長谷川 漣

1976年生まれ。本とマンガをこよなく愛す。大学卒業後、高校教師を5年間務めた後、会社…

長谷川 漣

1976年生まれ。本とマンガをこよなく愛す。大学卒業後、高校教師を5年間務めた後、会社員生活を経て現在は学童保育に勤務。そのかたわら執筆活動にいそしむ。自称「芸術にその身をささげた元社会科教師」。もしくは「北関東のトム・クルーズ」。

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ある就職浪人の哲学的対話

 大学を卒業して就職浪人していたころの話。同じく就職できずに大学院に進んだ友人と仙台市内をドライブしていた。市内で一番大きな四つ角に停車した際の会話。私が 「こいつはまさにヒューマンスクランブル!(『人間交差点』弘兼憲史著より)。」 と、つぶやくと、 「僕らは今日も信号待ちさ。」 と、友人。 今思い返すとなんと親不孝なダメ学生だった事か。とても両親には聞かせられない。ただ、この友人、単なるダメ大学院生ではない。ドライブつながりで別の話もある。ある日、市内をドライブしていたら、

    • 愛と嫉妬

      「みんな、いきなりだけど堕天使ルシファーって知ってる?」   「何それ知らない。」   「うん、結論から言うと悪魔の事なんだよね。別名サタン。悪魔つまりサタンのもとの名前が大天使ルシファーなんだ。何故、大天使が悪魔になってしまったか?かいつまんで話すね。ルシファーは元々は神の横に立つ事を許された最も強く美しい大天使だったんだ。ところがある理由で彼は神に背き、全天使の三分の一を率いて神に挑んだ。結果、神の軍勢に敗れたルシファーは地上へと堕とされる。ここから来ているのが堕ちた天使

      • みにくいアヒルの子

         先日友人とかわした会話。   私「マウントを取ろうとする行為の背景にはコンプレクスつまり劣等感があると俺は見るが如何?」   友人「まさにその通り!」   私「俺の知人で、その人も俺同様ドロップアウトしたクチで、今小さな会社に勤めてんだけど、その人、高学歴過ぎて周りから浮いちゃうんだって。」   友人「ふむ。ありがちな話だね。」   私「その人は普通に働ければいいと思ってんだけど、周囲は常にその人にマウント取ろうと躍起なんだって。その人は、正直どうでもいいんだけど面倒くさい

        • ロゴスを獲得せよ!

           日本人って女性的な民族だよな~と思うようになって久しい。無論、何をもって男性的、何をもって女性的とするかによるのだが・・・。    私の見解はこうだ。    理性・論理で象徴されるのが男性、これに対し、感情・情緒で象徴されるのが女性と定義してみる。すると私の目から見て、日本人は、本来、理性や論理で象徴されるべき男性であってさえ、非常に感情的だし情緒的だ。論理や理性で判断すべき事柄を“なんとなくみんなが丸く収まればよし”とする。非常に情緒的・感情的だ。そこに合理的・論理的判断

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        ある就職浪人の哲学的対話

          自分再確認

           「あ~心に愛がなければスーパーヒーローじゃないのさ!キン肉マンGo Fight」    どう言うわけか、昨日ブログに載せた『キン肉マンGo Fight』のサビの部分が私の頭の中で響いた。空耳と言うやつだ。何故この楽曲が私の中で響くのかちょっとピンとこない。誰かが私のことを思って歌ってくれているのなら、正直それはそれで微妙な気分だ。    私の心の中に愛があるかないかは、そりゃ他人の評価するところだ。ただし私にも言い分はある。お前らのように薄っぺらい愛とか、厚かましい愛じゃね

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          子供らしさとは

           先日友人3人でカラオケに行った。そこで私は『キン肉マンgo go fight!』と『宇宙刑事ギャバン』を歌った。どちらの曲も私が小学生低学年の頃に流行った曲だ。以下に参考までに。    (14) 【歌詞付き】 キン肉マン 9曲 【作業用BGM】 - YouTube (14) 宇宙刑事ギャバン( 21st century ver.) - 串田 アキラ 歌詞付き 高音質 高画質 - YouTube      これに対し、私は以前勤めていた学童でヨアソビの『夜を駆ける』を「これ

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          揶揄されているうちが華

           職場の学童で、周りからよくイジメられる。と言うか仲間外れにされる児童がいるというので、その子の様子を観察してみた。すると解ったのだが、その児童はよく他人を馬鹿にする。かくいう私に対してもその児童は馬鹿にした態度をとる。私が職務上よろしくない行動をとったりした際、その子は本当に憎たらしい顔つきで私を馬鹿にする。コケにする。ただよくよく見ていると、どれもこれもその見方が浅い。本当に表面上だけを見て他人を馬鹿にするのだ。例えば私がああいった態度をとったのは、その背景にこれこれこう

          揶揄されているうちが華

          20年越しのエスパー伊藤

           昨晩、眠りにつくかつかないかの瞬間「先生!エスパー伊藤!!!」と呼ぶ声が聞こえてきた。私がエスパー伊藤に似ているとネタにされたのはかれこれもう、20年も昔の話だ。間違っても今の勤め先の学童の子供たちの声ではない。そもそも今の子供たちはエスパー伊藤など知らないだろう。だとすればこの声は《あの二人》しかあり得ない。そう瞬間感じて私はやはり20年前の如く「俺がエスパー伊藤に似ているんじゃない!エスパー伊藤がたまたま俺に似てたんだ!」と心の中で大声で返してやった。あれからもう20年

