ニュースレターの教科書 - 始め方からサービス比較、グロース戦略までを総まとめ
ニュースレターに注目している方向けに「メルマガとの違いはなにか?なにから始めればいいのか?どんなフォーマットがあるか?どんなサービスを使えばいいのか?有料化するポイントは何か?おすすめのニュースレター」を解説します。
ニュースレター初心者から、すでにニュースレターやメルマガをやっている方まで幅広く役に立つ内容になっているはずです。
長いので、必要な箇所だけ飛ばし読みしてもらったり、実際に作りながら都度読んでもらうのがおすすめです。
1章:ニュースレターとは?ニュースレターとメルマガの違い
そもそもニュースレターが「メルマガと何が違うの?」とピンとこない人が多いと思います。大きな違いは「メール本文そのものがコンテンツ」「読者が自ら望んで購読する」の2つです。
特徴1:メール本文そのものがコンテンツ
ニュースレターは「メールそのものがコンテンツ」。途中にリンクがないものや数千字を超えるレターも珍しくありません。
逆に、多くのメルマガの内容は「リンクの案内」。目的は「特定のURL(記事やイベント、ECサイトなど)をクリックさせる」ことです。
目的が違うと、タイトルや本文のデザインも変わってきます。
メルマガは「いかにメールを開かせるか、リンクを踏ませるか」が重要になります。一方、ニュースレターでは、「最後まで読んでもらう」「定期購読」が大切になります。
つまるところ、メルマガで重要なのが「開きたくなるタイトル」「クリックしたくなるCTA」になるのに対して、ニュースレターは「親しみを感じる導入文」「連続性のあるテーマや定期配信」「読者に負担を与えない文章やデザイン」が必要とされます。
メルマガの「メールを開く→リンクをクリックする→ページを見る」という工程に比べると、ニュースレターは「メールを開く」で閲読が始まります。
「速報性のあるコンテンツ」や「クローズドにしたいコンテンツ」がニュースレターに向いています。
特徴2:読者が自ら望んで購読する
多くのメルマガは、勝手に送られてきます。名刺交換・セミナー参加・資料請求・会員登録後に、読者の「購読」行動なしに送られてくるものが多いです。
一方、読者が自主的に「購読」ボタンを押すのがニュースレターです。主体的にメールを読むことを選択しています。メルマガは「ダイレクトメールのチラシ」、ニュースレターは「文通」です。
文通が一度で終わらないように、ニュースレターは繰り返し届き、読者を想像しながら書き続けることで、特別な文脈やコンテクストが生まれていきます。読み込むほど・回数を重ねるほどに魅力を増していくのが、ニュースレターです。
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世界中で広がっているニュースレター市場
海外ではニュースレターが話題になっています。後押ししているのが「Substack」。日本でいうnoteのような勢いがあります。
それまでニュースレターやメルマガを個人が始めるのは、大変でした。
メールアドレスを管理するシステムを用意し、配信システムを用意し、HTMLメールをデザインし、、、。課金システムを入れたいなら、さらに大変です。
無料でリッチなメールを配信できる「Mailchimp」なども悪くないですが、管理画面がハイスペックすぎて、書き始めるのに腰が重くなる…。一部のウェブに慣れた人しかできませんでした。
そこに登場したのが、Substackでした。アカウントを無料で簡単に開設でき、課金機能まで備えています。管理画面は英語ですが、UIもシンプルなので、なんとなくでサクサクと発行まで進めます。
noteとWordpressの違いをイメージすると分かりやすいと思います。
さらに、Substackは、従来のメルマガと違い、ニュースレターをアーカイブ化できます。
メールで送った内容と同じコンテンツをそのままウェブページで公開できます。フローコンテンツ化しやすいメールコンテンツが、ストックコンテンツになるということです。
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2章:ニュースレターの始め方
「ニュースレターを始めようかな〜」と考え始めた方向けにテーマやフォーマットの決め方を紹介します。
レターを書き始める前に「反響がなくても続ける仕掛け」、そしてターゲット・テーマ・フォーマット・配信頻度を決めるのをおすすめします。
1:まずは「ターゲット」を決めましょう
顔や考え方が浮かぶような相手が良いと思います。とっかかりとしては、「年代で切る」か「取り上げるジャンルで切る」かが簡単です。
日本の場合は「ジャンル」で切ったレターが多いようです。共感性の高いコンテンツを発信する場として、noteやTwitterが強いからかもしれませんね。
ニュースレター配信サービス「theLetter」のクリエイター事例を見ると、美容・投資・化粧品・傍聴記録・自動車業界・SDGs・出版業界など、ジャンルや業界で切っているケースが多いです。
海外では「Z世代の女性向けの経済ニュース」というような切り口のニュースレターも有名です。
基本的には、ターゲットは広めにするよりも、少しマニアックなテーマ・読者を設定する方がおすすめです。長く濃く続けられるテーマを選んでください。
2:反響がなくても続ける仕掛けを用意しましょう
そのための仕掛けが、続ける前提でのテーマとフォーマットです。
速報性の求められる切り口がおすすめです。
ジャンルの中でも、ニッチ業界や新しい業界のニュース、なかでも速報性が求められている切り口がおすすめです。読み手の「見逃したくない」「解説が欲しい」というニーズがあるからです。
例えば、投資→NFT、web→web3とかでしょうか。
SNSも速報性は強いプラットフォームですが、オープンなのでターゲット以外の人の目に触れる可能性があります。埋もれることも多いです。思い切った解説や個人的な熱量を盛り込むのに、ニュースレターは向いています。
理想的な組み合わせとしては、ニュースレターで瞬間をコンテンツ化し、それをまとめたものをブログ等で公開することかもしれませんね。お互いがお互いの読者を増やす相乗効果もありそうです。
これはあくまでも一つの方法ですが、
自分が好きなジャンル×読み手が想像できる業界×速報性=ニュースレターのテーマ
というわけです。
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3:テーマが決まったら「フォーマット」を決めましょう
フォーマットがあると、書く負担が軽くなり、発信が続けやすくなります。
ニュースレターのフォーマットですが、ブログ型(エディトリアル型)・キュレーション型・ハイブリッド型・ポップアップ型・プロダクト型・メルマガ型に分けられます。
おすすめフォーマットは「キュレーション」型。複数のニュースを独自の視点でキュレーションして解説したり、1つのニュースや話題に独自の論説を展開するタイプです。
キュレーション型は、書くネタがあるので、続けやすいフォーマットです。普段から、いろんな記事を読む方、いろんな動画や番組を見る方向けです。
海外でポピュラーなのは、1つのテーマでオピニオンを書くブログ型だそうです。普段から書くことに慣れている方には、おすすめのフォーマットです。
書き手の個性を出しやすい反面、毎週なり定期的な頻度で発行するのは、プロの書き手でないとなかなか難しかったりします。
ちなみに、先ほどの分類にはないですが、企業やクリエイターの場合は「ファンマガジン型」もあります。顧客やファンに向けて、サービスそのものを紹介していくフォーマットです。アップデート情報や開発ストーリー、裏話を届けることで、顧客との接点を紡ぐことに繋がります。
3章:ニュースレターの作り方
ここからは、実際のニュースレターの作り方を紹介していきます。
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