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フリーランスからプラスクラスのWebコンサルタントになった話

厚生労働省の発表によると、9月の有効求人倍率は1.03倍に低下した。6年9カ月ぶりの低水準となったそうだ。9月時点でこの数字なので、年内中に倍率が1を切るのは間違いないと思う。

一方で「就職先がないから今の職場にしがみつく」という選択もリスクを孕んでいるのが現実だ。そもそも職場ごと無くなってしまう可能性があるのだから。

僕は、2020年11月にフリーランスを辞めて、Webコンサルティング会社の株式会社プラスクラスの社員となった。

転職市場が落ち込む中での転職活動。どんな基準で会社を探し、どんな価値観で会社を選んだか、そして、これからどう過ごしていきたいかの振り返り。

フリーランスを辞め、転職活動を始めた理由

もともとフリーランスを始めたのは準備期間のためだった。

前職を辞めたタイミングがちょうど緊急事態宣言が出た時期。自分も企業も市場でさえも整っていない時期だった。

「働くとはなにか?」「自分は何者か?」「どんな仕事が好きか」を言語化できず、あるいは言語化したものが腹落ちせず挫折した。もらった仕事をフリーランスとしてこなしながら、働く意味をアップデートする期間を3ヶ月ほど置いた。

そして3ヶ月のフリーランス生活を経て「この働き方は自分に向いてない」と感じて、転職活動を再開した。

どんな基準で転職先を探したのか

フリーランスで働きながら、価値観や働く意味を自分の言葉でアップデートし、転職選びに3つのポイントを設けた。

1:自分が貢献できるか
2:罪悪感なく働けるか
3:自分の武器を磨け、増やせるか

1:自分が貢献できるか

広告会社の一人ウェブマーケターだったので「できること」は、かなり多い。営業から企画、PR、事業開発までやってきたので「事例」だけなら相当数ある。SEOからウェブディレクション、広告運用まで一通りできる。プレスリリースやリーンキャンバスまで一応書ける。

しかし「できる」と「結果を出す」には大きな隔たりがある。

面談時には赤裸々にスキルセットや仕事の結果を話し、ジェネラリストの欠点をきちんと説明することにした。その上で興味を持ってくれる企業を探して行った。

2:罪悪感なく働けるか

「work as life」の価値観を持つ自分にとって、罪悪感を持つような仕事はQOLを損ねる。

詐欺やエコシステムを壊すようなブラックハットな仕事やカルチャーを持っていないか、企業の評判や情報発信をしていることをチェックした。人事担当者や社員さんの「働く」ことへの価値観も重視した。自身の目やソーシャルを通して「本音で働いているか」を見極めたつもりだ。

3:自分の武器を磨き、増やせるか

ジェネラリストではあるが「一、二年食っていける」だけの専門分野もいくつか持っている。しかし、その消費期限は限られたものだし、ゲームチェンジャーになれるだけの発信力やアイデアも現状はない。知識としてしか、身に付いていないものも多い。

いま持っている武器を体系的に鍛えられる、いま持っていない武器を増やせる、それらが仕事を通じて得られる環境を重視した。

どう転職先を探したか

Webマーケティング業界の人間なので、wantedly・Youturst・検索・知っている企業・エージェントなどから転職先を探した。

最も多くエントリーに使ったのはwantedlyだったが「実は採用をやっていない」「途中で採用枠がなくなる」「返信がない」ことも多かった。自社サイト・採用サイトへの応募も同様だった。

コロナ禍の影響を強く感じた。

「よほど良い人材なら話は聞いてみたい」「募集はするけど予算があるかわからない」「募集を消すのを忘れていた」。ボールを人事ポジションの方が持っていない、そんな印象を感じる時もあった。

wantedlyのページで伝わってくるイメージと実際の面談での落差がある会社も少なくなかった。ギャップを埋めるのが、リモートでは難しくなってきているのだと思う。

そんな状況のなかで、YOUTRUSTは"動いている感じ"があった。今回プラスクラスに転職することになったのも、YOUTRUSTのスカウト経由だった。

YOUTRUSTは、mixiと仕事のマッチングを掛け合わせたようなサービス。信頼できる友達もしくは「友達の友達」からオファーが届き、副業・転職先と出会えるキャリアSNS

オンボーディングやカスタマーサクセスを人力で回しており、いくつかスカウトをもらった企業も、こちらの経歴やカルチャーマッチをしっかり見てくれているようだった。

新興サービスだからなのか、企業側に「採用枠を確保できるか分からないけど、とりあえずwantedlyに登録しておこう」「攻略ノウハウをもとに良い感じにページを作ろう」というような文化がまだなく、良い意味で生身に近い空気感があった。

どんなところに就職したのか

そんな過程を経て、就職を決めたのが、Webコンサルティング事業を行う株式会社プラスクラスだった。関係会社の株式会社プラスクラス・スポーツ・インキュベーションがスポーツチームのWEBマーケティング支援をしていて、そちらの方が有名だと思う。

