長谷川ちえ

エッセイスト/「in-kyo」店主。 「三春タイムズ」vol.25〜48が書籍『続・三…

長谷川ちえ

エッセイスト/「in-kyo」店主。 「三春タイムズ」vol.25〜48が書籍『続・三春タイムズ』(文・長谷川ちえ 素描・shunshun)として 2023年春、信陽堂https://shinyodo.netより書籍化されました。前回に引き続き造本装幀はサイトヲヒデユキさん。

マガジン

  • 日記 / in-kyoの縁側

    日々の出来事、季節の風景、ぼんやりと頭に思い浮かんだことなど暮らしの観察日記のようなものをポツリポツリポツリと書き始めてみようと思います。 気軽に腰を下ろして、ご近所さんがやって来れば、お茶でも飲みながら他愛もないおしゃべりもできる憩いの場、縁側。 私が営む雑貨店「in-kyo」の店名にちなんでタイトルを「in-kyoの縁側」と名付けてみました。 さて、その縁側では一体何を目にするのでしょう。

  • 三春タイムズ

    • 49本

    福島県三春町での暮らしや季節の行事、風景など ゆるやかで心地よい時間の流れを 「三春タイムズ」と題して追っていきます。 題字をはじめ、毎回文章に合わせて 素描家shunshunが絵を描き下ろしてくれます。 更新は二十四節気の変わり目に沿って 一年で二十四のお話を綴っていきます。 文・長谷川ちえ 絵・shunshun

最近の記事

東カワウソ3日目 帰途へ 4月11日

昨夜睡魔に襲われて、数時間横になって眠らせてい頂いたものの、 その後はまた眼が冴えてあまりよく眠れなかった。 だいたいいつもは旅先だろうが、どこでもどれだけでも眠れるはずなのに こんなことは珍しい。 それでもやっとうつらうつらして再びハッと目が覚めると明け方。 まだ薄暗いが、これから新しい一日が始まろうとしているところだった。 家ならそこで二度寝となるのだが、そのまま寝てしまうのが なんだかもったいなくて早起き。夫は隣で熟睡中だ。 階下に降りると、今朝もシナモンロールをブラッ

    • 東カワウソ 2日目 4月10日

      日の出前に目が覚めてしまった。 いつもなら2度寝、3度寝などあたり前なのに、目も頭も冴えて もう眠れそうになかったので、階下に降りて白湯を飲みながら 朝の美しく雄大な景色に見惚れていた。 刻々と移り行く空の色。その景色は昨日とも明日とも、 1分先ですら同じではないということ。 それは何も北海道だからなのではなく、自分が暮らす環境でも 起きているということを、北の大地で今さらながら気づかされる。 昨夜札幌入りをしていたエフスタイルのお二人が、始発のカムイ (特急電車)で旭川駅

      • 東カワウソへ  4月9日

        2泊3日で北海道東川町にて「東カワウソ」open準備中の萬田康文くん (東京から東川へ移住する写真家であり、料理人であり、釣り人でもある)のもとへ。夫と、新潟・エフスタイルのお二人(10日に合流)との旅。 お互い完全なるオフである。 友であり家族のような存在。そんな萬田くんの新しい「場」を訪れるのは、嬉しいのと同時に、ソワソワと緊張するような感覚もあって なんとなく落ち着かない心地で出発。 関東は大荒れの空模様だったようで、福島も激しい雨。 心配した通り、ANAとはいえプロペ

        • 入学式  4月8日

          朝、夫の車でお店へ向かう途中、お母さんと一緒に歩く ピカピカの一年生の姿を見かけた。 新しい一日のはじまり。 新しい学校生活のはじまり。 真新しい小さな一歩はとびきり輝いているようだった。 ♪ 友だち100人できるかな ♪ なんて歌があったなぁ。 そりゃぁ100人できたらすごいことかもしれないけれど。 でも100人なんてできなくたって、1人でも一緒にいて たとえ何も喋らなくても、楽しいと思える時間を 過ごせるお友達ができたらいいんじゃないかなと思う。 私に子どもがいたらたぶん

