笑い芸人」という謎の定義から外れると批判する輩も多いのです。でも、その鎖国のおかげで笑いのテキストは相当なレベルまで進化しています。みんな戦わされてきたからです。負けたら仕事がこないのです。だから、戦わなくなった僕なんかがどうこう言えないところまでテキストは成熟してきています。だからこそ、その先に行ける気がするのです。今の若手はyoutubeなどでどんどん先輩のネタが観れる。だから技術だけが向上していく。でも、それは笑わす部分だけです。そこに演出や他のジャンルのテクニックを笑いに昇華したものが入ったらもっともっと面白い。

お笑いの舞台はまだまだこれから進化していきます。海外でウケる舞台ももっと作れるはずです。笑いで辛い日本の歴史などを紹介する作品なども作れるはずです。

その為には他ジャンルと交流できて実験できる土壌が必要なんです。必ず近い未来お笑いの舞台は、まだ観ぬカタチに進化します。それも色々なカタチに枝分かれして。

もっと自由にやれて、なにかの目を気にするんじゃなく。芸人一人一人に合った表現ができる環境がもっと増えていけたらなと思っています。

吉本は、芸人が舞台だけでも食えるようになれる唯一の事務所です。今もたくさん新しい笑いの在り方を模索している唯一の事務所。だからこそ、この機会に膿を出して、もっともっと芸人が表現しやすい場を作っていただきたくあのツイートを書きました。

事務所を辞めた芸人が大きなお世話だろと思う方、売れてもいない芸人が何を偉そうにと思う方がいるかもしれません。でも、僕は本気でお笑いの未来を考えて常に動いています。僕のやっている間に変わらなくても1ミリずつでも変えていけたら未来が変わるはず。もっとお笑いでワクワクしたいんです。笑いたいんです。その為には今笑えなくても逃げずに改善をしていくべきだと思います。

最後に
ツイッターで、何故圧力をかけられてまで吉本が好きなのかという質問がありましたが、それは18歳で入って青春が詰まった場所。僕を作った場所だからです。感謝するのは当たり前です。うまくやれなかったのは自分の実力のなさです。あと、凄く良い社員さんもたくさんいます。でも、大きな会社なので嫌な社員もたくさんいます。だから、良い思い出も悪い思い出もあるだけです。それはどこの会社だって社会だって一緒だと思います。だから、今でも好きな会社で感謝しています。

長文読んでくださりありがとうございました。結局文章なのでこれでも書き足りない伝わらない部分あると思いますが、これでこの件についてはおしまいです。今後は僕の行動を見ていてください。お笑いの在り方を、文化をもっともっと良いものにできるよう微力ながら突き進んでいきます。そして、そのトップをこれからも吉本が突き進んでくださることを願っています。

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