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江戸の呪術

日本においてまじないは縄文時代から存在していました。科学技術が発達していない時代ですから、怪我や病気、災害などが起こると祈祷師みたいな人が儀式を行い問題を解決してきました。今回ご紹介するのは幕末頃発行された迷信奇術の類いを解説した『妙術知恵鑑』という本です。

『妙術知恵鑑』

卵を積む方法、目が良くなる方法等々手品のような術もあります。まあ、余興に使うようなものですね。しかしながら、個人的に興味を持った呪術的なまじない2つご紹介します。1つ目は「おもふ人をゆめに見る伝」好きな人が夢に出てくる術、これは面白そうです。

「おもふ人をゆめに見る伝」

「思ふ事 このまま告げよ 枕紙 我が衣手(着物の袖)を 返してぞ寝る」この歌(呪歌)を寝る時唱えて着物を返して寝るべし。

いかがでしょうか。誰か試してみてください。さて、もう一つ。「女惚れる伝」これは是非知りたい。やり方はこうです。

「こひすてふ 我が名はいまだ たちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか」 この歌墓場の柳の葉を取りて三べん書き丸めて真綿にくるみ女知らぬうちに袂(たもと)へ入れるべし

柳の葉っぱは結構小さくてこんな長文書くのが難しそうです。しかも好きな女性がわからないように袂に入れる・・・現代ではいろいろ難易度が高そうです。
江戸時代を生きた人も恋愛で恋い焦がれる想いは現代人と変わらない感じがします。歴史を学ぶ意義もここにあると思います。人は根っこの部分は昔の人と変わらないのです。

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