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口コミに価値はあるのか?:これからのGoogleマイビジネスの話をしよう#2

毎週火曜日、Googleマイビジネスの最新情報や個人的な考え、ニュースなどをお届けする『これからのGoogleマイビジネスの話をしよう』というマガジンの第2回です。

・特集「口コミに価値はあるのか?」
・エキスパートたちのヘルプコミュニティの回答
・最新トレンドに関する記事やツイート

今回の特集は、創刊号では深く触れなかった「口コミの価値」について。

良い口コミとはなんなのか?どうやったら集められるのか?Googleの口コミとGoogleマイビジネスとMEOとの関係、実際の返信例などを紐解いていきました。

Googleマイビジネスを聞いたことある・使っている方や、ローカル検索やMEOに関心のあるマーケター向けです。

はじめに:Googleマイビジネス・MEOとは

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Googleマイビジネスは、主にお店の方が使う「Google検索やマップで出てくる施設情報を管理するための無料サービス」です。

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お店を探すような「ローカル検索(地域や位置情報が影響する検索行動)」で表示される情報は「オーナー・ユーザー・Googleの三者間」で作り上げられています。

Googleマイビジネスは、このうちのオーナー情報を優先的に管理でき、営業情報・写真・投稿・口コミ返信などを登録する機能があります。

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マップユーザーが増え、お店を探すような検索ワードだと通常の検索結果より上に表示され、新しい集客方法として注目されています。

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その「Googleマイビジネス」とセットで話題になるのが「MEO(MEO対策)」。

MEO(正式名称:Map Engine Optimization)は「Googleマイビジネスを活用して、マップエンジン上のお店の情報を最適化し、ローカルパックやマップでの上位表示を目的とする施策」という意味で多く使われています。

(正式な定義はないので、これをMEOの定義としています)

ただし私個人は、MEOやGoogleマイビジネス活用のゴールを「短期的な上位表示」とするのではなく「マップ"体験"の最適化」を目指すべきだと考えています。

安易な上位表示施策は、意味のない数字の改善や負の集客スパイラルをもたらす場合があるからです。

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Googleマイビジネスは「マップでの上位表示のために活用する」のではなく「自店舗とお客さんとの最高のマッチングのために活用する」べきだと考えています。

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Googleマイビジネスやローカル検索の仕組みやMEOに関しては、創刊号で解説していますので、そちらをご覧ください。

特集「口コミに価値はあるのか?」:口コミには2つの役割がある

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Googleマップなどで表示される施設に、Googleアカウントを持ったユーザーは口コミを投稿することができます。お店への口コミ投稿自体は、オーナー登録されていない店舗でも可能です。

Googleの口コミは、マップ上などで「全体の平均点」「概要」「口コミ詳細」の3つで表示されます。最初は「関連度順」で並んでおり「新しい順」でも並び替えることができます。

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このGoogleマップの口コミは、ローカル検索において2つの役割があります。

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Googleに評価される口コミが増えると「知名度」と「関連性」が高まり、上位表示の要素になります。

例えば口コミに特定の検索キーワードが含まれていると、その言葉で検索されたときに上位表示される要因の一つになります。

(検索ワード「塩ラーメン」で上位表示されやすいのは「ここの塩ラーメン、美味しかった。あっさりしているけど、魚介系の出汁がいい」というような口コミがある店舗です)

口コミの数は多い方が、ユーザーに役に立つ情報が増えますし、知名度に良い影響を及ぼし、上位表示することにつながります。

しかし、ただ多いほど良いというわけではなく、Googleやユーザーの求めている「良い口コミ」である必要があります。

口コミに価値はあるのか?:良い口コミとはなにか?

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「Googleにとって良い口コミ」と「ユーザーにとって良い口コミ」は、ほぼ同じ方向を向いています。

海外のSEO会社のMozのレポートと上位表示されている口コミの傾向をまとめると、良い口コミはこのような条件になります。

良い口コミの条件

1:利用しないとわからないような情報
2:お店選びに役立つ情報や写真
3:他の口コミとの一貫性
4:ポジティブ
5:高い点数
6:新しい

単純に平均点を上げるためにコメントなしの「口コミ」を量産することにはあまり意味はなく、行ったような気持ちになれる細かい情報(「○駅から何分」「○時にいったら○分で入れた」「こんな店内だった」など)や写真などが多い口コミの方が、MEOにも実際の来店にも効果があります。

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Googleは口コミの条件に「正直なもの」「実際の体験に基づくもの」であると挙げています。投稿特典や実際に利用していないお店の口コミを書くことは禁止されています。

