指示待ち自体が、行動障害である(2020年10月14日のメルマガ)

過去ログnote

★こんにちは、ハルヤンネです★

@くろまめ丹波篠山。参加人数は少ないものの、テーマはよかった「指示待ちについて」。同じ内容を、次の22日(木)AM@くろまめ丹波市でも話すので、そのときによかったら。地元の方もオンラインでも、ぜひいらしてください。

指示待ちとは「明らかにすることが分かっていることを、指示(人からの働きかけ)がないと、動くことができない状態」。これ、わかってないことだから、動かないのと違いますよ。本人はわかってるんです。

例えば、「ごちそうさま」をして片付けないといけないことも、靴を履いて外へ出ることも、排泄が終わるとトイレから出なきゃいけないことも。でも、人からの声かけや働きかけがない限りできない。syunさんは、禁止されていると本人は思っていると話はります。それは、止められる経験が多いから。

20年ほど前にsyunさんのセミナーでのワークショップ。参加者さん1人を舞台にある椅子に座ってもらって、その前にあるテーブルに、syunさんが、飴を置くんです。その人は自分に出されたものだと、その飴を取ろうとする、その瞬間に、syunさんが阻止するんです。その人は手を引っ込める。syunさんが「どうぞ」と声をかける。それで、やっとその飴を取ることができる。

2回目も同じ、勝手に取ろうと手を伸ばすと、一旦止められる。で「どうぞ」と言われて、飴を取る。3回したら、もうsyunさんが「どうぞ」と言わない限り、飴を取ることはできなくなってしまいます。「指示待ち」の完成です。

誰でもなるんですが、自閉症や発達障害・知的障害の人には「同一保持」の傾向が強い。つまり、それを続けると、「そうするもの症候群」になっていく。したいからするんじゃなくて、そうしかできなくなるんです。また、親と子、先生と生徒、支援者と利用者には、「主従の関係」があるんです。障害があれば尚更。こちらがいくらフラットに接しても、彼らはその育ちから「主従」を意識しています。だから、言われたことを聞かないといけない、聞けない自分の方が悪いようにも思っていきます。だから尚更「指示待ち」は、彼らを苦しませるわけです。

小さい頃は「言うことを聞いていい子」のように大人は思ってしまいます。大人にとっては何にも困らない。でも、本人は「明らかにわかっていることでも、自分で始めることを禁止されている状態」でいるってことなんです。

それがどれだけ窮屈なことか。その窮屈なことから、それとは別の「他害」や「こだわり」など、あらゆる行動障害が起こってしまうのです。つまり「指示待ち自体が、行動障害」だということ。

じゃあ、それを解消するのに何がいるかというと、「スケジュール」をはじめとする「視覚的支援」そして、「声かけをやめて、待つ」ということなのです。

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