入社したのは株式会社プラスクラスの方で、新規事業であるスポーツ事業を支える事業部だ。そこでSEOやコンテンツマーケティング、SNS運用での集客コンサルティングを行う予定になっている。

どうしてプラスクラスに決めたのか

プラスクラスは、自分の会社を選ぶ3つの基準「自分が貢献できる会社か」「罪悪感なく働けるか」「自分の武器を磨け、増やせるか」を満たしている会社だった。

1:自分が貢献できる会社か

リモートワーク下であったが、実際のオフィスや実際の業務内容を一部見せてもらい、役に立てるか・すぐに仕事に着手できるかをイメージすることができた。

2:罪悪感なく働けるか

もともと代表の平地さんの存在を、自分の好きな媒体の記事で知っていたことが大きい。自分の信頼する人が大きく取り上げていることが、信頼性の担保となった。そして、平地さん自身がマーケティング専門メディアで連載もしており、情報発信の内容をみて「信頼できる」と判断できた。

3:自分の武器を磨け、増やせるか

自分の専門性は「編集視点のマーケティング発想」と「ローカル検索(ローカルSEO)の知識」だ。しかし、知識でしかない物も多いし、成果も個人の延長線でしかない。仕事を通じて、実践的な経験や先進的な事例に触れることで、知識を知恵や実績と変えていくことができる。

そして、もう一つが「スポーツ」の可能性だ。自分のライフテーマである「ローカルマーケティング」において鍵になるデータやネットワークを得られると考えた。スポーツは大きな可能性を秘めている。

"スポーツの持つ「人々の感情を大きく揺さぶる不確実性」です。それこそ、思わず涙が出るくらい感情が揺さぶられることもあるでしょう。この、日々の生活では味わえない「不確実性が生み出す感情の爆発」がスポーツ観戦の一番の魅力だと僕は思っています"

配られたカードで勝負する

フリーランスで出来なかったことを裏返しして、会社を選んだ。しかし全てが狙い通りだったわけではない。ベンチャーに近い体制なので、オンボーディングや体系化されたノウハウや情報発信の機会はまだあまりない。折り合いをつけた部分もある。

だが、市場の回復を天に祈って待つよりは、巡り合いと直感を信じて、配られたカードで勝負しようと思った。

「配られたカードで勝負するっきゃないのさ…それがどういう意味であれ。」(『ピーナッツ』より)

仕事は「見つける」から「出会う」に移っていく

これから仕事は「見つけるもの」から「出会うもの」になっていくのではないかと思う。コロナショックそしてVUCAの時代、企業の求めるスキルセット、マインドセットも流動的になる。

ポートフォリオを作って、キャリア設計をして、キャリアビルディングをして…。いま「キャリアビルディングに有効」と思ってコツコツ貯えていても、数年後にその価値は保証されない。

保証されないのだが、サンク・コスト効果(すでに支払ったコストを取り戻そうとする心理効果)によって「ここまでにかけた時間・実績には意味があるのだ」と信じたい気持ちが働く。「どこかに認めてくれる企業があるはずだ」と、認知が歪む原因となる。

お金や消費のあり方も『自分の「好き」という直感的な消費をする人が増えた』という。働き方も同様で、外発的な理由(給与や評判)から内発的な理由(自分の好きや原体験など)で選ぶ方が満足できることも増えてくると思う。

自分の好きを整理・言語化しておくこと、情報発信や対話を通じて、常にアップデートしておくこと、直観的な出会いのチャンスを逃さないことを大切にしていきたい。

これから

ひとまずは本業優先だが、本業に良い影響があるような個人としての編集やマーケティングの仕事は、復業や寄稿などで続けたいと考えている。

いま出がけているプロジェクトもいくつかあり、年内中にはアウトプットできたらと思う。「マーケティングの経験がある編集者・ライター」に需要があるのがわかったので、その面でのポートフォリオも整理していきたい。

フリーランス時代に更新していた「これからのGoogleマイビジネスの話をしよう」というテーマのnoteマガジンも、今後は「ローカルマーケティング」そのものにフォーカスして新しい企画を練っている。

数年のうちには「インハウスエディター」や「自分で物を作って売る事業」にも取り組んでみたい。

おわりに

長くなりましたが、これから株式会社プラスクラスのウェブコンサルタントの長谷川としてやっていきます。自分もキャリアの再出発ですので、悩む日々を多くなるはず。そんな姿をみかねて長話に付き合ってくれたり一杯奢ってもらえると、とても嬉しいです。

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いつもサポートありがとうございます!サウナの後のフルーツ牛乳代か、プロテイン代にします。「まあ頑張れよ」という気持ちで奢ってもらえたら嬉しいです。感謝。