クチコミは、偏見がなく正直なものであって初めて価値が生まれます(ビジネス オーナーはクチコミの見返りに特典を提供するなどの行為をするべきではありません
投稿内容は、実際の体験や情報に基づくものでなければなりません

逆を返すと、質の悪い口コミとは

・偏見的な評価
・虚偽の評価
・特典の見返りがある評価
・利用していない口コミ

と言えるでしょう。これらの質の悪い口コミは、過大広告となり、期待値のギャップから低評価口コミを生んでしまう原因になるので、その点でもおすすめできません。

ここまでの「口コミの価値」のまとめ

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口コミには、MEO的にユーザー的にも価値がある。

しかも持続する可能性がある。数を集めるのも有効だが、質の悪い口コミを集めるのはポリシー違反になる上、負のスパイラルにハマるのでおすすめしない。

「利用しないとわからないようなリアルで役立つ情報や写真の入ったポジティブで高い点数の新鮮な口コミ」を集めよう。

口コミを活用したMEOでは、上位表示は短期成果の一つでしかなく、それ以上に長期的な「マップ"体験"の最適化」の視点が必要とされます。

良い口コミを集める上で、最も有効かつ持続的なのは「人に教えたくなる良い来店体験を作ること」「十分な情報発信で期待値のギャップを生まないこと」の2つです。

ただ、それには時間がかかることも多いので、すぐ取り組める二つの方法を紹介します。

口コミに価値はあるのか?:どうしたら良い口コミは増えるのか

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「①口コミ投稿依頼を増やすこと」と「②口コミに返信して、間違いを正したり、情報を補ったりすること」の2つです。

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・投稿依頼の始め方

投稿依頼で最も簡単なのは、Googleマイビジネスの管理画面から投稿のショートカットリンクを作り、満足度の高いお客様や常連さんに「こちらから今日の感想を教えてください」と直接の声かけを始めることです。

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余裕があれば、ショートメールで送れるような専門ツールを利用したり、SNSやHPに投稿リンクを設置したり、お客さんが投稿する際の例文など作ることも有効です。

(小技ですが「口コミお願いします」より「感想をお願いします」の方が効果があります。「口コミ」だと、ハードルが上がるし、宣伝に利用される警戒心が湧くみたいです)

新鮮で豊かな情報量の口コミが増えると、繁盛のサイクルが回り出します。MEOによる集客以外にも、店舗改善のデータやオフラインの口コミの種にもなります。

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そして「口コミに返信して、間違いを正したり、情報を補ったりすること」とはどんなことか?

実は、オーナーとしての口コミ返信は、口コミの量を変えずに質をよくしたり、低評価の口コミが入る抑止になったりします。

実際の事例で解説します。

口コミに価値はあるのか?:集客につながる口コミ返信とは

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Googleマイビジネスのオーナーは、投稿された口コミに返信できます。

「口コミの投稿ありがとうございます」などの返信を通して、投稿者と交流したり、その口コミを見ているユーザーに対してアピールすることが有効です。

先日、こんな名返信の店舗を見つけました。

テンプレートではない受け答えも素晴らしいですが、それ以上に「口コミに返信して、間違いを正したり、情報を補っている」のがポイントです。

例:褒められているけど、ちょっと気になることを書かれている口コミへの返信

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高評価なので見落としがちなのですが、ユーザー視点で見ると不安要素(混んでるのかな・入りにくいのかな)が浮かび上がる口コミです。

これに対して、オーナーは感謝の意を伝えながらも「解決策や正しい情報」を提示しています(予約ができる・初めてでも入りやすい店を目指している)。

例2:ネガティブなことを書かれている口コミへの返信

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こちらははっきり「ここがいまいち」と書かれてしまっています。これに対して、オーナーは丁寧に回答しながらも、お客さんが知れ得なかった(聞けなかった)情報を伝えています。

特に右の焼き鳥の返信は、オーナーにしかわからない情報(具体的な大きさ)を紹介し、見込み客にさりげなく自店の魅力をささやいています。

<集客につながる口コミ返信のポイント>

・事実と感情を分け、まず来店や投稿を感謝する
・評点の先入観を捨てて、ユーザー視点で口コミをチェックする。不があれば「解決策」を提示する
・さりげなくオーナーにしかわからない自店の魅力をささやくチャンスを見逃さない

ぜひご参考にされてみてください。他にも名返答をしている店舗があれば、ぜひ教えてください。

以上、今回の「口コミに価値はあるのか?」でした。来週はこの続編となる「口コミの低評価との向き合い方」について紐解いていく予定です。

今週のヘルプコミュニティ模様

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Q.Googleマイビジネスのアカウントをホームページ管理会社が所有しており、この度当方に移管して欲しいと希望するも、先方の記載した内容を変更しないなら可能である旨の回答がありました。