        東カワウソ3日目 帰途へ 4月11日

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        • 日記 / in-kyoの縁側
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          49本

        記事

          滝桜開花宣言 4月7日

          昨日、待ちに待った滝桜の開花宣言が発表された。 昨年の開花が早すぎたからか、今年はずいぶんと遅い印象だが、 私が移住をしたばかりの頃(今から8年前)の滝桜開花は、 確か4月の後半だったのではないだろうか。 それよりも前はG.W.の頃だったとか。 そう思うとだいぶ前倒し。今年入学の新入生は 桜と一緒に記念撮影ができるかな。 今日は昨日よりは暖かく、お天気も良かったものの、 開花したばかりで蕾も多く、桜をお目当てにいらした方にとっては 残念だった様子。花さかじいさんではないので

          滝桜開花宣言 4月7日

          「玄鳥至」つばめきたる 4月6日

          まだか、まだかと毎日急き立てられるようで桜もかわいそうだが、 昨年があまりにも開花が早かったからか、桜を目当てにこの週末は 県内だけでなく県外から三春へいらしている方が朝から多い。 お昼ごろからは冷たい雨も降りだして、桜の代弁をするかのように 「せっかく足を運んで下さったのにすみません」という心境に。 天気予報で雨が降るなど言っていたかしら? 桜の開花が見れなくて残念だったと、in-kyoに立ち寄って下さったお客様へは、せめてもの思いで、「きたまち蔵」観光案内所の裏手にある斜

          「玄鳥至」つばめきたる 4月6日

          家庭の味 4月5日

          地元の情報誌の取材が入り、定休日だったのだが午前中はお店へ。 どうやら次号は三春特集らしい。 三春町役場の担当の方をはじめ、取材チームの皆さんが 想像していたよりも人数が多かったので少々緊張。 お店の取材で「おすすめの商品は?」という質問をよくされるのだが、 その度に「んー。全部です」と、つい素で答えてしまう。 でもそれは意地悪でも何でもなく、本心からそう思ってのこと。 答えてしまってから自分でもハッとして、その都度もっと気の利いた 切り返しができないものかなと反省もしている

          家庭の味 4月5日

          スープとお山の温泉と 4月4日

          昨日の雨が花おこしの雨となったのか、庭の老木の梅が ぷちんぷちんと泡がはじけるように、ようやく花が咲き始めた。 梅の、この控えめな感じがいじらしいというか、 たまらなくかわいらしい。年々花が増えて元気になってきているから いつか実をつけてくれる日がやってくるだろうか。 庭の梅で梅干しを漬ける。これは私の夢のひとつかもしれない。 今日は家しごとなどの用事を済ませたら、「奥岳の湯」の温泉に行きたい。 あわよくばお昼ご飯にはSUUさんで美味しいスープをいただきたい。 これは数日前

          スープとお山の温泉と 4月4日

          ZOOM教室 4月3日

          今日こそ猫と戯れながら何もしない日に!と、 毎週、定休日の度に思ったりするものの、なんだかんだと 用事が立て込む。今日の午前中もそんなこんなであっという間に 時間は流れ、スイとモクと戯れる時間はほんのわずか。 「何もしない」はなかなか叶わない。 午後からはオーガニックベース「台所の学校」のZOOM教室。 雲仙の典子先生の台所と三春の我が家がつながって学ぶことができるだなんて、ン10年前の子どもの頃の私が知ったら驚くだろうな。 テレビ電話ですらなく、先生1対日本全国にいる(

          ZOOM教室 4月3日

          桜のつぼみも膨らんで 4月2日

          家から見える光岩寺のソメイヨシノ。蕾がふくらみ始めたのだろうか。 心なしか木全体が赤みを帯びてきたように見える。 雲一つ無い青空にその姿が美しく、携帯で写真を撮ろうと思っていたのに 後回しにしていたら、あっという間に重い雲に覆われて青空は姿を消してしまった。自然相手に「あとでね」など通用しないとわかっているのに。 桜の見頃というのもそうだ。来週の休みの日にとか、こちらの都合に 合うはずなどないとわかっていながら予定を組もうとしている。 滝桜の開花予想が6日頃と発表され、それで