          20年越しのエスパー伊藤

          イエス

           まず初めに断っておきたいのだが、私は研究者でも専門家でもない。これはまったくの素人が勝手に持論を述べるだけの文章だ。その事を踏まえた上で、興味のある方はお読みいただければ幸いだ。        結論から言うとキリスト教ってのは「俺知らね!」と、イエスが処刑されるその土壇場で、イエスを裏切った弟子たちの《罪悪感》から生まれた宗教なんじゃないかと思う。    弟子たちの想いはこうだ。   「あいつはいけ好かないすかした野郎だった。汝の敵を愛せよとかってマジすかしてる。でもそんな

          腹に据えかねたら

           今朝、夢の中にどう言うわけか北野武さんが現れた。北野さんが言う事には 「どうしても腹に据えかねる事があるんなら、全部書いちまえばいいんだよ!あんたモノが書けるんだから!」 との事。どういう経緯で北野さんが夢の中に出てきてくださったのか皆目見当がつかない。でももし、もし、もし私の存在なり文章なりが北野さんのお耳に入っていたのだとしたら、こんなに光栄なことはない!    そして正直腹に据えかねる事は・・・ある!大ありだ!!!それがもし自分の中で爆発しそうになったら、その時は文章

          腹に据えかねたら

          信頼

           私は頭の回転の速い方ではない。機転の利く方でもない。よってとっさの上手いウソとか、人の行動を先回りして手を打つといった行為が得意ではない。と言うか出来ない。でもそれで良かったと思っている。ウソとか誤魔化しと言うのはいずればれる。他人はそんなに馬鹿ではない。ボディーブローのようにじわりじわりとウソや欺きは相手に知れるものなのだ。そして後になって、「あの人はあの時ああやって誤魔化した」という事実が残る。そしてその事実自体は絶対に誤魔化せない。そういう事だ。そして欺きや裏切りが重

          職場にユーモアを

           先日から職場(学童)の敷地内でちょっとした工事が始まった。工事の車が出入りするので、子供達はそこを避けて大きく迂回して学童に帰ってくることになった。良く事情を知らないうちは、まあ一週間もあれば終わるだろうと思っていたのだが、実際には全部の工程が終わるまでに年度内いっぱいくらいはかかるそうだ。会議中にその話を聞いて私は 「じゃあ、いっそのこと地下道でも掘ったらどうですか?」 と、心の中で諧謔を飛ばした。続けて 「あ、それともどこでもドア買っちゃうとか?」 「どこに売ってんだよ

          職場にユーモアを

          文学の意義

           先日、夢の中で大学時代の恩師に出会った。その先生はカウンセリングの専門家・研究者で、私は先生のもとで研究生として1年間臨床心理学のさわりを勉強した。その研究室で私がかじった事をすご~くディフォルメして言うと次のようになる。    あるデパートのおもちゃ売り場でお母さんと幼い子供がおもちゃ売り場に通りかかった。すると子供が「これ買って~‼‼」とだだをこねる。お母さんが「ダメ‼‼おもちゃを買いに来たんじゃないでしょ!」と一括する。するとその子はその場で寝転がって地団太を踏む。お

          文学の意義

          売れ筋と芸術の両立は可能か?

           先日、兄とドライブをしていて、ゆずの『夏色』がかかった。ゆずは売れてからはスケールのでかい楽曲、例えば『栄光の架け橋』などを歌うようになったけれど、やっぱり初期のこの曲『夏色』が一番いいね。と二人で意気投合した。これとよく似た“逆の”例を私は知っている。私の愛するOasisだ。彼らが歌うそのテーマはスケールがでかい。もし彼らが『夏色』の様な楽曲を歌ったとしても、どこかしっくりこない。なるほど、良くも悪くも“身の丈”ってあるもんなんだなぁと思う。決してゆずのお二人を悪く言うつ

          売れ筋と芸術の両立は可能か?

          とびきりいい店

           今日、仕事帰りにやりきれない気分だったので、何か美味しいものでも食べようと前から行ってみたかった定食屋によった。まだ開店して間もなく、こじんまりとしたきれいなお店だった。店主と女将さんのお二人でやっている様子。私としては奮発して、マグロ刺身定食¥1320を注文。その時の女将さんのニコッとした顔が印象的だった。結果は大満足の大正解。マグロの刺身にお味噌汁、漬物、小鉢、ごはんがついていて、本当に美味しかった。    帰り際に、来月の23日の祝日(秋分の日)はやっているかと女将さ

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          数学は多数決じゃない

           「数学は多数決じゃない!」 こんなセリフを吐いた数学の先生がいた。中学2年の時だったと思う。確か図形の、ひし形と平行四辺形の定義についての問題だったと思う。そのT先生は、クラス中に決を取った。42~3人のクラスの中で、私だけがみなと違う答えを選択した。それをみたT先生は 「そうなんだよね、数学は多数決じゃないんだよね!」 と言って私のみが正しく他のクラスメイトは皆間違っていることを証明して見せた。私は自分の選択が正しかったことを確認してスカッとしたような、それでいてこの先生

          数学は多数決じゃない