回答抜粋:
・基本的には、当事者間で協議をしていただくしかない
・「先方の記載した内容」というものが何を指すかをはっきりしたうえで、それを「変更しない」範囲でGoogleマイビジネスを活用していくという考えかたもある
・ガイドライン違反の部分だけでも修正してもらえるよう依頼してみては

詳しくはリンク先をご覧ください

Q.1カ月まえの●●さんからのクチコミを削除していだきたい。受診患者さんに対してはコロナ渦の中、感染防止のため、診断および治療に関わる会話以外は最小限に抑えて診療しています。そのことについてこのようなクレームを書かれてしまうと本当に困ります。何とか削除お願い出来ないでしょうか?

回答抜粋:
・ヘルプフォーラムでは、基本的に公式の回答や処置は得られない
・客観的な立場から見た感じでは、なかなか削除は難しそう。ポリシーに違反しているわけではないから
・事情としてコロナによる診療の際の会話を最小限にされているとのことだが、この施策は少なくとも患者様には伝わっていない、理解されていないのではないかと思う。窓口での事前の説明などを行うなどの対応を行うとともに、返信機能で誤解を解かれるのが最善かと

詳しくはリンク先をご覧ください

Q.カテゴリ選択の際、「宝石店」が二つあります。メインカテゴリを「宝石店」にしたいのですが、それぞれが違うものなのかどうか気になっており、どちらをメインカテゴリにすべきか悩んでおります。

回答抜粋:
・翻訳がシステム認識の際に上手くいっていない為、2つ「宝石店」があると考えられる。英語にすると、11種類の宝石に関するカテゴリが表示される

詳しくはリンク先をご覧ください

今週の気になるツイート

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▼海の日は直ってましたが、山の日はまだですね。二重で出てました(7月23日時点)
▼いろいろおかしな怪電ですね…
▼オーナー権限問題は契約時に確認すれば、教えてくれたりすることもあるみたいですが、説明不足も結構あるみたいです
▼Yahoo!検索もローカルパック(通常検索に店舗が上位表示されるやつ)に対応したとのこと
▼オンライン営業情報欄が出現
▼海外で有料オプションが提供されたかもとのこと

今週の気になる関連記事紹介

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Google Local Algorithm Weighs Business Names Too Highly; Google To Fix This.

Googleマイビジネスのブラックハット(ガイドライン違反)に「ビジネス名にキーワードを入れる」手法があるが、近いうちに改善(Googleマップのアルゴリズムのアップデート?)があるとのこと。実店舗名と違う店名にするメリットはますます無くなっていきそうです。

Googleマイビジネス、同一名のカテゴリが2つ表示されたときの対処方法

Googleマイビジネスでカテゴリ設定する際、同じカテゴリが2つ表示されることがあります。重複する理由とその対処方法の解説。カテゴリは関連性に影響するので、実はかなり重要です。

全公開 Googleマイビジネスのクチコミ返信マニュアル【返信例文付き】

クチコミ返信のしかた、良いクチコミの集め方、低評価のクチコミやネガティブコメントへの対処方法、そして悪質なクチコミが入ったときの削除依頼方法を解説されています。

Googleマイビジネスの「Googleによる変更」とは? 対処法について紹介

Googleマイビジネスの管理画面に「Googleによる変更」が出るときがあります。これは、ユーザーからの報告や外部コンテンツのさまざまなソースから情報を総合的に判断し、Googleが変更を加えています。

実際の管理画面の画像を見せながら「Googleによる変更」があったときの対処法や「Googleによる変更」が発生しないようするためのコツを説明されています。

集客・予約システムの「Coubic(クービック)」、検索結果やマップ表示から予約できる「Googleで予約」の本運用を開始

Google で予約に表示が可能となるジャンル(サービス種別)は、フィットネス領域や美容・リラクサロン領域など。国内では、現時点で複数のジャンルへの対応しているのは Coubic のみ。「Googleで予約」が一気に普及しそうです。

あとがき

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第2回を読んでいただき、ありがとうございました。創刊号は、多くの方から反響の声をいただき、GoogleマイビジネスやMEOへの関心を実感しました。

次回も火曜日に、気になるGoogleマイビジネスの最新情報をお届けする予定です。

気になる方やご感想は、ぜひTwitterの方からもお願いいたします。

それではまた来週お会いしましょう!

(第2回の取材協力・編集・チェック協力)

ダー子氏・ねえ@マーケ何でも屋氏・Ikkei Photography氏・KINOSHITA Fumichika氏

この場を借りて感謝を申し上げます。

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