          桜のつぼみも膨らんで 4月2日

          エイプリールフール 4月1日

          エイプリールフールだけれど、嘘などつく余裕もなく一日が過ぎた。 夫にくらい、気の利いた嘘のひとつでもつけたら良かったのに、 やることもいっぱいだったし、疲れが出てそこまで頭がまわらなかった。 簡単に作った晩ごはんをひとりで先に食べながら、 帰りが遅い夫を待って、Tverで「世界ふしぎ発見」の最終回を見始めた。 日中はyourwearの撤収作業。 昨日は孔代さんの帰り間際、お客様同様、私も悩んで決めたマスタードと アイボリーミックスの色。ラムウールのVネックセーターの袖丈採寸

          エイプリールフール 4月1日

          モノはモノだけれど、それだけではないこと 3月31日

          caravan yourwear 3日間の会期の最終日。 どの展示でもそうなのだけれど、何年経とうが、 何回やろうが、私は会期が始まる前は心配で寝が浅くなる。 眠れなくなることもあるし、寝ても夢にまで出てくることもある。 今回は「セミオーダー」「予約制」in-kyoの店舗ではなく、 自宅のハナレ「TONARI」での開催といういくつものハードルがあり、 しかも3月末という年度末とも重なって、事前のご予約も なかなか埋まらず不安でいっぱいだった。 これではコツコツと準備を重

          モノはモノだけれど、それだけではないこと 3月31日

          今年はじめての鶯の鳴き声 3月30日

          今朝、昨年よりもだいぶ遅れて鶯の鳴き声を耳にした。 「ホーホーホーケキョ、ケキョ」と、まだ練習中。 ちょっと控えめにその声は小さい。 決まって朝8時前と夕方に。こうして日に2度鳴くことで 喉を鍛えているのかと想像している。 空気の入れ替えに窓を開けてその声を聞きながら始まる一日は、 何も聞こえていなかった朝よりもはるかに心躍るものがある。 鶯の歌声の効用。嬉しい始まりだ。 caravan yourwear 2日目。 今日は春霞。晴れてはいるものの、春独特の淡い空。 朝

          今年はじめての鶯の鳴き声 3月30日

          春の嵐 3月29日

          朝から大荒れとの天気予報。 その割にはシトシトと静かな雨。 caravan yourwearのお客さまもこの雨ならば… と安心したのもつかの間。 11時を過ぎたあたりから、遠くが白く霞んで見えるくらいの豪雨。 「TONARI」の室内では和やかにニットウェアのご試着。 色の配色に悩んだら、絵型に色鉛筆で色を塗ってイメージを視覚化。 私までお客様と一緒にセミオーダーの着地点に至る道筋を 同行させて頂いたような気持ちでワクワクした。 あの1枚が仕上がってきて、またそれを着たお客様

          春の嵐 3月29日

          セミオーダー 3月28日

          明日から『caravan yourwear』と題して yourwear のニットウェアのセミオーダー会をはじめて開催する。 きっと普段はなかなか機会の少ない「セミオーダー」という言葉。 考えてみたらなんと贅沢なことのだろう。 デザインは決まっているものの中から選ぶものの、ニットの 素材、色、配色など、自分の好みで自由に組み合わせて、 自分のお気に入りの一枚に仕立てることができるのだ。 手軽で手頃なファストファッションとは対極にあるもの。 自分のための1枚を、あれこれ悩みな

          セミオーダー 3月28日

          美容室  3月27日

          月に一度の美容室の日。 振り返ると若かりし頃は、すぐに伸びてしまう ショートヘアにしていても月に一度など、 美容室へは行っていなかった。 お金が無い時期というのもあったし、忙しさもあった。 美容師さんを困らせつつ、若さというものを盾になんとか その時期を切り抜けていた。その頃通っていた美容室の 担当の方は、その辺も理解してくれて、伸びても感じよく まとめられるようにと上手に仕上げてくれていたのだ。 あの頃に比べれば月に一度、無理なく美容室に行けるくらいにはなった。 歳を重ね

          美容室  3月27日